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ハクソーリッジに対する皆の評価は?絶賛意見多し。戦場でクリスチャンが見せた勇気。

Hacksaw Ridge

 沖縄戦といえば、10万人近い一般市民が巻き添えになって亡くなった、第二次世界大戦時の非常に悲惨な戦闘だった。

 日本本土に、唯一、アメリカ軍が上陸した接近戦。

 私も、高校の修学旅行で地元のおじいちゃんおばあちゃんに聞いた生々しい話

(同級生の脳味噌が飛び散って降り注いでいた、珊瑚の尖った海岸を、はだしで足を傷つけながら逃げ惑った、などなど)

 を聞いたのを思い出します。

 

 この沖縄戦を、「ブレイブハート」「パッション」などキリストなどの苦悶をリアルに描く苛烈な映画を監督して評判になったメル・ギブソンが描きます。

メガホンを取るのは十年ぶりとか。

しかも、主人公は、武器を持って人をあやめることを拒絶する一人の兵士。

武器を持たないで戦場に出かける彼は、多くの人を救うことになります。

 

・・・これはなんとも興味深い。

感想や口コミをチェックしました!

 

ちなみに「ハクソー・リッジ」の意味は、人名?と思いきや「のこぎり崖」って意味です。

ノコギリみたいに切り立った崖を兵士たちがよじ登る場面がありますから、それに因んでます。

 

アカデミー賞の、編集賞・録音賞を獲得してます。

 

 

「ハクソー・リッジ」のあらすじ

 ハクソー・リッジとは、デズモンド・ドスという、実際に存在した人間の実話をもとにした物語だ。

デズモンドは、第二次世界大戦のとき、沖縄戦で、銃を撃つことも、持つこともなく、75人もの命を救ったことで知られている。

 彼は、前線で、武器なしで戦った唯一のアメリカ兵だった。

 デズモンドは、戦争自体は正当だが、人の命を奪うことは間違っていると信じていた。

(クリスチャンである彼は、聖書の”汝殺すことなかれ”に反していると主張)

 だが、武器を持つことを拒否する彼を、上官は嘲笑い、罰し、追放する。

軍事法廷に引っ張り出されさえした。

 

でも彼は戦場で、並外れた勇敢さを発揮する。

「のこぎり崖」という、上から敵の銃撃がある切り立った崖を登っては、負傷した仲間を抱えて、下の自分たちの基地へと助け出した。

(自分で発明したロープ使用)

自身も手榴弾や狙撃兵によって負傷しながら、怪我人を助け出した。

デズモンドは、アメリカ議会の国民栄誉賞にすら、はじめて受け取らないことを表明した人である。

 

「ハクソー・リッジ」の監督やキャスト

監督・・・メル・ギブソン

出演・・・デズモンド・ドス役=アンドリュー・ガーフィールド

     グローバー大尉役=サム・ワーシントン

     スミティ・ブレイシー役=ルーク・ブレイシー

     ドロシー・シュッテ役=テリーサ・パーマー

     トムドス役=ヒューゴ・ウィービング

 

「ハクソー・リッジ」の上映時間や日本公開日

  • 上映時間・・・139分
  • 日本公開日・・・2017年6月24日
  • 配給会社・・・キノフィルムズ
  • 映倫区分・・PG12
  • ジャンル・・・戦争映画・アクション・ヒューマンドラマ

 

「ハクソー・リッジ」の口コミやレビューをチェック!【ネタバレ有】

切腹する日本兵と主人公の行為が対照的、という意見

 物語の大半は戦場を舞台にしていて、戦闘シーンから幕をあける。

これらのシーンは身体がバラバラになったり、血しぶきが上がったり肉が飛び散ったりという光景を、時にスローモーションで克明に描写している。こういうグロテスクで恐ろしい暴力の描写は、倫理を超えた快楽を持って行われているように感じられた。

 物語の決定的な背景としては主人公デズモンドは、父親との関係がギクシャクしていたことがある。父親は第一次世界大戦に従軍して、親友三人を亡くしてから、アルコール漬けで、三人の墓に語りかける毎日。デズモンドや彼の弟、母親にも暴力をふるっていた。

 重要な回想シーンが二つある。

 一つ目は、デズモンドが弟と戦闘ごっこをしているとき、間違ってほとんど弟を死なせてしまいそうになったこと。二つ目は、父の暴力から母を助けようとして、父に銃を向けたことだ。彼はその時、引き金をひかなかったものの、こういう二つの出来事が、武器への嫌悪を植えつけた。

