絵本は子どもの感性を養う、大切なツールですよね。
それに、小さな頃に眺めた絵本の世界って、大人になってからも、ずーっと心に残っているものです。
そう考えると、素敵な絵本をたくさん読ませてあげたい!
素敵な世界を見せてあげたい!
・・・そう思います。
ちまたでは「う〇こドリル」など一世を風靡しましたね。
確かに面白いケド・・・あまりに子供っぽくないですかーー?
読ませたら毎日「う〇こ、う〇こ」いうようになりそうで怖い・・(;^_^A
そんなわけで、大人が見ても美しい、綺麗、可愛い、そういう絵柄の絵本を中心に選んでみました。
なんとなく、絵柄が美しい方が脳細胞に色や形体が訴えかけて、頭が良くなる気がしませんか??
単純に綺麗なので、大人向けのプレゼントにもいいと思います。
ゆうびんやのくまさん
ゆうびんやのくまさん (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)
とにかく、「くまさん」のイラストが愛らしい!可愛いので見ているだけで幸せになります。この「くまさん」シリーズは、職業別で色々とあって
他にも「うえきやのくまさん」「せきたんやのくまさん」「パンやのくまさん」「ぼくじょうのくまさん」などがあります。
プレゼントだったら、このシリーズをまとめて何冊かプレゼントしたら喜ばれそう!
文章は単純なので、5歳くらいから読めそう。
▽内容紹介を引用。
くまさんは郵便屋さんです。毎朝とてもはやく起きます。クリスマス・イブのくまさんは大忙しです。どの家の人々もくまさんが郵便を届けてくれるのを心待ちにしているからです。くまさんは一生懸命、そしてとても丁寧に郵便屋さん仕事をします。そしてすべての仕事が終わると、おうちに帰りごはんを食べてベットで眠るのです。もちろん、イブですからくまさんのもとにも、小包が届いています。いったい何がはいっているかは明日の朝のお楽しみです。
いろんな職業についている、くまさんが、朝ベッドで起きてから、お仕事して、夜に眠るまでの一日を描いたシリーズです。ぜんぶ揃えたくなってしまう可愛さ!
ちなみにこの「ゆうびんやのくまさん」はクリスマスの物語になっていますので、他の季節だとちょっと季節外れになってしまうかもしれません。
のばらの村のものがたりシリーズ
のばらの村のものがたり(2)小川のほとりで (講談社の翻訳絵本)
こちらもイギリスの絵本。
とにかく、絵が緻密で可愛く、美しく・・・眺めているだけでウットリしちゃいそうなのが、ジル・バークレムさんの、このシリーズです。
主人公は、木のうろなどに住む可愛いねずみたち。
とても暑い夏でした。夏至まつりの日に、ダスティとポピーの結婚式をすることになりました。2人の希望で、式は涼しい小川の上で行うことに。でもそれがどんな事になるのか、その時の2人には想像もできませんでした。
春、夏、秋、冬とそれぞれの季節の花や植物、イベントが描かれています。
本の中から、木苺の匂いや、土の香り、夏の海の香りまでしてきそうな、素晴らしい絵です。
ねずみさん達のおうちの中も、上のように家具や小物など、デティールが綿密に書き込まれていますので、それを見ているだけでも飽きない・・・。
お洒落な雑貨カタログを見ているような気分になれます。
ストーリーも面白いです。
男の子でも、「アルフレッドの山登り」とか「海へ行った話」とか、わんぱく系(?)のエピソードがありますよ。
3びきのくま
森で迷子になった女の子は、小さな家を見つけます。食堂には大きなお椀、中くらいのお椀、小さなお椀に入ったスープが。女の子は小さなお椀のスープをすっかり飲んでしまいます。隣の寝室には大きなベッド、中くらいのベッド、小さなベッドが。女の子は小さなベッドで眠ってしまいます。そこへ、散歩に出かけていた3匹のくまが帰ってきます。この家は大きなお父さんぐま、中くらいのお母さんぐま、小さな子どものくまの家だったのです。
