ちょい虹:映画情報、読書感想ブログ

キャッチコピーや映画、書評などを中心としたブログです!

90年代の名作広告コピー事例。Jリーグ、きんさんぎんさん・・キャッチコピーで時代を振り返る。

1990年代といえば、バブル崩壊、ジュリアナ東京オープン、サリン事件や震災、宇多田ヒカルデビューなど、色々と社会も動いた時期です。

広告コピーの名作で、どんな時代だったのか振り返ってみましょう!

 

 

1990年の広告コピー

100年目の電話生活

日本電信電話のコピー。1890年に、日本で始めて横浜と東京間で電話による通話がされました。90年はそれから100年目。もうすぐ130年目に入りますね!

90年なんて、まだケータイはおろか、ポケベルすらなかったですよ。好きな子に連絡とろうと思ったら、実家電話にかけるしかなかった時代!その子のお母さんには恋心がバレバレでした笑

 

女は三度、水を流す。

東陶機器。女子トイレ用の、音消し装置、音姫が発売になったのは1988年。この頃から普及し始めたのかな。

三度・・・っていうのは大げさな気もしますが??

でも確かに、一度は流してたので、音姫のエコ効果はすごい。

 

こんなに憎み合うのは、 あんなに愛し合ってたからですか。

パルコのコピー。

 

ペレストライカー 

Перестройка это революция


日本サッカーリーグのコピー。「ペレストロイカ」をもじってます。

1985年に今はもう無い旧ソビエト連邦の、共産党書記長に就任したゴルバチョフが始めた、民主的改革路線のことですね。

ゴルバチョフの頭の痣が世界地図に例えられた漫画とか、よく雑誌に載ってました。

しかし、あんなに巨大なソビエト連邦が解体するなんて、ほとんど予測されていなかったですねえ。

 

こんにちは、
まっすぐの不良で
ございます。矢沢永吉

 

東芝EMI。これはもう永ちゃんのキャラ勝ちとしかいいようがにゃいなああ・・。

 

1991年の広告コピー

1991年頃から高騰していた地価が下がり始めます。バブル崩壊時代です。

でもまだ91年頃は楽観的な人々も多かったみたいです。

 

ちちんブイブイ、
だいじょーブイ。


武田薬品工業。昔からある、おまじない言葉をうまく使った広告コピーの一例。


なんにもしないをするの。

西武百貨店。バブル期の浮かれ騒ぎにちょっと疲れてしまったような心境も垣間見えるかも??

 

なにも足さない。なにも引かない。

サントリー。ウイスキー。このシンプルな美学はイケイケ時代の中でも、ぶれてなくて流石サントリーだなと思います。

 

おとなの中で
親がいちばん
かわいい。


ラフォーレ原宿。親を余裕もって、「可愛い」とすら思える、そんな子どもは最強ですな。

末恐ろしい・・・。

 

距離にためされて、ふたりは強くなる。

JR東海の広告コピー。遠距離恋愛を描いた不動の傑作。前向きです。

 

1992年の広告コピー

時は流れない。それは積み重なる。

やっぱり、サントリーのコピーは渋くていいですなあ。

 

サケ・ハラスメント 

サントリーのコピーにはこんなのもある。今みたいに「アルハラ」という言葉がまだ定着していなかった時代だったんですね。

 

女は、仕事で死んだりしない。

ワールドゴールドカウンシル(ジュエリー)のキャッチコピー。

そうか、この頃はまだ過労な女性というのは少なかったのでしょうか。今じゃ、なかなかこんなこと言えません。

毎日かならず本を読む。毎日かならず歌をうたう。漢字がしっかり書ける。料理は得意。結婚しないとは決めてない。

POLA ディニューのコピー。これ、当時の若い気ままなお嬢さんのイメージ(?)でも料理が得意とか漢字が書けるとか、なんかコンサバですね。

90年代初頭の女性像が垣間見えて面白い!


反省だけなら、サルでもできる。

monkey

大鵬薬品工業。流行りましたね、コレ。職場でもたくさん使われたんじゃ??


バザールでござーる

 日本電気。これも猿が登場のコピーです。


きれいなおねえさんは、好きですか。

松下電工。脱毛器具の宣伝でしたか。答えるまでもないことを、敢えて聞くというテクニックは広告コピーの発想のお手本になりそうです。

 

その先の日本へ。

東日本旅客鉄道のキャッチコピーです。

 

きんさんは、一〇〇歳。
ぎんさんも、一〇〇歳。
ダスキン呼ぶなら、一〇〇番一〇〇番。

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きんさんぎんさん、懐かしい~~。可愛い長寿姉妹として、座布団に置物のように座る姿がお茶の間を賑わしていました。おばあちゃんアイドル。

