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恋愛映画おすすめ12本。濃厚チョコレートブラウニーのような名作恋愛映画を堪能!

love


心がぐったりしてたり、澱んでる時に、恋愛映画を見ると、何か浄化作用がありますよね。

はっきりいって、恋愛力がまったくなくなって久しいわたくしですが、それでも、恋する人々のピュアな気持ちには打たれるものです。誰かを純粋に憧れたり求めたりする気持ちは、ある時は泣けるし、ある時は恋するあまり、お馬鹿になってしまう仕草や行動がおかしくて、コメディにもなります。

 かなり趣味が入ってますが、なるべく色褪せなそうな、時代を超えた恋愛映画の傑作・・(と自分が思うもの)をピックアップしてみました!

 「本格派」と題しましたが、これの意味するところは、「映画」という媒体の醍醐味をまった~りと味あわせてくれる映画ってことですな。映像の美しさや、音楽の使い方、その他もろもろ・・・。描かれている恋愛が濃密かってこととは、あまり関係ないです。映画そのものの密度をさしております。

 そこでなるべくインスタント・カップヌードルのような恋愛ドラマには言及しておりません。。。

 

 

アメリ

AMELIE

「アメリ」基本情報

  • 監督・・・ジャン・ピエール・ジュネ
  • アメリ役・・・オドレイ・トトゥ
  • 製作年・・・2001年
  • 上映時間・・・121分
  • 製作国・・・フランス

「アメリ」感想・おすすめポイント

 可愛いし、切ないし、ファッションのお手本になるし、笑えるし、パリの街並みが綺麗だし、抒情的な音楽が素晴らしいし・・・と、いいところだらけ。

 特に、おくてで、シャイで、自分の気持ちをなかなか相手に伝えられない人、自分の世界に閉じこもってしまう人はすごく共感できると思う。

 アメリは、空想好きの女の子。いつも頭の中で色々と空想している。その空想力で、時には人をくっつけたり、思い出の品を届けてあげたり・・・。でも自分自身は、空想の殻に閉じこもったまま。

 もう22歳にもなるし、ちゃんとしたボーイフレンドがいたこともない。

 そんなアメリにも気になる人ができた。相手も、アメリと同じようにちょっと風変わりで、おくてなタイプ。趣味は、証明写真を集めること。人々が証明写真を撮るときに失敗して放棄していったものを集めてアルバムに貼っているのである。

 そういえば、アルバイトも変なところでしているのだ。お化け屋敷のお化け役とか、いかがわしいビデオショップとか。

 偶然そのアルバムを拾ったアメリは近いものを感じて、魅かれはじめる。

 でもなにしろアメリはおくて・・。ただ家に閉じこもって、彼が自分に食べ物を買ってきてくれるのを想像するだけ・・・そして切なくなる。

 こんな時、アメリと同じアパートに住む、おじいちゃんの画家が、アメリにだいじな忠告をする。この画家は、骨がガラスのように脆くて外に出られず、ものすごくゆったりしたペースで一日絵を描いている。

 「アメリ、おまえさんの骨はガラスじゃない・・・。怖がってるままじゃ、何もかも過ぎ去ってしまうぞ!彼に気持ちを告げるんだ!」

(大意)そして、やっと向き合えた二人がキスを交わすシーンは、繊細で美しい。

 オドレイ・トトゥの華奢で不思議ちゃんな魅力も存分に発揮されている。黒髪、黒い瞳、眉毛のだいぶ上で髪の毛ぱっつん、という髪型は、日本の女の子も真似できそう。

 枕元の豚さんのかたちのスタンドライトなど、家具もいちいち可愛いのである。

 ヤン・ティルセンの、軽やかで哀愁のある、オルゴールによく合いそうな、移動式遊園地みたいな音楽も全編に採用されていて、物語を彩っている。

 

耳をすませば

「耳をすませば」基本情報

  • 監督・・・近藤喜文
  • 脚本・絵コンテ・制作プロデューサー・・・宮崎駿
  • スタジオジブリ製作
  • 公開年・・・1995年
  • 上映時間・・・121分
  • 原作・・・柊あおい
  • バロンの世界原案・・・井上直久

