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【体験談】コピーライターの仕事内容、実際どう?広告会社を辞めた私の経験から。

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こんにちは。ちょい虹です!


何年か前まで広告製作会社でコピーライターしてました。30社くらい受けてやっと貰った内定。
とっても雰囲気のいい会社でした。
でも辞めてしまいました。なぜか・・・。

ほんの数年、ペーペーのうちに辞めてしまったので、乏しい経験ではありまするが、コピーライターの実際と、就職する前に知っておいた方がいいポイントについて本音をお話するです。

 


広告業界でライターやデザイナーを目指そうかどうしようか迷っている人はご参考くださいませー。

なお、ここで語る条件としては、中規模広告会社の新米ライターを想定してます。どでかい電通や博報堂ではありません。
また、クリエイティブ業界でも、フリーランスだと自分の裁量でまたいろいろ条件が変わってくると思います。

 

それでは、事前に考えておくべきポイントを語ります・・・。


地道な仕事が多いですが、大丈夫?


コピーライターというと、やはり糸井重里さんの「おいしい生活」とか「生きろ」みたいに、わずか数文字で福沢諭吉さんが勢ぞろい!
しかも、なんか格好いいし!


ていうイメージもあるかと思います。
コピーといえば、キャッチコピー的な。

が!


大手広告代理店のクリエイティブディレクターとかになると分かりませんが、大半のライターは、キャッチコピーよりも、ボディコピーを書いている時間の方が長いかと思います。

ボディコピーっていうのは、商品説明文のことです。

例えば、2016年の新卒採用のキャッチコピーから適当に選びますと。
トゥモローゲートさんの「ようこそ。ブラックな企業へ。」てとこがキャッチコピーですね。
ボディコピーっていうのは、それに続く説明文全部です。

数行のこともあれば、何ページにも渡ることもあります。
楽しんで遊びを入れて書けるところもあれば、単に原材料やら機械のスペックを羅列するようなところもあります

お菓子や食品のパッケージ裏側に、原材料とか書いてありますよね。

あれもぜんぶ含めてコピーなのです。

というわけで、いちばん華やかなキャッチコピーは、分量的には一番少ないのでした。

そして、書くだけがライターの仕事ではないのでした。


校正刷りのチェックもします。
原稿に誤字脱字がないか、綿密に確認します。
商品スペックなんか間違ってたら一大事ですから、本当に入念にチェックなのです。

また、小規模の会社だと、ライターも営業をする、などなどあるかもしれません。

完全に分業だとその点は楽ですね。

営業の人が凄くまばゆく輝いて見えますよ・・。


「大人」って感じです。
ライターやデザイナーは私服で、年甲斐もない、てろてろりんだったり、妙に洒落てたり、ジーンズにTシャツと超カジュアルだったりするわけですが、営業担当は、びしっとスーツ着て敬語も使いこなし、クライアントと交渉する。
同い年でも、お母さんかお父さんを見上げるくらいな貫禄があったものです・・。

 


24時間、働けますか?

 


栄養ドリンク、リゲインの2007年のコピーですね。
広告業界に入るということは、本気でこの問いが突きつけられるということにはなるでしょう・・・。

例外もあるかもしれませんが、大抵の広告会社は激務のことが多いです。

いちばん忙しい部署で、
「ああ良かった、今日は終電で帰れた」
「終電には帰りたいなー」
という世界です。

三日徹夜・・・とかもあります。

徹夜しないまでも、睡眠は往復の電車の中だけ、とか
会社近くのホテルに泊まり込みで家に帰れない、とか結構あります。

はい、だんだん感覚が世間とはズレてくると思います・・。
夜10時を過ぎると、時間の流れってやたら早くなるんですよねー・・。

ふらふらしていると、会社の外から会社に電話をして


「あ、○○さん?今どこにいるの?」
(そりゃ、会社にかけてるんだから会社だよ・・)

