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ズートピアの感想!家族で楽しめる、映画版ディズニーランド!細部に神は宿る的な、作りこみ具合がすごっ。

Zootopia

 

評価は 5点満点中4点です!これは見るべき映画!

 いろんな動物が入り混じって、調和のもとに(?)暮らす世界。そこではもうかつてのように、肉食獣が草食動物をむさぼり食う・・・なんてこともなく、隣同士、同じ社会の中で暮らしている。でもやっぱり差別やら、それぞれの動物の適職はあるみたい。

 そんな社会で、小さいからだのウサギのジュディが、憧れの警察官になって、大都会で一人暮らしをはじめ、奮闘する。ともかく、出てくる動物が可愛すぎる上に、元祖ディズニーをほうふつとさせるユーモアやギミックにあふれた、隅々まで芸が行き届いた傑作アニメ映画です!

 

 「ズートピア」のあらすじ

 うさぎのジュディの小さい頃からの夢は、警察官になること。ふつうはサイや象など体の大きい動物に向いている仕事なのだが、ジュディはあきらめない。自分の何十倍も大きいサイズの動物たちの中で小さい体というハンディキャップを負いながら、トップの成績で警察学校を卒業!

 ようやく晴れて警察になれたジュディだが、体の小ささから、ボスにはなめられまくる日々。同僚がちゃとした事件捜査に派遣されているのに、彼女に割り当てられたのは、駐車時間オーバーした車への警告切符をひたすら貼っていくことのみ・・・。

 くじけそうになるジュディだが、ある時ひょんなことから、ずるがしこいキツネとペアを組んで、行方不明事件の捜索をすることになって’。。。??

「ズートピア」の監督やキャスト

監督・・・バイロン・ハワード/リッチ・ムーア

声優・・・ジュディ・ホップス役=ジニファー・グッドウィン/上戸彩

ニック・ワイルド役=ジェイソン・ベイトマン/森川智之

ボゴ署長役=イドリス・エルバ/三宅健太

 

「アナと雪の女王」のジョン・ラセターが製作総指揮を務めています。

日本語吹き替え版だけのオリジナルキャラとしてはマイケル・狸山というのが登場して、芋洗坂係長が声の出演!

 

「ズートピア」の上映時間や日本公開日

  • 上映時間・・・109分
  • 配給会社・・・ディズニー
  • 日本公開日・・2016年4月23日

「ズートピア」を観た感想(多少ネタバレあり)

東京ディズニーランド並みに作りこまれている

 この映画は本当に、驚くほどよく出来ています!ってのが第一感想。

芸が細かい!端々にまで、職人技が行き届いています。ディズニーランドに行った人ならわかると思いますが、ゴミ拾いの掃除人すら、華麗な芸当のように、美しくゴミをほうきと塵取りで集め、素敵なコスチュームを着ている。ゴミ箱すら、それぞれのテーマパークごとに、古き良きアメリカン風だったり、未来風だったり、ヴィクトリア調みたいな豪勢さで飾られていたりする。

 そして、シンデレラ城や動物たちの住む洞窟、ビッグサンダーマウンテンが駆け抜ける金山などは、偽物なんだけれど、ある意味本物以上に本物みたいに作りこまれていて、偽物と本物という区別すら超越している。

 そんな職人技に圧倒されて、すっかり「夢と魔法の国」に魅了されてしまうわけですが、この映画を見た感触も、これに近いです。ディズニーの底力を見せつけられた感じです。

 ズートピアの街並みは、イギリスやフランス、イタリアなどヨーロッパ風の石畳に、綺麗な丸屋根や窓がある煉瓦造りの景色が基本になっているようで、見ていて気持ちいいです。

動物たちの特徴が実によく表現されている

 うさぎのジュディが、困った時や感動した時などに、思わず鼻をひくひくさせてしまうのとか、実にうさぎの習性を写し取っていて、可愛いんですよ。毛並みや洋服、動き方までコンピューターグラフィックス画像でありながら、冷たさを感じさせない。むしろ手作りの温かみを感じさせるのがすごいです。

 鼻に皺をよせてうなる狼や狐、のっぽのきりん、象さん、小さいネズミなどが出てくるんですが、この色んな動物たちの描き分けも実に見事で、ともかくストーリー以前に、このキャラクター達を見ているだけで、とっても楽しいんです。