「耳をすませば」感想・おすすめポイント

 「アメリ」に続き、これも割と文化系のラブを描いた作品。ジブリのアニメであり、りぼんで連載された柊あおいの少女漫画が原作であり、さらに主人公雫が描く空想世界は、「イバラードの旅」という絵本で賞をとっている、画家の井上直久さんのライフワークをもとにしている。

 色んな才能が重なっているのに、ぜんたいがうまく調和しているのに驚く。スタジオジブリの、いろんな異文化を取り込んで、まったく独創的な一つの世界を作り上げちゃう能力は凄いものだ。

 中学三年生の雫は、読書が好きな女の子。ある時、読書カード(本のうしろについてて、借りた人が名前と貸し出し期限などを書くことになってるアレです)に、いつも自分が読んでる本を先に読んでる男子生徒の名前があることに気づく。

 気になる雫・・・。んーやはり、恋の予感はなんとなく自分と相手のあいだに「類似性」「共通性」を感じたときに起こることが多いんですね。

 その名前「天沢聖司」の持ち主は、実は、雫をいつもからかっている「やなやつ」の正体だった・・・。やがて二人は両想いになるが、聖司は、バイオリンを作る学校に入りにイタリアに留学するという・・・。

 まず!設定が素敵すぎますよ。この天沢君のおうちは「地球屋」という不思議な古道具屋さんをやっていて、ほこりをかぶった旧時代の不思議な道具が色々と並んでいる。おうちのたたずまいも素敵。そしてバイオリンを弾ける聖司くん。イタリアにバイオリン留学とは、またまた洒落乙過ぎるぞ・・・!そんな彼氏ほしいわ!イケメンだし!

 坂の街というロケーションも、高台から見下ろす景色が素敵だし・・。

 雫は何も目標がない自分にコンプレックスを感じるが、やがて物語を書くことをこころざす。

 雫の空想の世界では、猫のバロンが鉱石と樹木と雲が溶け合ったような不思議できれいな景色の中を、空を飛んでいく。空にはラピュタみたいな宙に浮く島々が・・・。これは井上直久さんの「イバラードの旅」からとられたイメージ。宮崎監督も虜にした原作絵本も、不思議空間に日常を忘れる、おすすめの一冊である。

この、青春映画と恋愛が混じっているのも素敵じゃないですか。(青春に恋愛はつきものとはいえ)。中学生や高校生のときの、純粋な恋愛心、胸のトキメキ、それにこれから自分を待ち受ける未来についての期待や不安・・・、

ああなんともノスタルジーをくすぐられる(泣)じゃないですか!

いえ、いま青春真っ最中というアナタは思い切り感情移入してください!

物語がなかなかうまく書けなくて泣いてしまう雫のけなげな気持ちとかも・・・ああ大切な気持ちを思い出させられます・・・。

そしてネタバレですが・・。ラストシーンの台詞が・・・

 

「しずく、大好きだ!」

 

ですよ??胸キュン度半端ない~~。どっキューン!と夜空に打ち上げられそうなドストレートな愛情表現~。

 

 汚れた血

Mauvais Sang

「汚れた血」基本情報

  • 監督・・・レオス・カラックス
  • 出演・・・ドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ他
  • 製作年・・・1986年
  • 上映時間・・・119分
  • 製作国・・・フランス

 

幼少の頃から虚無感や孤独感に生きてきた青年アレックスは、恋人リーズと居る時も虚しさは同じだった。原因不明の腹痛にも襲われ生活に嫌気がさしたアレックスは、人生を何とかして変えなければと考え続けていた。そんな矢先、行方知れずの父親が電車に轢かれて亡くなる。アレックスの父親の友人マルクは彼の多大なる借金を背負うこととなり、STBOの血清を盗み密売する作戦を考え出す。そしてその作戦に必要な人材としてアレックスを見つけ出す。アレックスは作戦に乗るが、そこでマルクの恋人であるアンナにかつてない運命を感じ、物語は動き始める。

あらすじはウィキペディアより引用。 

「汚れた血」感想・おすすめポイント

まず俳優がいいですな。少女のようにあどけないジュリエット・ビノシュと、ハンサムなわけではないが独特の個性的な顔立ちで、背も低くて少年的魅力があるドニ・ラヴァンは、鬼才カラックス監督お気に入りのコンビ。