その後、きんさんは2000年まで、ぎんさんは2001年まで生きておられました。

享年107歳と108歳。ちょうど、90年代と共に天寿をまっとうしたのですね。

ダスキンのコピー。

 

1993年

すったもんだがありました。

 

宝酒造。林檎のすりおろしドリンクの宣伝。力士の高花田と婚約破棄した宮沢りえがCMに出て話題になりました。りえさん、度胸が座ってますね。

今も、美しく年を重ねてます。

 

うらやましいぞ!!Jリーグ 豊島園

ファニーな広告コピーを見せてくれてた豊島園。

Jリーグ開幕は、この年でした。選手のカード付きポテチとか「オレーオレオレオレ」

の応援ソングとかに皆とりつかれてました。

 

ビールがあれば
晴れた日は、
猫になりたい。

Sweet Dreams


キリンビールのコピー。うーん、昼間から、ほろ酔い気分てのはいいものですねえ。

なんとなく、バブル気分から抜け出したのんびり感も出ている気がします。

 

思いあがりも 24どまりだ。


尼崎市総合文化センター(結婚式場)のコピー。えええ!?今の感覚だと、は、早すぎますっ!24歳になったら、いい加減年貢の納め時だから、さっさと相手見つけて結婚しろ。ということでしょうね。まだ社会に出たばかりじゃないですか、24歳なんて。

今はせいぜい34歳くらいまで上がっているのではないでしょうか。結婚期待年齢って。

 

清く貧しいよりも
清く豊かなほうが
いいと思います。

西武百貨店。いがいと、バブル気分がまだ続いているようなキャッチコピー・

1995年

男をやっていると、
喉が渇くことが多い。

キリンビール。まだちょっとハードボイルドな男性イメージが生きていた?

 

子供たちよ。
サンタは大富豪じゃ
ないんだぞ。

jingle all the way


三菱銀行。バブル崩壊から4年ほど・・・かなり切実なお財布事情があぶりだされます。

 

我慢できずに買ったモノは、
そのあと、すぐ
バーゲンにでる。

三和銀行。これも庶民の切実なお財布感覚がにじみ出ています。

 

バカンスとは、
大してお金を使わなくても、
楽しかった一日のことです。

無印良品のコピー。消費万歳のマインドが、だんだん変わっていった様子が見えるような。


毎日生きてりゃ、腹も立つ。

サントリーのキャッチコピー。

 

1996年

ゴミを出す日は、資源を出す日。 

富士電機。いまは、自治体のゴミ回収でも「資源ゴミ」という名前が浸透してますね。

その環境意識の発端は、このあたりの年だったのでしょうか。

 

好きなものを
くれた人は
しばらくは好きです。

岩田屋 ホワイトデーのコピー。「しばらくは」っていうのがリアル・・・!

 

「忙しいなら無理して
帰らなくていいよ。」は、
ほとんどの場合、
嘘です。


東日本旅客鉄道。帰省を誘うキャッチコピー。

 

1997年

こんな時代に
大学なんかで
遊んでいる場合
じゃない。


芦屋芸術情報専門学校。就職氷河期到来で、手に職志向が高まりました。

 

勉強しないために頭をフルに使うのが、
大学時代です。


フジテレビジョン。けれど一方では、こんな快楽嗜好だって、いつの世の中にも継続するもの・・。

借地、だが、故郷。

旭化成。マイホームを持つことは、やはり夢だったわけですね。

 

体はジムで、顔はスキンケアで鍛える。

クリニークフォーメン。90年代後半から、眉を整えたり、すね毛を剃ったりと、男性のフェイスケア、スキンケア意識も高まってきました。

 

恋さえあれば、
愛などいらない。

 

バーバリーブルーレーベル。軽やかに生き抜いていく、芯の強い女の子を感じさせます。

 

80歳が、86歳を介護している。

東芝。老老介護も一般的になってきました。

 

長生きを喜べない国は、
かなしい。

安田生命保険。今の30代以下は、年金もほとんど貰えそうにありませんね・・。ますます今切実なコピー。

 

1998年

給料は35歳で差がひらく。
生きてきた時間は同じでも。


リクルート人材センター。らしいです。35歳が、世間では節目の年齢と見られるようで・・・。ま、給料の額でHAPPYは測れないぞおお!!と言っておく。

 

1999年

男たちのタマは、
どこへ行った。

宝島社。タマとゆーのはまあ、色々かかっているのでしょうね・・・。

ハードボイルドな肉食系男性像は減少、2000年代からは草食系男子の時代ってことでしょうか。

 

まとめ

広告コピーというのは世相と時に絡まりあって、ヒットをうんでいるんですね。

自分自身が青春時代に見かけたコピーも多々あって、その時の空気感を思い出しました。

人々の記憶の中に、そっと眠るキャッチコピーが書ければ、コピーライター冥利に尽きるかもしれませんね。

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