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「ダンケルク」の感想・評判。一風変わった戦争映画。軍隊という集団に埋もれる無名兵士達を描く。

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 時は第二次世界大戦中。1940年。

 ナチスドイツがポーランド、そして北フランスまで侵攻し、英仏連合の兵士40万人はフランスの海辺、ダンケルクに取り残されていた。

 危機を乗り越えるため、英首相チャーチルは、史上最大の救出作戦を開始した・・・。

 「インセプション」「メメント」などでゴールデングローブ賞を受賞しているクリストファー・ノーランが、実話を元に描いた戦争映画だ。

 透明感があり、抑制された渋い画面も予告編では特徴的。

 さて、実際に観た人の口コミや感想はどうなっているのだろうか?出来はどう?

 チェックしてみた。

 

「ダンケルク」のあらすじ

 ダンケルクは、1940年にイギリス軍がヨーロッパ大陸から退避する時の物語である。

連合軍は、フランス北西部の沿岸、ベルギー国境に追い詰められていた。

 そして、イギリス海軍は小さな、民間のボートを徴用する作戦で大量の犠牲者を出してしまう。イギリス軍は、今やドイツ軍の侵攻にさらされていた。

 この映画は、3つのストーリーが同時に展開する。

 

 最初のストーリーラインでは、ボルトン将軍が送り出した兵士を救出しようと船が繰り出す。

 二つめのストーリーラインは、政府の呼びかけに答えて、自分の小さな船で海峡を越え、兵士たちを本国に送還しようとするキャプテンの話。

 三つ目のストーリーラインは、英国空軍が、ドイツ軍を撃退しようとする話。

 この三つの話は、映画の最後で合流する。

 しかしその途上、多くの犠牲者が出るのだった・・・。

 

「ダンケルク」の監督や出演

監督・・・クリストファー・ノーラン

出演・・・

トミー役=フィオン・ホワイトヘッド

ピーター役=トム・グリン・カーニー

コリンズ役=ジャック・ロウデン

アレックス役=ハリー・スタイルズ

ギブソン役=アナイリン・バーナード

 

 主演のフィオン・ホワイトヘッドは、なんと今作が映画初出演のデビュー作だ。

 

「ダンケルク」の上映時間や日本公開日

  • 上映時間・・・106分
  • 日本公開日・・・2017年9月9日
  • 配給会社・・・ワーナー・ブラサーズ映画
  • ジャンル・・・戦争、アクション、歴史映画

 

「ダンケルク」の感想や評判をチェック!

 臨場感抜群で、アーティスティック、という評価

 この「ダンケルク」は、まったくもって勝利やカタルシス、戦争の終結についての映画ではない。これは、包囲され、罠にはまり、敵の砲火にさらされることについての作品だ。  

 溺れることや、銃弾や爆弾が雨あられと降り注いでくるおことに対する恐怖、病院船が燃え上って沈んでいくのを見つめる、上級将校の無力さ、それに恐怖をかなぐり捨てて、どんな手段をとっても生き延びようとする一人ひとりの衝動についての映画だ。

 会話は極端に少ない。その少ない会話からは、戦略とは正反対なものが聞こえてくる。ボルトン将軍の任務は、出来るだけ多くの兵士を上陸させることなのだが、かれはイギリス人的な見た目の平静さにもかかわらず、敗北を加速させることしかできない。

 物語は、大体三つのストーリーラインに分かれる。

「塹壕」「空」「海」である。

 「塹壕」パートは、トミー達兵士が、避難できる時まで、少しでも長く生き延びようとするシーン、「空」では戦闘機のパイロットがドイツ軍の爆撃機を追い払おうとするシーン、「海」では民間の小さなヨットが兵士を助けようとイギリスの海峡を越えてくる話だ。

 こうしたバラバラのストーリーが、断続的に語られるので、混乱とショックの雰囲気を生み出す。

 けれど戦争映画で見られる破壊された人や物は、ほとんど映し出されない。例えば、砂浜に打ち上げられた無数の死骸や、廃棄された装備品の山など、ダンケルクに残されていただろう、恐ろしい破壊の跡など・・・。流れる血を滅多に目にすることもない。