とか、

「月曜日って何曜日だっけ?」という意味プー発言が飛び出すようになります。

「四時間って、けっこう睡眠時間として長いんだよね・・」

とか。地獄のミサワ状態になります。
しかし、けして激務自慢ではなく、超ナチュラルな日常がそんな感じです。

というわけで、どれくらいその仕事が好きなのか、アフターファイブや時には土日も犠牲にしてまでも、やりたい仕事なのか。というのが試されるのです。

趣味を仕事にできていいかもですが、いくら好きでも、体力はある程度必要です。

当然、心身を壊す人もでてきます。

不眠症になって睡眠薬飲んでたりとか・・・。



ただこれは、会社にもよるし、同じ会社の中でも部署によるかもです。
一時期忙しくても、ある時期は人並みの時間に帰れるというケースもあるかも。
でも、それは時の運ですねえ・・。



相棒はパソコンですが異存ありませんか?

 


デザイナーは特にそうですが、マックなくしてクリエイティブできません。
なので、一日の大半の時間はパソコン画面と顔つきあわせていることになります。

ま、打ち合わせとか、紙にラフスケッチとかコピー案書きまくるとか、そういう時間もあるんですけど、
本格的な作業はやっぱりPC使用。

昔、紙にペンでデザインしてたという時代、いいなあと思います。
ぬくもりがあるじゃないですか。

それと、

ラフなのにラフじゃない!

くらい作り込まなければいけなくなってるのが、パソコン時代のつらいところ。
ラフ案なのに、「大体こんな感じで」っていうのができません。画像はダミーだとしても、かなりの程度、完成品に近いものをクライアントに出す必要があります。


だから手がかかる。時間がかかる。

 


広告は「作品」かもしれない、でも「創作」じゃない。

 


広告の場合、ビジュアルが格好良くても、言葉が面白くても、一番の目的は販促です。


もちろん、自由度が高い案件だったら、時に人を励ますような、くすっと笑わせるような、共感を呼ぶようなコピーもかけます。


広告デザインも、見ているだけで美しかったり、わくわくしたり、街を彩れます。

けれど、なんといっても、第一はクライアント様ありき、です。
自分がどんなに気に入ってても、社内で評判でも、クライアントさんが許可しなかったらボツにされてしまうんですよーー。

有名クリエイターになれば、自分の意見を強く押せるのかもですが・・・。

それから、そんなに好きでない商品の広告に携わることも、やっぱりあります。


あまりに正義感が強かったり、潔癖な人だと、「おれはこんな商品売るために生きてるんじゃないずらららー
となっちゃう可能性もあります。

ま、この点気になる人は、メーカーさんの専属デザイナーとかになれば、好きなブランドの広告だけ作れますから解決するかもしれません。

広告業界の人は、映画や美術、文学など関連分野が好きっていう人も結構いると思うのですが、プライベートで創作もやってて、あわよくばそっちで食べていきたい!という思いを抱いている人は、もしかしたらジレンマを味わうかもしれません。


・・・ちょい虹がそうでした。


今は下火になっちゃってますが、昔は、創作熱がまだあったものです。それで仕事が終わってから、自分の創作をしたりしてたのですが、頭の切り替えがうまくできないような気がして困りました。


 コピーライターって、アイデアを常に考えている仕事なんです。会社から帰った後も、こんな案どうか、あんな案どうかと、気づくとあれこれ仕事の企画を考えちゃったりしているのです
 そして、やはり広告コピーというのは、自分の世界を表現するものとは違いますので、創作で得られる満足感とはちょっと違うのです。


 「ちょっとうまいこといえるヒト」のプロ、っていうイメージでしょうか。


 ひとつの世界を構築できる作家業とはやはり違ってきます。
 
 もちろんコピーライターやりながら小説家になったヒトだっていらっしゃいますし、そこらへんは、その人次第でしょう。
 ただ一応、美術や文学の作家も目指している人は、両立できるかどうか、二足のわらじでいけるかどうか、一回考えてみてもいいかもです。


 やってみてムリと思ったら転職っていうのも全然ありとは思いますが。

さて、ここまで広告会社に就職する時のデメリット・・までいなかくても、留保というか、よく考えておいた方が良い点について見てきました・・。

しかしもちろん、楽しいとこやメリット、やりがいもありますわ。
広告業界の良い点もご紹介しますー!