 お父さんのつるんでいた悪党仲間の友達の恋人アンナにアレックスは運命的に魅かれてしまう。

 音楽の使い方がおそろしくうまくて、デビッド・ボウイの「モダン・ラブ」をBGMにして、パリの裏路地を走りまくるアレックス。恋の高揚感がよくあらわれる。とちゅうとんぼ返りしたりとむちゃくちゃな走り方なのだが、ともかく疾走感ある。

 青春のまっすぐな恋心。ラストが悲劇的なのは、やはりフランス映画がハリウッド映画と違うところ。切ない後味がのこります。

 

ポンヌフの恋人

Paris - Pont Neuf (France)

 「ポンヌフの恋人」基本情報

  • 監督・・・レオス・カラックス
  • 出演・・・ドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ他
  • 製作年・・・1991年
  • 上映時間・・・126分
  • 製作国・・・フランス
  • あらすじ(ウィキペディアより)

閉鎖中のポンヌフ橋で暮らす天涯孤独の青年ホームレスのアレックスは、いつものごとく酒を飲みながら夜のパリを放浪していたが、車に片足を轢かれてしまう。そこに通りかかった女は恋の痛手と失明の危機から家出放浪中の女画学生ミシェル。アレックスはミシェルの美しさに初めて恋の心地を知り、ポンヌフ橋を仕切っている初老の浮浪者のハンスにこの家出娘のミシェルを置いてくれるように頼み込む。そして二人のホームレス生活が始まる。ジュリアンというチェリストへの恋の未練と画家としての失明の恐怖を両手に抱えたミシェルと、他人との繫がりをあまりにも持たずに生きてきたアレックスとの間にも徐々に愛情に似た親愛が芽生え始める

「ポンヌフの恋人」感想・おすすめポイント

 ん、カラックス監督にジュリエット・ビノシュとドニ・ラヴァン・・・って見覚えが。そしてまたフランス映画かよ!って感じかもしれませんが・・いあいや、やはりフランス人は「もなむーる」「べーぜ」とか、なんやら恋愛関係の言葉で有名だし、世界一恋愛好きっていう誉高い国民ですから・・・恋愛映画がうまくても、それは当然かもしれない。

 また天涯孤独の青年という、孤独な設定をしています。彼の恋はそしてまた破滅的。恋愛の持つ危険な側面もよくわかっているカラックス監督。

 期待にたがわず、今回も音楽と映像のコラボレーションは素晴らしく、ポンヌフ橋に打ちあがるきらびやかな花火の下、ヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」をBGMにして、モダン・ダンスみたいにもつれあいながら走り回る恋人二人。

 ラストでは恋愛の狂気もみれます。好きすぎて、頭がおかしくなってしまいそうな情熱・・・そういうのを味わいたいときには必見。

 

ハウルの動く城

HOWL'S MOVING CASTLE BY Aley

「ハウルの動く城」基本情報 

  • 監督・脚本・・・宮崎駿
  • スタジオジブリ製作
  • 公開年・・・2004年
  • 上映時間・・・121分
  • 原作・・・ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「魔法使いハウルと火の悪魔」
  • バロンの世界原案・・・井上直久

「ハウルの動く城」感想・おすすめポイント

 帽子屋の少女ソフィーが魔法をかけられて、90歳のお婆ちゃんにされてしまう。魔法を解こうと家出し、不思議なハウルの城・・・城なのに足が生え、砲台のようなものがついてたり、目や口のような構造があったりと妙ちきりんな飛ぶ建築で、家政婦として暮らすようになる。

 魔法使いハウルは、協力な魔法を使える美青年だが、実は臆病なところがあって、部屋ではありとあらゆるお守りに囲まれて寝ていたりとか、凹むと、文字通り、マイナスの気を発して溶けそうになるなど、母性本能くすぐり系。

 ジブリの作品の中でも、「難解」「イマイチ」「話がよくわからん」と言われることも多い作品なのだが、この作品はかなり「愛」をテーマにしていると思う。

 ジブリ紹介二つ目だが、ジブリ作品ってけっこう、恋愛の恍惚感とか、濃厚に描かれていることが多い。それも、たぶんみんながジブリ好きになる理由だと思う。

 宮崎駿監督が天空の城ラピュタの製作時にスタッフに語ったということが端的にあらわしてる。なにかというと、パズーとシータが二人乗りの小さな飛行船で空を飛んでいくとき、パズーはきりっとして背筋を伸ばしている。これはなんだかわかるかと?監督は、パズーはシータの胸のふくらみを感じて、きりっとしてるんだと言ったとか。

