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第五の季節/NKジェミシンの感想 傑作!めさ面白い。

A dream for Dune (Un rêve pour Dune)

これはかなり~の傑作!
日本であまり話題になってないのが不思議。

SF風味だけど、ファンタジーといってよい。
地震を起こしたり鎮静したりできる特殊能力を持つ「オロジェン」達は、その能力ゆえに差別され、虐げられてきた。

主人公は、そんなオロジェンの女性。
定期的に地下のマグマ活動によるカタストロフィが起こる世界(どこかの国に似てるなあ。。)で、今また「季節」と呼ばれる地殻変動が起きている。
その中、息子を殺して行方不明になった夫と、夫が連れ去った娘の行方を探す旅に出る。

作者が、アフリカ系アメリカ人の女性というのも、ファンタジーでは珍しい気がする。そしてフェミニストらしく。
この作者だからこそ、こんなに型にはまらない独自のファンタジーが書けたんだと思う。

子供に対する目線や子育ての描写がすごく活き活きしている。かつ、キップがいいというか、全然なよなよしておらず戦闘能力もあり、家庭に閉じ込められるのとは、ほど遠い。

あと、セックス描写もなかなか面白い。ポルノとかじゃないから、さらっと書いてあるだけだけど、互いに気乗りせず義務でやってるシーンとか、男性2人と女性1人の3Pとか。
(まったくやらしくはない)
変にジェンダーづけられた情感がこもったりしてなくて、ある意味ドライなんだけど、読んでいて爽快である。

アラバスターという男性キャラも、脱力してて弱弱しいのだけど、すさまじい超能力を発揮する。このアラバスターと、任務でペアにされた主人公の関係性もなんだか面白い。
のらくらしてるアラバスターにイライラしつつも、同じ男性にひかれたりするうちに、だんだん絆を深めていく二人の感じは新鮮だった。

空に浮かぶ水晶のような謎の結晶や、石喰いという人間ではない存在、滅んだ古代文明とか、ミステリーも色々。
一巻ではその謎は明かされなかった。
三部作なので、あとで解明されるのだろうか。。
面白いのでぜんぶ読んじゃいそう。

 

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