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映画「空海KU-KAI美しき王妃の謎」の感想・評判は?面白いorつまらない?染谷将太、阿部寛も出演!夢枕獏原作!【ネタバレ少な目】

 

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 空海といえば密教のお坊さん、若き頃に中国に渡って、真言宗を日本に持ち帰ってきた、平安時代の僧だ。

 800年代末の中国は、霧深い神秘に包まれていた・・・。

 そんなミステリアスな大陸を舞台にした冒険浪漫ファンタジーがこの一本。

 しかも、阿部寛が安部仲麻呂役で出るとか・・(あべつながり??(笑)

 空海は染谷翔太、それに松坂慶子も出演。

 日中の豪華キャスト揃いである!

 チェン監督も、カンヌ映画祭でパルムドール賞を受賞したことのある名監督だ。

 

 しかも原作は夢枕獏。

 日本のファンタジー小説作家の中でも、鬼才であり、「陰陽師」などの漫画や映画原作も多数。

 というわけで、これは期待できそうなのだが・・・。

 さて、実際に面白いのだろうか、つまらないのだろうか、チェックしてみることにした!

 

 

「空海KU-KAI美しき王妃の謎」の予告編とあらすじ


「空海 -KU-KAI- 美しき王妃の謎」予告2

原作は、夢枕獏の「沙門空海唐の国にて鬼と化す」(長い・・)という、小説である。SF、歴史ファンタジー。

 映画の主人公は、のちに弘法大師ともいわれる日本真言宗の開祖、空海。それに中国の大詩人、白楽天だ。

 

 空海は、難解な教義を持つ密教を勉強するために、唐の国に来ていた。そして時の皇帝に召喚される。皇帝は何かしらの化け物に憑りつかれていたのだった。

 

 現地の霊媒師が、謎の猫の毛がふさふさと何束も皇帝の部屋に落ちているのを見つけていた。宮廷の役人達は、宮廷兵士長の家に、人の言葉を話し、魚の眼玉を食べる猫がいるという噂について、空海たちに話す。

 そして一行は、とある売春宿に向かうことになる。そこで美女が官能的なダンスを踊っている時、化け猫が出現するのだった。

 

 不気味な妖気が絶えず漂う中、物語は進んでいく。本当に超自然的な力を持った猫の妖怪が存在しているのか、それともそれは陰謀を企てる人間たちが、隠れ蓑に作り出した単なるでっち上げなのか?

 

 空海たちの前になぜか何度も姿を現す、不思議な西瓜売りも、さらに眩暈のするような、そして危険で幻想的な方向へと、主人公達を導いていく。

 白楽天が、真実をどう脚色して詩にしていくかというクリエイティブなプロセスも描かれる。彼の作った、かの有名な「長恨歌」(楊貴妃についての詩)にも、謎を解く鍵が隠されていた

 さらに、阿倍仲麻呂も、宮廷で30年前に行われた、楊貴妃の誕生祝のための祝宴で目撃されたある秘密を明かしてくれることになる。

 

「空海KU-KAI美しき王妃の謎」の上映時間や日本公開日

 

  • 上映時間・・・132分
  • 日本公開日・・・2018年2月24日
  • ジャンル・・・ファンタジー、歴史、アドベンチャー
  • 配給会社・・・東宝、KADOKAWA

 

 

「空海KU-KAI美しき王妃の謎」の監督やキャスト

  • 監督

チェン・カイユー

26th Tokyo International Film Festival: Chen Kaige

「さらば我が愛/覇王別姫」でカンヌ映画祭パルムドール受賞している。

漢字の名前は「陳凱歌」なので、こっちの方が字としてはロマンチックですな。

  • 出演

空海役・・・染谷将太

白楽天役・・・ホアン・シュアン

阿部仲麻呂役・・・阿部寛

Abe Hiroshi & Sometani Shota from "Legend of the Demon Cat"at Opening Ceremony of the Tokyo International Film Festival 2017

楊貴妃役・・・チャン・ロンロン

白玲役・・・松坂慶子

大師役・・・火野正平

 

 火野正平は、今ではおじいちゃんであるが、昔は超モテモテで、色んな女性と浮名を流していたそうな。しかも、特にイケメンではないところが味噌。確かに、何かにくめない味のある雰囲気を醸し出している。

 

「空海KU-KAI美しき王妃の謎」の感想・評価は?