 それに、「風立ちぬ」でも、新婚の主人公が忙しくて夜になっても炬燵で設計図を書いている。その横で奥さんは布団で寝ているんだが、片手だけつないでる、とか、やたらと胸キュンなシーンが出てくると思う。ジブリは恋愛力の巣穴ですよ・・・。

 ともあれ、この「ハウルの動く城」も、さいごにソフィーがハウルをずっとずっと愛してた!と告げると、急に世界全体が、魔法が解けたように改善されるんですね。戦争も終わりに向かい・・・。

 こういう点は「僕ときみ」二人の恋愛が、世界全体の運命と直結してしまう、いわゆる「セカイ系」作品群と似てますな。しかし恋愛っていうのは、まさに一つの世界が誕生したり崩壊したりするような経験ですからな。

 「ハウル~」を一度見て、いまいち理解できなかったって人は、もう一回純愛ドラマとして見てみてください!

 

秒速5センチメートル

5cm per second

「秒速5センチメートル」基本情報

  • 監督・脚本・・・新海誠
  • 公開年・・・2007年
  • 上映時間・・・63分

「秒速5センチメートル」感想・おすすめポイント

 これは、「君の名は」で今をときめく新海誠監督の、第三作目の劇場公開作品。切なさマックスで悶えころげそうになる。

 ちなみに監督は、「雲のむこう、約束の場所」で「ハウルの動く城」をおさえて毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞している・・・。

 この作品は、小学校、高校、そして働くようになってからの高樹の恋模様を断片的に描くもの。小学校のとき、転校で好きだった女の子と離れ離れになり、大学を卒業してからも、その子の面影をどこかで追い求めてしまっている。

 だれでも、もしあの時、あの子に告白していたら・・・今頃、とか、もし別れていなかったら、今頃・・・など、ありえたかもしれない、もう一つの人生について思いをめぐらせて、なんとも取返しのつかないような、切ないような気分におちいることはあると思う。そうした感情と、青春時代のなんともいえない純粋な世界の輝きが満ちている。

 主人公二人の声が、アニメ声直球過ぎるのが、やや気になるっちゃ気になるけど・・。

 そして風景描写が美しすぎる!! 秒速5センチメートルで舞い落ちる桜の花びらはもちろんのこと、学校の校庭の木々、通学電車と、電線の見える夕暮れ、雪に覆われたプラットフォーム、海、夕日、など、風景を見ているだけで泣けてくる。監督は、今まで落ち込んだときに風景の美しさにたすけられてきたそうで、風景描写には思い入れがあるということ。湿気が多い、日本独特の自然が美しく、思い出の校舎を包んでいる。

 

あの夏、いちばん静かな海

Tiempo atrás

 

「あの夏、いちばん静かな海」基本情報

  • 監督・・・北野武
  • 主演・・・真木蔵人
  • 公開年・・・1991年
  • 上映時間・・・101分

「あの夏、いちばん静かな海」感想・おすすめポイント

 ビートたけしが、監督北野武となって監督したもの。本当に多彩な方ですね・・・。

聾唖のカップルを描いたもので、当然ながら二人は一言も発声しないままに、気持ちを寄り添わせる。

若かりし真木蔵人のサーファー姿がまぶしい・・・!聾唖の人が、静かというのは、ある意味ちょっと幻想ではあるかも・・・。手話で、ものすっごいお喋りしますからねえ、もちろん。時に身振りという動作がともなうために、声で話しているより、ハイテンションで賑やかにみえることも・・・。

 それはともかく、静かに、言葉少なく寄り添うカップルというのは、北野武の理想なんだろうなと思う。ただ目の前に存在している海が、しずかにひたすら波を打ち寄せてくるように・・、ただ相手の存在を感じているという。

 そこには、親密さもあるのだけど、どこか厳しい距離感もあるような感じがする。そして北野武の映画はいつも、神の視点というか、どこか現世を超越したような外側から、静かに事物を見つめているような、なんともいえない優しさがあると思う。

 ビートたけしはお笑いの本番中にどんどん覚めてくることがあって、妙な冷静さの中で「いまこれをいったら絶対受ける」というのが分かって漫才を進めていくことがあったそうだ。そういう、体質的な、いまここを遠くから見つめる、独特のキタノ・ブルーの世界。水色がきれいだ。