文化系の面白い人達が集まっている

 
やっぱり、広告というのも一種の表現ではありますから、関連するカルチャーが好きな人たちが多いです。
美術、音楽、デザイン、映画、文学など、みんなそこそこマニアックなものまで知ってます。

なんで、単純に話が通じて楽しいです。
知らないアーティストのことを教えてもらえたり。
あと、どっか世間からズレている人が多いのは、
安心できるポイント

通常のサラリーマン社会だと、生きていきづらい、とか変人だと思われて浮くって人でも、大丈夫。
その変さを個性として受け入れて貰えます、、たぶん。

飲み会も、ありがちなボケ・突っ込みをえんえんと繰り返すという耐えがたい雰囲気はなくて、
まったりしてました。

そんなわけで、会社を辞めた今でも、同期とは結構仲良く連絡取り合ってます。
話してると色々発見も多いんです。

それから、デザイナーさんは特にお洒落な人が多くて、勉強&目の保養になります
(美大の子って美男美女が多い気がする・・・)

自分の作品が何十万、何百万もの人に届く

 


全国区の広告なんかだと、その拡散力は凄いです。
ベストセラー小説なんかよりも、多くの人の目に入っていることになります。


それに、自分の書いたものを、デザイナーさんが格好良くレイアウトしてくれて、カタチとして残るのは、やはり嬉しいし、達成感はあります。



勤務中に映画見に行ってもよし!

 


仕事の波がありますので、なにもない時は暇できますし、
会社で何してようと、何もいわれません。

ちなみに私が出社して朝一番にしてたことは、ミクシーの更新でした・・。

(当時はミクシー全盛期)
みんな席でSNSやってるし、漫画読んだり雑誌読んだりしてるし・・・。

アイデアが浮かばなーい、て時はそれを言い訳に映画見にいちゃったり、散歩したり、喫茶店で考えるとかも全然ありでした。

ふつうの会社からしたら考えられないくらい、自由。
放任空間です。

あと、個人的には、スーツを着なくていいのは楽でした。
スーツ着ると、どうも人格変えなくちゃいけないような気がして、無駄に緊張してしまうので・・・。


新製品や高級食品を試食し放題!

 


食品のプロモーションをする場合、サンプルで貰ったり、写真撮影の時につまみ食いできます。
役得ってやつ。

高級チョコレート、懐石弁当、新発売のお菓子、などなど沢山美味しいもの食べました。

 


素人モデル体験ができるかも!?



予算がない場合、自社のスタッフをモデルに使ったりすることも・・・。
特に美男美女でなくて大丈夫です。
自分の顔が公共空間に貼り出されているのは、なんとも面白い経験でした・・・。


おわりに

 


以上、コピーライター(やデザイナー)を目指している人は参考にしてくださいましぃ。

補足としては、広告業界、この先もしかしたら色々変化があるかもしれないです。

というのは、段々ネット広告やアプリ開発の注文割合が増えてるんですなあ・・。
景気の問題と、インターネット拡大から、紙媒体の広告は注文数が少なくなってきていると、同期からの報告。
なのでこの先は、プログラム作成などの知識も求められるようになるかもです。

何年か会社で修行して独立を目指すというのも、ありかと思います。その場合、つぶしがきくように、WEBのスキル等も身につけておいた方が良いとは思います。

個人的には、田舎に住んで生活費を抑えて、マイペースで仕事を請け負っていくというスタイルが憧れます・・・。

 

ではでは、お読みくださり有難うございました。

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