 こういうわけで、彼は戦場で信念を持って人の命を救うことに専念する。

 生き残りの負傷兵士を救い出そうとするデズモンドの熱狂的行為は、日本兵の、正反対の熱狂と対照的だ。日本兵は、敗北に直面すると、切腹を行おうとするのだ。

 デズモンドと日本兵の信念は非常に対照的だ。そもそも「人間」概念が彼らの間では異なっている。

 メル・ギブソン監督は、戦場を奇跡的な場所として描いている。というのは、一挙一動に生死がかかっている場所で、精神が粉々にならず、兵士たちの心身が機能できているというとだ。デズモンドだけでなく、一人一人の兵士すべてが普通に動けていることじたいが、非常なミステリーなのだ。

 しかし、デズモンドは熱心なクリスチャンという設定なのに、全然聖書の文句を唱えたりする場面がないのは物足りなかった。彼は聖書をよく開くんだけど、そのたびに、そこに挟まれている妻の写真を見るだけだ。

 ギブソン監督は、この映画「ハクソーリッジ」を暴力への愛という点では、ほとんど病理的なものにしている・・だが、戦争がもたらす心理的荒廃に理解を示すという点で、バランスを取っている。

ニューヨーカー誌、リチャード・ブロディ 評 より

 

メル・ギブソン監督大復活!という意見

ギブソン監督は、「ブレイブハート」や、スピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」以来の、血みどろなシーンをスクリーン上で繰り広げてみせる。

 映画史上でも稀に見る、凄い戦闘シーンのおかげで、ギブソン監督はまたもや、映画監督としての素晴らしい才能を見せ付けてくれた。惨酷さと痛ましいほどの優しさが両立している。彼の映画には、単にアドレナリンを放出させてくれるスリル、といった以上のものがある。 

 「ハクソーリッジ」は、暴力的な戦いの場で、家族、信仰、愛情、そして許しというテーマが試される映画だ。

ローリングストーン誌 ピーター・トラバース 評 より

 

一般観客の口コミもチェック!

  •  ほかのだれも、ギブソン監督ほどうまく、信仰に基づく映画を作れない。衣装から、脚本まで、ぜんぶうまくいっている。たまにメッセージが押し付けがましい時もあるけど。戦争シーンは、暴力にあふれているけれど、とっても考えさせられる映画、色々と啓発的だった。

 

  •  すっげーがっかりした。戦争についての迫真の映画だと思ってたのに。超陳腐だし、演技もひどいわ。みなの評価高いけど、これはヒドイ映画だったぞ。

 

  •  素晴らしい映画!メル・ギブソンは最近差別的発言やプライベートのスキャンダルで、ハリウッドの日陰者だったせいか、アカデミー賞とれなかったけど、ほかの誰かが監督した作品だったら、間違いなく賞とってたんじゃないかな。

 

  •  この映画の元になってる実話の方が、全然良かった。映画にするとき、変更が加えられちゃってて、自分は変えなきゃよかったのに、と思ったよ。

 

  • 今まで見た戦争映画の中で、最良のものの一つだった。

 

「ハクソーリッジ」まとめ

 かなり高評価です、9割の人が面白いといってます。

あと、激しい戦闘シーンと手持ちカメラの映像で話題になった、スピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」と比べる意見も多かったです。

 「プライベート・ライアン」ぶりの凄い戦争映画だった、という意見。

 それにしても、やっぱり日本人としては、日本兵の描かれ方が気になるとこですよね!

 

 そして、やはり仲間や上官から仲間はずれにされたり、軍隊から追放されそうになったのに、最後には衛生兵として、銃を持たずに戦争に行くことを認める、というアメリカには、やはり自由があるのだなと感じました。

 日本で同じこと主張しても「銃は持ちたくありません!人を救うのを仕事にします」とか。

 たぶん、上官に殴り倒されて無理やり銃を持たされるとか、抹殺される、とかが関の山だったんではないだろうか・・・。

 この背景にはキリスト教=信仰の自由、というのもあるとこが面白いですね。

 日本では第二次大戦時は「天皇教」といっていい状態だったわけで、信教の自由、それにともなう良心の自由もなかったんでしょうね。

 これは、今見ておくと、本当に色々考えさせられる映画になりそうです!

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