 ふつうのメロドラマに飽きてきたら、こういう世界もありかもしれない。

 

街の灯

Charlie Chaplin

「街の灯」基本情報

  • 監督・音楽・主演・・・チャールズ・チャップリン
  • 公開年・・・1931年
  • 上映時間・・87分

「街の灯」感想・おすすめポイント

 どは。超古典ですが。まさに不朽の名作・・・。

好きな人に尽くしながら、自分はそっと身を引こうとするけなげな姿が、なんとも涙をさそいます。もちろん喜劇だから、全編通してユーモアに満ち溢れていて、ときに爆笑させられる。サイレント映画なのに、普遍的に言葉を超えて伝わってくるところもすごい・・・。

 チャップリン演じるおなじみの、ちょび髭、ステッキをもって、だぶだぶのズボンをはいたキャラ。浮浪者の役です。

 街角で花を売る盲目の娘に一目ぼれしてしまった浮浪者。落とした花を拾ってくれたのは、タクシーで去っていった大富豪だと思い込む娘。

 浮浪者は、娘を助けるために仕事をはじめて、彼女から花を買う。富豪のふりをして。ドタバタ騒動を繰り返すうちに、ひょんなことから大金を手にした浮浪者は、それを娘に手渡して、自分は無実の罪で牢獄に入ることに・・。

 そして何年か後、出所した浮浪者は、街角で娘にまた出くわすが、なんと娘の目は治って、いまや見えるようになっていた!彼のわたした治療費のおかげである。

 だが、彼は浮浪者だとばれてしまう。みすぼらしい姿をしているからと、自分が娘を助けていたことを打ち明けずに、そっと去っていこうとする彼・・・。

 すると娘は、かつての彼の手や顔の手触りから、自分をたすけていた富豪の正体が彼だったことを知る・・。

 人を好きになるときのけなげな気持ちと、それに、打ち明けずにそっと去っていこうとする浮浪者の優しさと切なさが、とても伝わってくるのです。

 古典だから退屈?てなことはないので、ぜひみてほしいハートウォーミングすぎる一本・・。

 

愛のコリーダ

 「愛のコリーダ」基本情報

  • 監督・・・大島渚
  • 公開年・・・1976年
  • 上映時間・・104分
  • 主演・・・藤竜也、松田英子

「愛のコリーダ」感想とおすすめポイント

1936年に起こった「阿部定事件」をモチーフにして、極限の愛を描いた映画。

当時の人はけっこうこの事件を好意的に受け止めていたという。

 吉蔵と定が、ひたすら愛を交わす様を描くものだが、非常に映像が美しい。伝統的な日本家屋、豪奢で美しい着物、芸者や幇間・・・今は失われた古い日本がある。

 西洋から「恋愛」「ロマンチックラブ」という概念が入ってくるまで、日本に「恋愛」という概念はなかった。それは「色恋」と呼ばれていた。

 その日本的な「色恋」の極限を鮮やかに焼き付けたのが、このフィルムだと思う。モチーフカラーは深紅。情熱の赤が全編に吹き荒れている。

 そして、狂おしい定の情熱を、おおらかにすべて受け入れる吉蔵は、とても懐が深い男性だと思う。

 情熱が凄すぎて、カップルで見てもたぶん、ロマンチックな気分にはならないと思われる・・・。人によっては引くかもしれない。特にラストシーンは・・・。

 あ、吉蔵と定くらい盛り上がってるカップルならば、火に油、という感じになるかもだけど。

 

 

黒いオルフェ

1.24.13 - "Black Orpheus"

「黒いオルフェ」基本情報

  • 監督・・・マルセル・カミュ
  • 公開年・・・1959年
  • 上映時間・・107分
  • 主演・・・・ブレノ・メロ、マルペッサ・ドーン

「黒いオルフェ」感想とおすすめポイント

 ギリシャ神話に登場するオルフェウス伝説。竪琴を奏で歌うオルフェウスの歌には、動物も、樹々も岩も、みなウットリとして聞き入ったという。

 このオルフェウス、亡くなった妻を追って冥界に下る。冥界の王に妻エウリュディケーを蘇らせてほしいと訴えたオルフェウス。彼の奏でる音色に聞き惚れた王は、「地上にたどりつくまでけして振り返ってはならない」と告げる。だが、地上につく直前に振り返ってしまったオルフェウス。妻と二度と会うことはできなくなってしまった。