 

うっとりするほど美しい!という評価

 この映画は、中国、香港、日本の間で制作された巨大な国際映画製作プロジェクトだ。

 原作が優れていて、芸術的野心が壮大で、170ミリオンドルの予算があれば、ヒット狙いで作られた映画でも、うっとりさせるほど美しいものになるっていうことを証明してくれている。

 規制の厳しい中国の映画にしては珍しく、性的に寛容だった唐の長安を舞台として、陳監督はかなりセクシーなシーンも取り入れることができている。妖怪に憑りつかれた女性の熱狂的で官能的な踊りなど・・・。

 楊貴妃は、映画の後半になってからやっと登場するが、彼女が登場すると、映画の華々しさはいや増す。

 楊貴妃は、人々の間の平等と、芸術的自由、それに愛を司る人物として描かれている。

 物語は次第に原作からはそれていき、やがて空海達は、愛や権力や不死を追い求めることは無為であることを教えられることになる。

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 △染谷将太は坊主頭も様になっている・・・

 

 染谷将太とホアンは、二人とも魅力的だった。染谷の輝く目は、剃った坊主頭によって強調されていて、浮世離れした存在感を発揮していた。フランスと台湾のハーフであるピナは、物語中で「トルコの血が混じっている」と噂される楊貴妃を演じるのにぴったりだ。

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 視覚効果は日本で仕上げられたもので、動かない事物に関しては精巧だったけれど、猫のCGIは、作り物っぽく見えてしまっていた。それに、何匹もの猫を使って、一匹の猫を演じさせているのも分かってしまった。サイズや姿が違っていたから・・。

マギー・リー氏レビューより

‘Legend of the Demon Cat’ Review – Variety

 

物語がとっ散らかっていたりもするという意見

シュールレアリスティックなスペクタクルが見れる映画。手品と、超常現象の間を行き来する不思議な場面が満載。

 化け猫が襲ってくるダイナミックなシーンで、はじめに観客は魅了されると思う、

 けれど、続く場面では、あまりに多くの登場人物を、短い時間に詰め込み過ぎて混乱を招いている。

 映画のテーマは、愛と献身なのだが、そのテーマを伝えるには、物語が、とっ散らかり過ぎのままに終わっていた。

 とはいえ、陳監督が壮大なビジョンを現実化しようと努めていたのは評価できる。何千人ものエキストラを収容する、巨大な舞台セットや、何匹もの猫、棟の都長安は、よくできていた。

エドモンド・リー氏レビューより

Legend Of The Demon Cat (Kûkai) (2017) - Rotten Tomatoes

 

メロドラマチックに過ぎる!という評価

 陳監督の「空海」は、ストーリーテリングよりも、スペクタクルを作ることに重点を置きすぎていて、過去の傑作には遠く及ばない。

 中国では、12月22日に封切になって、二週間で、61ミリオンドルもの売り上げを上げたビッグ・ヒットとなった。

  原作者の夢枕獏は、陳監督が、6年という歳月と、154ミリオンドルを費やして再現したという、長安の都の壮大さに感激して涙したという。

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△セットや、何千人ものキャスト、衣装などは圧巻

 

 この巨大セットは、今後テーマパークとして使われるといわれている・・・しかし、この巨大セットも、この映画の欠陥になってしまっている。この巨大セットで繰り広げられる場面についていくのは、なかなか大変だ。

 それに数多くのキャラクターが登場する人物が、二つ同時に進んでいく。歴史的背景について知らない人が見たら、物語の筋がよく分からないのではないかな。

 冒険や、機知にあふれたやりとりもあるのだけど、CGがたっぷり使われた回想シーンが、それにとってかわる。

 楊貴妃のための豪華なパーティには、手品師や、サーカス団があらわれて技を競い合い、そして伝説の黒猫も出現する。

 それから、映画はあまりに扇情的になりすぎるし、感情の描き方も単純になってしまう。大袈裟な音楽も、この欠点を強調してしまう。そんなわけで、この映画はもっと面白いものになる可能性があっただろうに、その可能性がつぶされてしまっていた。

 

「空海KU-KAI美しき王妃の謎」まとめ

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 ともかく、セットは凄そうです。何しろ、そのまま遊園地に使われる予定・・・ということなので、長安の都をまるごと再現しちゃったような、壮大な舞台セットのようです。

 そして登場人物も沢山!

 ということで、欠点としては、この壮大に広がり過ぎた映画に、付いていくのが大変ということがあるみたい。

 

 日本だと、楊貴妃伝説とか、長恨歌とか、あと空海についても歴史や国語で、ちょろっと習っていると思いますので、なんとなく物語は分かるかもしれませんが・・・。

 物語としては、シャーロック・ホームズと怪談を合わせたような感じ・・・で、白楽天と空海は、ちょうどホームズとワトソン君みたいな組み合わせでもあるみたいです。

 

 最後はちょっと、感情の描き方がおおざっぱになっていたりもするみたいですね。

 染谷将太がお坊さんになった姿というのは、ファンなら見て損はなさそうですが・・。

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