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映画「カンフーパンダ1」のレビュー。平凡かな。ジャッキー・チェンよ、カムバーック!

Kung Fu Panda (1 of 2)

 海外に行く飛行機の中、隣の席で金髪の少年が笑い転げながら見てたのがコレ。横目で「そんなに面白いのか??」と俄然興味を引かれてしまい、ずっと気になってたんですが、このたびとうとう見ることができました。

 面白かったポイントなど、感想を語ってみます!

 私的な評価は、五点満点中3点といったとこでしょうか。

 

「カンフーパンダ1」のあらすじ

 ポーは、お腹でぶでぶで、食べること命の、ぼんやりしたどっちかといえば怠けもののパンダ。ある日、街にカンフーの大導師である亀がやってきて、「ドラゴン・ウォーリア」を選ぶことになった。

 選ばれた「ドラゴン・ウォーリア」だけが、蘇ったタイ・ランを倒す運命にあるというのだ。虎、カマキリ、鶴、蛇、猿からなる、老子シーフーが育てた精鋭を差し置いて、ひょんなことから「龍の戦士」に選ばれてしまったのは、超初心者のジャイアントパンダ、ポー。

 宿敵タイ・ランとは、その昔老子シーフーが拾った捨て子で、手塩にかけて育てたが、邪な心がめばえ、村中を破壊してしまい現在までは牢獄に入れられていた。だが脱獄、村に迫ってくる。

 食いしんぼでお腹もポニョポニョのとぼけたポーに、果たしてそれを止めることができるのか?

 

「カンフーパンダ1」の監督や声優

監督・・・マーク・オズボーン/ジョン・スティーブンソン

声優・・・ポー=ジャック・ブラック

     シーフー老子=ダスティン・ホフマン

     マスター・タイガー=アンジェリーナ・ジョリー

     マスター・モンキー=ジャッキー・チェン

日本語吹替版声優

     ポー=山口達也

     シーフー老子=笹野高史

     タイ・ラン=中尾彬

     マスター・タイガー=木村佳乃

     マスター・モンキー=石丸博也

 

 声優陣は、オリジナルも日本語吹替版も豪華!驚きなのは、なんとあのジャッキー・チェン御大その人がっ!出演しているではないですか!カンフー映画のカリスマ的存在です。しかも、猿のカンフーマスターという、脇役で出演しちゃってます。懐が深いですな!

 

「カンフーパンダ1」の上映時間や日本公開日

  • 上映時間・・・92分
  • 日本公開日・・・2008年7月26日
  • 配給・・・アスミック・エース/角川エンタテインメント
  • ジャンル・・・家族向け映画、アニメーション、アクション

「カンフーパンダ1」の感想(少しネタバレ)

ジャッキー・チェンの映画を参考に作られている

 んんん・・・。面白くなくはなかったのだけど、ちょっと子供向けかもしれない・・・。大人が見るには少しだけ退屈な気がした。

 しかし、ブルース・リー、ジャッキー・チェンと続くカンフー映画の黄金街道が、ちょっと細くなってアニメ方向に流れるとはなあ・・。

 この映画はそんなわけで、カンフーアクションはもちろん、ジャッキーチェン「酔拳」などの役者の動きを参考にして作られているという。

 さらに、コメディタッチの格闘映画っていうところでも、ジャッキーの映画をおおいに参考にしているみたい。

 なので、パンダの動きが、どことなく「酔拳」っぽい場面があったり、ラーメンとか屋台とか、身近にあるものを武器にして、ユーモラスに(だが真剣に)闘いを継続するような、どこかリラックスしたムードがあったりする。これは、ジャッキーの「プロジェクトX」などに由来するものだろう。

 

やっぱり「らんま2分の1」を思い出しちゃうよね

カンフーに、ジャイアントパンダと言えば!!