 この伝説を、ブラジルのリオのカーニバルの期間を舞台にして、みごとに描き直したのがこの作品。

 なんといっても、アントニオ・カルロス・ジョビンが音楽を担当しているから、ゆったりとしてリラックスしながら、哀愁のあるボサノバが目白押し。他にも、カーニバルの激しいドラムをともなう陽気な音楽、豪華絢爛な衣装も見どころたっぷり。

 淡い水色の海をみおろす壮大なリオの景色もいいし、恋愛悲劇のあとも、ラストシーンでは子供たちがギターを弾いてサンバのステップを踏んで遊んでいるなど、なんともいえない、のどかさと哀切さが混じり合う・・・。

 

ロミオ&ジュリエット

Romeo + Juliet Postcard

 

「ロミオ&ジュリエット」基本情報

  • 監督・・・バズ・ラーマン
  • 公開年・・・1996年
  • 上映時間・・120分
  • 主演・・・・レオナルド・ディカプリオ、クレア・デーンズ

「ロミオ&ジュリエット」感想とおすすめポイント

 シェイクスピア作の名作、古典中の古典を、ここまで現代的に、ファッショナブルにかっこよく蘇らせたのは凄いと思う。

 今はディカプリオもすっかり貫禄出てますが・・・このときはピッチピチ。クレア・デーンズもそうだけど、お肌もつるつるだし、弾けそうなフレッシュな若さがあって、爽快だん。

 なんと、いがみあう両家は現代的なギャング団という設定になっていて、アロハシャツをきたギャング団がピストルをぶっ放すは、ヘリコプターや車も登場するやら。

ギャングのファッションもロックで面白い。しかしなぜかディカプリオは、西洋の甲冑を着ていたり、クレア・デーンズも白いドレス姿でなぜか可愛い小さな天使の羽根を背中に付けていたりと、色々面白い。ロミオがバルコニーをよじ登ってジュリエットの寝室に入り込むシーンもひたすら若々しくてフレッシュ。

 ロックとエレガンスと、ディカプリオの演技が輝く一本。

 

 

ユーガットメール

Love letter. [45/365]

「ユーガットメール」基本情報

  • 監督・・・ノーラ・エフノン
  • 公開年・・・1998年
  • 上映時間・・119分
  • 主演・・・メグ・ライアン、トム・ハンクス

「ユーガットメール」感想とおすすめポイント

 インターネット通信が、だいぶポピュラーになってきたころの映画。(とはいえ今みたいにフェイスブックやツイッターなどのSNSはまだ発達してなかった)

 顔も本名も知らない相手だからこそ、心を打ち明けて親密になれる・・・というのはどこの国でも同じみたいで。

 小さな絵本屋さんを開いているキャサリンと、その近くの大手書店チェーンの御曹司、ジョー。商売敵でもある彼らは、現実では互いに「いけすかないやつだ」といがみあっているのだが、彼らが、恋人よりも親密感を感じているのが、インターネットでメールをやりとりする、見たこともない通信相手。

 キャサリンとジョーは、メールの世界ではお互いに恋心を次第に募らせ始めているのだった・・・。この様子をコメディタッチで描いた恋愛ドラマ。

こういうシチュエーション、今でもありそう・・・。「耳をすませば」でも本を介してなんとなく魅かれている相手が、現実ではやなやつ・・・だった。

 自分だったらどうするだろう、現実でなんかやな感じ!と思っている相手が、実は自分が心を打ち明けて恋心を抱き始めている人の正体だったとしたら・・・。

 きっと最初の困惑は途方もなくて、どうしてよいか分からなくなるだろう。やなやつと思っていた分、かえって反動で魅かれる気持ちが強くなるのかもしれない。

 

 

まとめ

 あ、まだまだ紹介したい恋愛映画がある!

ベルリン天使のうた、僕のスウィング、、勝手にしやがれ、ジョンとヨーコの映画、シド&ナンシー、、ドラキュラ、ベント、ロバート・イース、ブルー、ボーイズドントくらい、とか・・あわあわ・・・。

あ、続きは近々書いてきますんで!

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