まだ記憶に新しい、2013年のアメリカ、ボストンのマラソン大会で発生したテロ。
世界中でテロが相次ぐさなかの映画なので、リアルな緊迫感と問題意識を感じさせられそうだ。実話を基にしているわけだが、一体どの程度映画として観れるのだろうか?
どんな映画なのだろうか?気になったので感想や評判をチェックしてみた。
「パトリオット・デイ」のあらすじ
サンダースはボストンの街の警察だった。ボストンマラソン大会が開かれる日。
いつものように、交通規制を行うべく、何気なく現場に向かうサンダース。
しかし、マラソンの熱気に湧く会場の、ゴールテープ付近で、突然立て続けに爆発が起こる。
死傷者が続出し、あたりは煙と埃に覆われる。
現実の事件をもとにしたこの映画。このテロのさい、事件発生から102時間のうちに、犯人逮捕することができた。
この裏にあった、地元警察とFBIの、対立を乗り越えた協力、
ボストンの街の人々の勇気、すべての監視カメラや何万通ものメールをチェックし、ヘリコプターや車、警官総動員など、大規模な捜査の様子が描かれる。
「パトリオット・デイ」の監督やキャスト
監督・・・ピーター・バーグ
出演
- トミー・サンダース役=マーク・ウォールバーグ
- リック・デローリエ役=ケビン・ベーコン
- エド・デイヴィス役=ジョン・グッドマン
- ジェフ・ピュジリーズ役=ジェイ・K・シモンズ
- キャロル・サンダース役=ミシェル・モナハン
- ジョハル・ツァルナエフ役=アレックス・ウルフ
監督のピーター・バーグは、メキシコ湾の石油採掘船火災事故を描いて評判だった「バーニング・オーシャン」も監督していた。
緊迫ドキュメントに強いのかもしれない。
そして、そして主演のウォールバーグも、「バーニングオーシャン」の主人公を演じていた。
監督と主演のコンビ、再び、という構図である。
ウォールバーグは貧困家庭で育った元ラッパーの俳優である。青春期は荒れていたらしい。
「パトリオット・デイ」の上映時間や日本公開日
- 上映時間・・・133分
- 日本公開日・・・2017年6月9日
- 配給会社・・・キノフィルムズ
- ジャンル・・・ドキュメンタリー・クライムサスペンス
「パトリオット・デイ」の感想や評判をチェック!
テレビで報道されたとおりの内容だけど、面白い、という評価
この映画は、2013年のボストンマラソン爆弾テロと、それに続く犯人逮捕劇を描いた、第一級のドキュメンタリードラマだ。
.けど、何人かの犠牲者の物語や、事件にわずかに関わった人たちの群像劇を無理やり詰め込もうとし過ぎているとこもある。そんなわけで、二つの違う話の合体、といった印象を与えてしまう。エンディングも奇妙なものだった、最後に、実際にテロ事件に巻き込まれた人々の、7分ほどの現実のインタビュー映像で終わるのだ。
凄く良くできていて、飽きさせず、ぐいぐい観客を引き込むのだけど、欠点もある。一つには、このボストン爆弾テロ事件は、すでに当時、テレビなどで繰り返し報道されていて、物語として、そこに付け加わってくるような新たなものは、まったくないということだ。
私たちは、すでに次に何が起きて、どんな結末を迎えるかを知っているので、あまり緊張感を味わえることはない。
リール・ビュー紙 ジェームズ・ブラルディネリ氏 より
単純な勧善懲悪モノに終わってしまっているというレビュー
「パトリオット・デイ」に描かれたボストンテロ事件の犯人、ジョハル・ツァルナエフについて僕が知っていることがいくつかある。彼は、マラソンのゴール付近に爆弾を仕掛ける計画を立てた二人の兄弟の弟の方である。
1、彼はすぐに癇癪を起こす兄のタメランにいじめられていた。
2、彼はそんなに厳格なイスラム教徒ではなかったようだし、マーティン・ルーサー・キング牧師の、平和的抵抗をひそかに信奉していた。
3、彼は銃をそれまで持ったことがなかったのに、警察との銃撃戦では、大胆不敵に戦った
4、彼の義理の姉キャサリンは、アメリカ合衆国のテロとの戦いを擬人化したようなビッチだった
それでもって、観客が知るべきだと思うのは、そもそもなんで、彼がテロを起こしたんだということだ。007シリーズの悪役でさえ、今は、自分の動機を少しは語る。でもツァルナエフは語らない。彼は、爆弾の犠牲者を「付帯的(おまけ)ダメージ」と呼んでいた。アメリカ軍が、軍事行動による一般市民の犠牲者をそう呼ぶのとおんなじである。
「パトリオットデー」では、色んな人の人生の物語(爆弾の犠牲者、ハイジャックの犠牲者、街のおまわりさん、などなど)を描くんだけれど、なぜか、犯人の内面についてはまったく描かれない。ただ彼は「やっつけるんだ!」の対象にされるだけだ。
まあただ、こういうともかく「悪者をやっつけろ!」的態度からは、はみ出すシーンがこの映画にはある。主人公サンダースが、同僚の警官にこう聞かれる。
「こういう事件って防げると思うかい?」それで、サンダースが語るのは、自分の妻のエピソードだ。妻は、子供ができない体質、と帰された直後に、近所の子供たちが遊んでいる姿を目撃してしまったという。「悪魔が、こんなふうに、攻撃してくるとき」「俺たちが反撃するには、愛しか使えない。悪魔はその愛という武器には触れないから」と答える。映画の終わりで、現実にこのテロに巻き込まれたパトリック氏も、同じようなことを発言していた。
けれど、こういうシーンは「目には目を」「やられたらやり返せ」という明白なトーンと、犯人を、ともかく説明不可能なモンスターに仕立て上げてしまうやリ方とは、そぐわないように思われた。
サンディエゴリーダー紙 マシュー・リコナ氏 より
一般観客の意見や感想は?
- あの事件を忘れちゃだめだ!そしてアメリカ人であるのは素晴らしいね!いい映画。
- 爆発テロ事件のときの混沌とした状況をよく描いている。それに希望や人間の英雄的な部分についても描いている。あの事件の、現実の映像も、効果的に取り入れている。
- ヒドイ。アメリカ国旗を、誰かが脳味噌の上で燃やそうとしているみたいな無理やり愛国感だった。馬鹿にしている。
- この事件は知っていても、FBIと警官たちが、どうやって犯人を捕まえたのかは知らなかった。だからハラハラしてみていられた。
「パトリオットデイ」まとめ
辛口の意見もあったのですが、大体8割の人が、高評価をしていました。
見所は、FBIと地元警察の、「ここまでするか!!」というほど大きな、さすがアメリカという規模の捜査の過程が一つ、面白そうなところです。
また、日本では事件の経緯について、そんなに知っている人は少ないと思いますので、話の展開は分からないためスリルを持ってみることはできそうです。
一方、「パトリオット」と名の付くとおり、どうしても愛国的熱狂と紙一重な要素も出てきちゃっている感じがあります。
犯人が、本当に単なる悪い奴として描かれ、社会的背景などには触れられない単純さもあるようですね。
にしてもこのボストンテロのこと、調べると、実はこの事件は自作自演の陰謀だったのでは、、、という説まであるんですねーー。