なんといっても、高橋留美子の名作「らんま2分の1」である。中国の秘境で闘っていた時に、妙な魔法のかかった温泉に浸かってしまい、それ以来水(かお湯)を浴びると、女体になってしまう拳法男子のらんまと、ジャイアントパンダに変身してしまうようになったその親父が中心人物の漫画である。

 そして、おとぼけた格闘シーンも共通しているものがある。

 例えば、老子シーフーは、食いしん坊のポーを訓練させる方法として、餃子や点心を目の前にチラつかせ、しかしそれを空中に投げたり、絶妙な箸さばきでポオがそれにありつくのを妨害してみせて、それを訓練とする。

 御箸で点心を奪い合ったり、ラーメンどんぶりを体の各所に載せてバランス取ったりと、こういうコミカルなシーンは、漫画「らんま2分の1」の、フランス人との食べ物を使った格闘エピソードなどを彷彿とさせる・・。

 らんまはインスピレーション源にあったりしないのかな?っていうのはちょっと謎だ。

アクションシーンでキャラの動きが追いづらい&物足りない

 アニメなので、生身の役者よりも簡単に超人的な動きを表現できちゃう分、そのアクションのインパクトが薄れてしまうことがあった。

 やはり、ジャッキー・チェン映画などでの、生身の体で、足が柔軟に跳ね上がるキックとか、いわゆる「怪鳥音」と呼ばれる「ハイヤー」とか「キエー」とかいう掛け声の迫力とか、それがないかなあ。人間が演じていると、やっぱり見ている方はこちらもその動きを頭の中でなぞれるので、自然と血湧き肉躍る感じがしてくるものなのだが、

アニメキャラだと、なかなかキャラのアクションと同一化することが難しい。

 それと、かなりアクションシーンではキャラの動きが素早過ぎて、いまいち目で追いにくいのも、それを助長してしまってる気がする。

アクションシーンの魅せ方自体は、日本のアニメ映画に軍配が上がるかも

キャラの描写や背景の建物などは、ものすごく精密なCGで作られていて(ディズニーアニメにはやや劣るかもだが)、クオリティが高いのだが、アクションシーンの演出方法は日本のアニメの方が優れていると思った。

 日本のアニメでは、必殺技を決めるシーンなんかは、その必殺技の名前やら、アクションなんかが派手に強調されて、痛快な感じがある。

 アクションシーンも、肝心のところではクローズアップを使ったり、ストップモーションを使ったりして、メリハリが効いている。

 けれど、この「カンフーパンダ」では必殺技みたいなのを出すときも、いまいちメリハリがないので、流れていってしまう。それから、引きで遠くからアクションを映し出すシーンが多いので、臨場感や迫力が少し足りていないように感じた。

 コマ割りの妙というのは、日本のアニメはうまいんだなあと再認識した。

 「カンフーパンダ」も、「フリクリ」だとかジブリアニメのアクションシーンから勉強しているとのことなのだが・・・。

 

パンダの仕草が西洋人風なのが面白い!

これは別に製作者が意図するところでは全然ないんだろうけど、一応舞台は中国風の設定で、バリバリ東洋である。

 なんだけど、妙に登場人物とくに主人公のパンダ、ポオの仕草や表情が、「ガイジン」っぽいのである。これは生身の役者が演じてなくて、アニメだから猶更逆にそれが目立つのかもしれない。

 大きく肩をすくめる仕草やら、表情筋の動かし方やら、やっぱりどう見ても西欧人なのである。パンダの皮をかぶっていても、どうしようもなく西洋人っぽいのだ。なんかこれは、見ていて面白かった。

まとめ

 こんなわけで、カンフーパンダは、面白くなくはない・・・・のだけど、実際私がプフッと吹き出すことができたのは、一回だけだった・・・。そして物語の筋もわりと単純だし、キャラの内面が深く掘り下げられたりするわけでもない。

 いたってお気楽な、愉快なカンフーアニメという感じ。子供は喜ぶかもねえ。

でもやっぱりジャッキー・チェンの黄金期の映画の面白さ・愉快さ・迫力には遠く及んでいない気がする。

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