森の中で少女が迷い込んだ木のおうちには、くまの一家が住んでいた・・・というお話。一家が帰って来て、女の子は慌てて隠れます。
物語は単純で、何パターンかの絵柄で出版されていますが、その中でもこの絵が一番、味わい深いと思います・・・。
ロシアのフォークロアな模様の可愛さが発揮されているイラストレーションです。
ぼくがとぶ
日本のイラストレーター、佐々木マキさんの絵本もおすすめ。
上にあげた「ぼくがとぶ」以外にも色々ありますが、どこかシュールでとぼけた味のある絵は、村上春樹の本の表紙にも、よく使われていますよね。
この「ぼくがとぶ」は、男の子が飛行機で空を飛ぶ話。
内容紹介文はこちら
ぼくが なにを つくっているか
きみは わかるかい
とうさんも かあさんも しらないんだひこーきだよ
ほんとうに そらを とぶ ひこーきだよ「ぼく」の語りで、ストーリーはすすみます。
リズミカルに、ひょうひょうと、ユーモラスに。これが佐々木マキの世界。
これぞ佐々木マキの世界。
空から見た地上の風景とか自然や動物、それにメカが愛らしく、親しみやすく表現されています。
見飽きない、不思議な深みのある絵になっています。
がたんごとんがたんごとん
日本のイラストレーターでは、安西水丸さんの絵本もおすすめ。
シンプルな切り絵なんですが、なんともいえないウィットが漂っています。
そういえば、安西さんもよく村上春樹とコラボされてましたよね。
大人でも楽しめる味わいがあるイラストっていうことなんだと思います。
ぼうし
トミー・ウンゲラーさんはフランスの絵本作家。「すてきな三人組」が有名ですが、他にも素敵な名作を色々と描いてます。
この「ぼうし」もその一つ。内容はこんな感じ。
ぴかぴかの、すてきなぼうしがあった。黒いりっぱなシルク・ハツト。ある日、風にふきとばされて、ベニト・バドグリオのはげ頭の上に。それからおこるふしぎのかずかず。ベニトとぼうしの大かつやく
ある日、空飛ぶ不思議な帽子を手に入れた、傷痍軍人のベニト。赤ちゃんを救ったり、逃げ出した小鳥をつかまえたりと大活躍します。
ハッピーエンドの後は、この帽子がまたどこかへ飛んでいって、次はどこに行くのか「かみさまだけが、ごぞんじさ」という結末も洒落ております。
絵柄は、めっちゃヨーロピアン♪な感じ。
色も、紫、緑、夜の青などが印象的。舞台はイタリア。
「ゴッドファーザー」の映画に出てきたような大階段や、ロマンチックな噴水、求愛シーンが出てきます。不思議でシュールな夢を見ているようなイラストです。
キスなんてだいきらい
トミー・ウンゲラーといえば、やっぱり紹介したくなっちゃうのが、この絵本。
子ねこのパイパーは、ママに言われることにはなんでも反対します。ママのやさしいキスまで大嫌い! 反抗期の子どもの心理をうまく描きます。
白黒オンリーのイラストレーションなんですが、わんぱくな猫やおとぼけお母さん猫など、細部まで精妙に描かれているので、かえってリッチさを感じさせます。
モノクロなのに、カラーのものよりも何か「コク」というか「濃さ」さえ感じさせます。
わんぱく盛りの子猫パイパーが、同級生と取っ組み合ったり、時計を分解してみて、直せなくなったら窓から投げ捨てたり、兎も角いろいろと悪いことをします。そしてお母さんのおやすみのキスも、いつも避けているという・・・。
なんというか、絵柄もあいまって「反抗期の子猫」というよりは、渋いギャング猫をみているようなカッコよさがあります。
ゆめくい小人
「はてしない物語」や「モモ」など児童文学の金字塔を築いたミヒャエル・エンデ。
こんな素敵な絵本も残していたのです。
怖い夢を見て眠れなくなってしまった、すやすや姫。
困った王様は、みずから旅に出て、問題を解決してくれる人を探して歩く。
そして出会ったのが、荒野にいた、銀色のハリネズミみたいな毛をはやした「ゆめくい小人」。
この小人の大好物は「悪夢」「怖い夢」。
すやすや姫の見る怖い夢も、この小人が食べてくれるようになって、姫は毎晩ぐっすり。
しかも、「ゆめくい小人」を呼び出す呪文までついている!