 だが、とても臨場感がある。映画のシーンの中に飲み込まれるような感覚を味あわされる。「ダンケルク」は普通の戦争映画よりも、アートフィルム的な要素がある映画だ。

ザ・ウィーク紙、リリ・ルーフバウロー評 より

 

戦争映画を退屈なものにした・・・という辛口評価

「ダンケルク」を見ていると、これがフルカラーの映画であることを忘れてしまいそうになる。色彩はとても抑制されている。砂浜のベージュ色、濁ったイギリス海峡の色、軍服の濃い茶色や、緑のヘルメットは兵士たちの青ざめた顔の上にある・・・。ユニオンジャックやらトーストに塗るジャム、ドイツ軍の戦闘機は鮮やかではあるが、あまり引き立ってない。そして、時折炎がさく裂し、無名の兵士たちを脅かすのだが、そのシーンは色彩の退屈さを紛らわしてくれるように感じられてしまう。

 ダンケルクに登場するドイツの兵士達の一人ひとりには顔がなくて、匿名的だ。そして、生き残ろうと必死になるイギリス軍の、若者たちも、互いに識別することは難しい。監督は、集団的な絶体絶命状態をあらわすために、キャラクター一人ひとりを掘り下げることは避けている。たまに、一人ひとりの人生にフォーカスがあたることがあるが、それは成功していない。

  ダンケルクのほとんどの場面はサバイバルシーンで作られているが、繰り返しが多くて単調になっている。

ニュー・パブリック紙 クリスチャン・ロレンツェン評より

 

個ではなく、集団の一部となってしまった人間を描いている、という意見

 ケルクは、実際に地べたを這う兵士たちよりも、軍隊や国民といったレベルにフォーカスする映画だ。砂浜に集結する40万人の兵士のうち、楽観的に見ても4万5千人しか救出できないだろうという、絶望的な見積もりについての作品だ。

 広大な範囲を捉えるファーストショットで、「ダンケルク」は広い砂浜に打ち寄せる泡の波と、ゆっくり近づいてくるボートに乗ろうと並ぶ兵士たちで埋め尽くされた海岸を映す。このシーンは、衝撃的な印象を与えてくる。それは、故郷イギリスから50マイルも離れていないのに、その距離を越えていけるすべを持たない大量の、群衆としての人間の姿だ。サバイバルしようと這いつくばって熱狂する人間の群れというよりは、一つの大きな生き物としての軍隊の姿だ。

 他の戦争映画が、個人個人のバックストーリーにライトを当てるところ、「ダンケルク」は、時にはほとんど抽象的な仕方で、集団の一員であることが何を意味するかということを探ろうとする。戦闘に参加する、名前のない身体の海の中の一つであることとは何かを。砂浜にいる三人の若者達は、その中にいれば、敵に捕まるか殺害される、そうした軍隊というものの一部であることから抜け出そうとする。 ダンケルクのモチーフはそこにあるだろう、助かろうとする動物的本能に逆らって、集団のために命を危険にさらすこと。

 これはスタンダードな戦争映画とは一味違っているが、時に美しく、時に困難な問いを投げかける。

バズフィード・ニュース アリソン・ウィルモア氏評より

 

一般観客の感想や口コミをチェックした!

  • 今まで見た中で一番つまらない映画だった。
  • 現実に起きたことで、ほとんど無名の新人からなるキャスト、美しい映像、編集、音響効果と音楽でもって、「ダンケルク」はすごく没頭させる。軍隊の敗北、人間の悲劇と、実際に起こったドラマチックな救出劇が身に迫って感じられた。ノラン監督はまた、新たな傑作を作った。
  • 濃密で、飽きさせない映画だった。
  • ストーリーテリングは上手いし、よく監督されている。必見!

 

「ダンケルク」まとめ

 評価はかなり高く、見た人の約90パーセントは、面白いと言っています。

ちょっと一風変わった戦争映画ということで、ヒーローが活躍するアクション映画みたいな仕上がりとはちょっと違っていて、あくまで軍隊という大きな生き物の一部として飲み込まれていく、無名の兵士たちの経験に迫るというところが特徴的なようです。

 そこまで残酷なシーンは多くなさそうなので、グロイのがニガテなひとでも見れそうです。

 

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