最初のスターウォーズ三部作とその前日譚三部作が完結し、エピソード7は初期三部作の今度は後日譚にあたる。年取ったハンソロやレイア姫が登場、ライトセーバーは新たな剣士の手に・・・という物語。
ですが、もちろんCGのクオリティや音楽は高いので楽しめるものの、後半からシナリオがちょっとヒドくなり、これはファンが評価しなかったのも頷けるなあと思った次第。では感想や見所を紹介します。
スターウォーズ・エピソード7「フォースの覚醒」のあらすじ(ネタバレ有)
エピソード6から30年後、銀河帝国の残党「ファーストオーダー」が、再び陰謀を企み始めていた。ダースベイダーのようなマスクをかぶり、赤いライトセイバーを操る謎の男が中心にいる。またそれを操る、暗黒卿シスのようなフードをかぶった老人という構図は、ダースベイダーとシスの時代を彷彿とさせる。
そしてやはり、彼はダースベイダーの孫であり、なんとハン・ソロとレイア姫の息子でもあったのだ。
一方ルーク・スカイウォーカーは、ジェダイ騎士たちを教えていたのだが、弟子のひとりがダークサイドに墜ちて裏切り、それ以来行方をくらましている。
本作の二人の主人公は、しかし彼らではなくて辺境の惑星でゴミ漁りをしている女性レイと、ストームトゥルーパーの脱走兵フィンである。レイはルーク・スカイウォーカーへと通じる地図を持つロボットBB-8と偶然出会い、以降一緒に行動する。さらにレイは、まだ気づいていないがフォースの力を内に秘めており、ルークの使っていたライトセーバーを発見して、それに触れることで力に目覚める。
「ファーストオーダー」は、ルークへと通じる地図を奪い返そうと執拗に追いかけてくる。追手から逃げるためスペースシップ(実は盗まれたファルコン号)に乗り込んだレイとフィンは、ハン・ソロの乗る巨大な密輸船に捕獲された。ソロはレイア姫と再会し、暗黒面に堕ちた息子レンを取り戻そうと旅立った。
スターウォーズ・エピソード7 フォースの覚醒の監督やキャスト
監督・・・J・J・エイブラムス
出演・・・レイ=デイジー・リドリー
フィン=ジョン・ボヤーガ
ポー=オスカー・アイザック
レン=アダム・ドライバー
ハン・ソロ=ハリソン・フォード
ルーク・スカイウォーカー=マーク・ハミル
レイア・オーガナ=キャリー・フィッシャー
レイ役のデイジー・リドリーは、一年あまりしかキャリアがない新人女優だったが、今回スターウォーズの主役に大抜擢されている。
旧三部作の主人公三人が、揃って数十年後の姿を登場させている。
スターウォーズ7フォースの覚醒の上映時間や日本公開日
- 上映時間・・・136分
- 日本公開日・・・2015年12月18日
- 配給会社・・・ディズニー
- ジャンル・・・冒険活劇、SF
スターウォーズ7フォースの覚醒の評価・見所
プロットに大穴が・・・??
物語の三分の二くらいまでは、特に可もなく不可もなく観ていられた。しかし、とある一点で急激に「あちゃ~~!」と期待値が急降下してしまった。どんな瞬間かというと・・・ハン・ソロが、レイア姫との間の息子、レンに突き刺され、はるか下に落下して絶命(?)するシーンである。(高所からの落下ってスターウォーズによくある絶命シーンだな)
なぜか。あまりに唐突であっけなかったのだ。レンはどうもソロとレイア姫の息子らしいが、彼の台詞は極端に少ないため、その内面のドラマはまったく観客に知らされない。なので感情移入ゼロの状態である。
レンをハン・ソロは説得し、一緒に帰ろうとする。レンは、いったん心を動かされたような表情をして、ソロにライトセーバーを委ねようとする・・・と見せかけて、次の瞬間にソロを刺してしまうのであった。
ソロの息子なので、親子の間の機微というかドラマというか、そういうものがもっと見れるはずなのに、レンは単なる軽薄な悪党みたいに見えてしまい、エピソード3でアナキンが見せていたような、葛藤が描かれていないのだ。なので、初期三部作であんなにも活躍したソロの最期がこれでは、あんまりだとファンなら思うだろう。蛇足的なのだ。実は、ハリソン・フォードは、エピソード3でハン・ソロが死ぬことを望んでいたのだがルーカス監督がOKしなかったという。そして本作でその申し出がある意味叶ったというわけだが、もっと華々しい引き際を用意するべきだっただろう。
それに辻褄が合わないことも色々あって、レンはダースベイダー風マスクをかぶっているのだが、その理由がまったく不明だ。ダースベイダーみたいに、大やけどを負って、マスク無しで呼吸できなくなっているわけではないのである。何のためにあんなに重いマスクを付けているのか・・。顔を隠すためにしても、ずいぶん面倒なことをしている。製作陣が、新しいダースベイダーという映像が欲しかっただけなのかなあ、とか推測してしまった。
ジョージ・ルーカスも、文句轟轟だったらしい・・・
ルーカス監督も、本作公開前に、フォースの覚醒への不満をテレビ番組でぶちまけていた。彼は、ディズニー側と意見が不一致だったことから、(ルーカス監督の脚本や物語案が拒否された)途中で、製作からは引いていたらしい。
いわく、本作は過去のスターウォーズシリーズを、懐古的に振り返るばっかりで、新しいことにチャレンジしてないという。また監督は、事前に今回は家族や、何をしていいかいけないかの倫理観が中心的テーマになると話していたらしいが、フォースの覚醒を見ると、実際そうしたテーマはまったく扱われていないことが分かる・・・。
キャラクターの内面の探索もされていなくて、ともかくアクション、宇宙怪物、銀河の映像、それがすべてなのだ。あまりドラマチックな要素がない・・・。
いい点はあるのか?
そんなわけで、興行収入や、観客や批評家からの評価は、割と良かったようなのだが、がっかりしたファンも沢山いたと思う。
良かった点は主人公が女性という点は新しいかもしれない。彼女は、戦闘シーンでは女豹のような猛々しさを見せていて、女性のアクションヒロインの可能性の片鱗を垣間見せてくれてはいた。
漫画やゲームでは女性格闘家やら剣士は珍しくないが、まだまだ映画では女性の戦士は描かれることが少ないように感じる。開拓の余地は結構あるんじゃないだろうか。今までの枠を超えた、それこそ動物的にかっこいいような渋いようなヒロインも見てみたいものだ。
また、ハン・ソロやレイア姫が、年取った姿で再出演しているのを見るのは、なかなか面白いものがあった。しかしハン・ソロは初老になっても相変わらず密輸業をやっていて、そろそろ落ち着けよ。。。と突っ込みたくなった。そしてレイア姫演じるキャリー・フィッシャーも、ずいぶんお婆ちゃん然としてしまっていたのに気づいた。撮影時58、59くらいだったかと思うが、その割にはもっと年取ってみえた。最近、キャリー・フィッシャーの死去が報じられたばかりだが、確かにこの時すでに体力が弱っていそうにみえた・・・。
時の流れって・・・。
まとめ
やはり、ジョージ・ルーカス監督の手を離れてしまったことは、スターウォーズエピソード7をつまらなくしているかもしれない。ディズニー側に却下されてしまったというルーカス監督の脚本から作られたエピソード7が見たかったぞ。