 動物たちは、基本的に全裸だった野蛮時代から脱して、人間のように洋服を着て、仕事したりジムに通ったりスマホ使ったりして過ごしてます。

 駅の描写なんかでも、小さなネズミ族用の降車チューブがあったり(そのチューブにすぽんと入ると、長い管をくるくる回って改札口に出る)、背が並外れて高いきりん族のためには、キオスクのジューススタンドも特別仕様になっていて、ジュースを入れたプラスチック容器が、高いところまでチューブで運ばれる仕掛けになっていたり、面白い仕掛けが沢山。

 ヨーガスタジオを経営している、毛長牛も、ボサボサの髪が顔にかかっている様子はヒッピーに適役だったり、従業員がみんなナマケモノの事務所があって、他の動物たちは、ややイライラしながら書類の処理を待ってたりとか(ハンコを押すだけで6秒くらいかかる・・・)、とにかく動物の特徴を活かしたユーモラスなシーンがたっぷり出てきて楽しませてくれます。

 動物たちの大きさの差も存分に表現されてます。うさぎのジュディは、バッファローや象なんかと比べると、三階建てマンションと人間・・くらいの比率で大きさが違うわけなんですが、ネズミやハムスターと比べると、今度はうさぎが巨大で、ネズミたちの街に踏み入るときは、アパートよりも背が高くて、怪獣みたいな大きさになって、どしどし進むことになります。

 

ゴッド・ファーザーのパロディ場面が面白い

 アル・パチーノ主演の、超有名なマフィア映画「ゴッド・ファーザー」ですが、「ズートピア」にはこれをあからさまにパロディにした場面が出てきます。

 しかも、白熊など巨大な猛獣を手下に従えるゴッド・ファーザーはさぞや巨大な動物に違いない・・・と思ってると、これがうさぎのジュディが巨人に見えるほどの、小さな小さなネズミちゃんなのです。このネズミちゃんが渋くミニチュアの椅子にふんぞり返って、命令をくだしたり、脅かして情報を得たりするのには、思わずほくそ笑んでしまいました。

 花嫁や花婿、来賓が伝統音楽に合わせて踊って祝う、ゴッド・ファーザー式の結婚パーティも、ネズミ版で再現されていて、可愛いったら。

 

子どもを勇気づけてくれる物語

 基本的に、動物の種類の違いというのは、現実社会の人種の違いに重ねられてます。たとえば、なぜか狐は差別されていて、わるがしこいズルい奴というレッテルを貼られた狐のニックは、すねて本当に詐欺師になっちゃっていたりする。

 それからうさぎは「キュート」で、ウサギ同士で「キュート」と呼び合うのは問題ないけれど、他の動物が「キュート」というと差別的になるとか、黒人の「ニグロ」という呼称の問題と通じています。

 あと、肉食動物たちが、理性を失って、野蛮状態に帰って、他の動物を襲おうとする、という不可解な事件が勃発するのですが、うさぎのジュディは、この理由を、「彼らは何千年も前には、他の動物を襲って食べていたから、攻撃的な遺伝子が、組み込まれているのよ」といったことを発言してしまい、それを聞いた狐のニックが、がっかりして相棒解消する、という場面なんかもあります。

 (この世界では90%が草食動物らしい)

 こういう差別や偏見もある世界で、時に傷付けられることもあったり無意識のうちに傷付けてしまったりと、そういう場面をくぐりぬけて、ピョンピョン前向きに飛び跳ねるちっぽけなウサギの姿は、なかなか励ましになるかと思います。

 難しそうな夢をひたむきに叶える様子も勇気づけてくれます。そんなわけで、特に背が低かったり、まわりと少し違ったりする子供は特に励まされるかも。

 

まとめ

 怖い場面は怖すぎないし、小さい子も大人も存分に楽しめる、かなりの傑作でした。もっと話題になってもいいのになあ・・。

 ズートピアの動物達は、今は互いに襲わないで基本平和に暮らしていて・・あれ、じゃあみんなベジタリアンってことなのかな?とかささやかな疑問が浮かびもしましたが、この映画は、ファミリーで観たり、ティーンズくらいまでの子供たちが観るには、かなり良いおススメできる一本です。

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