怖い夢をよく見て寝付きの悪いお子さんも、この本で改善するかも!!
絵柄は、油系で描かれた、こっくりと色鮮やかな色彩。幻想的な森や、小人、それに自分でアイロンまでかける妙に庶民的な王様の姿もチャーミングです。
しろいうさぎとくろいうさぎ
また、緻密に描かれた、どちらかというとリアルな絵に戻ると、この
「しろいうさぎとくろいうさぎ」も名作です。
しろいうさぎと くろいうさぎ、二ひきのちいさなうさぎが、ひろい もりのなかに、すんでいました。
まいあさ、二ひきは、ねどこからはねおきて、いちにちじゅう、いっしょに たのしくあそびました。
でもあるとき、くろいうさぎは、とてもかなしそうなかおをしました。
森のなかに暮らす小さなうさぎたちが真実の愛を見つけるまでを、素直な文章と見事なイラストで描いた小さなラブストーリー。くろいうさぎの悲しい顔、しろいうさぎのびっくりした顔など、表情豊かに描かれた絵が、この小さな物語が持つ「真(まこと)なるもの」をさらに高めている。うさぎの毛1本1本まで丁寧に描きこまれた精巧なデッサンとピュアなメッセージが融合した本。世界中の人々に愛され続ける、時代と国境を超えたベストセラーである。原題は『The Rabbits' Wedding』。(松本肇子
上の内容紹介にも書かれているように、毛の一本一本まで丁寧に書かれたキュートであたたかなイラストレーションで、うさぎのかなしそうな顔も、喜びも表現豊かに描いています。
物語は、二匹の仲良いうさぎが「ずっとずっと一緒にいたい」と思うようになり、結婚式をあげるというシンプルなものなのですが、まっすぐ心に届きます。
子供はもちろん、結婚お祝いにおくりたい絵本でもあります。
色使いもシンプルで派手さはなく、森の静かな空気感が伝わってきます。
にんぎょひめ
日本の絵本作家の中でも、水彩画によるぼかしを最大限活用した、あわく優しい、どこか儚い世界を作っていたのが、いわさきちひろ。
雑誌の表紙画などのイラストは数えきれないくらい。絵本もたくさんあります。
この他にも、「あおいとり」「おやゆびひめ」など世界の童話シリーズも何冊も出ています。
水彩の濃淡だけで表現したモチーフの数々はみごとです。
東京都練馬区には、ちひろ美術館もありますよ。
星をかった日
スタジオ・ジブリのアニメ「耳をすませば」に登場した、作中物語に出てきた、ワンダフルな光景で一躍脚光を浴びた、井上直久さん。
大人のための絵本としては「イバラード博物誌」シリーズがありますが、
本作は、井上さんの構想をきいて、先にジブリがアニメ化。
その後で井上さんが絵本を描いたものだそうです。
秋です。今日は市場の出る日です。畑にできたカブのいいのを選んで積んで、みんな街へと急ぎます。「わたしのカブで買えるかな」 星を売るドワーフ小人にたずねると…。数えきれない星の中の、ひとつの星のお話。
星を一つ買って、それを育てるお話。
緻密に描かれた幻想風景と、綺麗な青色、透明な空気感、結晶や天体など冷たく美しいモチーフを親子で堪能できます。
うっとりと、絵本の中に入り込んでしまいたくなる綺麗さです。
絵が綺麗だったり美しい絵本のおすすめ、まとめ
絵本の場合は、ストーリーもそうですが、絵が何よりも、ものをいいますよね。
子どもの時に沢山、視覚的にも栄養を与えてあげたいものです。
色や形が、子どもの脳を刺激して、賢い子になってくれないかな~とかも思ってしまいますね。
ある意味では、感性をやしなってくれる絵本は、大人がこどもにあげられる、最大のプレゼントかもしれません。