「IT」イット、といえば、暗渠の中、風船を持って佇むピエロが、壮絶に不気味でトラウマ的に、幼い心に焼き付いていますが・・・(;''∀'')
このたび、スティーブン・キングの怖い原作が映画化されましたーー!
和製ホラーとはまた違った、ダイナミックな怖さが期待できそう・・・。
評判はどうなんでしょうか?
傑作?駄作?グロい?
怖すぎたりしないのか??
というわけで、さっそく口コミを調べてみました!
「ITイット”それ”が見えたら、終わり」のあらすじ
ある大雨の日、紙の船を作って側溝の上に浮かべて遊んでいた少年ジョージ。だが、船が排水溝から、地下の下水道に落ちてしまった。
排水溝の隙間から下を覗き込むジョージ・・・。すると、そこには、怪しげなピエロの姿があるのだった・・・。船を渡そうとするピエロの方にジョージは手を伸ばすのだが、彼はそのまま行方不明になってしまう!
この失踪事件をきっかけにして、ジョージの兄、ビルは、狂暴なピエロの幻想に憑りつかれ始める。そして、やがてビルの友達もピエロを目撃し始める。
彼らは、ついに一致団結して、この恐るべきピエロ「ペニーワイズ」と立ち向かうことを心に決めた。
ピエロは、この町に何百年も憑りついている呪いだということがわかる。
この町の、行方不明者数は、全国平均の六倍も高い。そして夜間外出禁止令すら出されているほどなのだ。
そして、ピエロは下水道に潜んでいることもわかる。だから、対決するためには、下水道に足を踏み入れなければいけないのだった。
「ITイット”それ”が見えたら、終わり」の監督やキャスト
監督・・・アンドレス・ムシェッティ
出演
- ジェイデン・リーベラー
- ビル・スカルスガルド
- フィン・ウルフハード
- ソフィア・リリス
- ニコラス・ハミルトン
原作
- スティーブン・キング
原作は、ホラー小説といえば、世界でも一番の巨匠といえる、スティーブン・キングです!ホラーにとどまらず、「スタンドバイミー」など、青春や人生の深さをも表現できる稀有な作家!
日本の、国民的作家である宮部みゆきさんも、キングのファンだとか。
学生時代のスティーブン・キングがモデルになってますw pic.twitter.com/4PXfwTR1j1
— すわれジョン (@sitdownjohn) 2017年10月11日
上の写真は、学生時代のスティーブン・キング。
今でこそ、温厚そうなおじいちゃんですが、いやあ、天才というのは・・・やっぱり・・変態なんですかねww
「ITイット”それ”が見えたら、終わり」の日本公開日や上映時間
- 上映時間・・・135分
- 日本公開日・・・2017年11月3日(金)
- 配給会社・・・ワーナーブラザーズ映画
- 映倫区分・・・R15+
- ジャンル・・・ホラー、アドベンチャー、青春
「ITイット”それ”が見えたら、終わり」の感想・レビューをチェック!
傷付いた子供たちの団結物語だ!という評価
スティーブン・キング原作の「イット」は、先週末、アメリカで大ヒットした。10億円以上もの売り上げを上げたほどだ。
この大ヒットのわけは、誰の心にも潜んでいる、「ピエロへの恐怖」だと説明している批評家もいるのだが、この映画はただ怖いだけではない。
これは、恐怖と直面してトラウマを背負った者たちの、団結の物語でもあるのだ。
主人公達は、学校にうまく溶け込めない、はみ出し者たちである。
心気症の子、肥満でいじめられている子、ユダヤ人で、いつも民族帽子をかぶっている子、巨大な眼鏡をかけている子、「ふしだら女」と嘲られている子、そして弟を亡くした子・・・。
ピエロが彼らのところに出現する直前に、彼らは、自分自身が心の中で一番恐怖していることに直面する。
恐る恐る、生理用タンポンを買ったばかりのビバリーは、お風呂で、産業廃棄物の液体みたいに噴き出てくる、真っ赤な血液の噴水の中に身を浸すことになる。
マイクは両親を火事で亡くし、ドアのあたりを燃えている指がはいずり回るのを目撃する。彼らは、順番にターゲットにされては、逃げ出すのだった。
そして、ついに彼らは団結して、この忌まわしいピエロと対決することを決意する。みんなと一緒になってはじめて、この恐るべき敵に立ち向かう力を手にすることができるのだ!
お化けピエロの「ペニーワイズ」は、変てこなダンスを踊っていたりして、陳腐でお間抜けな感じなのだが、でも子供たちが味わう痛みはとてもリアルに感じられる。
大人によって、彼らは傷付けられている。子供たちは、その苦痛を秘密にして閉じ込めている。児童虐待にあっていたり、肥満、ユダヤ人、黒人であることなどで、町の規範から逸脱してしまって孤立していたり・・・。
彼らが下水道に侵入するシーンが幾つかある。水は、洗濯機や台所の水が流れ込む、かなり綺麗な下水なのだが、奇怪な物体がたくさん浮かんでいるし、ピエロは、水の中から突然姿を現す傾向があるので、下水道は、雨・死者の記憶・汚染や病気への恐怖などが混ざり合う場所となる。
いってみれば、幼くて、まだ力弱い彼らが、町に蓄積してきた忌まわしいトラウマの痛みを身に引き受け、それと対決することになるのだ。
ニューリパブリック ジョセフィン・リビングストーンのレビューより
あまり怖くなくて、映画を観た夜もぐっすり眠れてしまった、という評価
スティーブン・キングの原作は、なんと英文で1,138ページほどもある、大長編。
そしてこの映画は、その大半を取り上げようとしているから、どうしてもキャラクターの掘り下げが浅くなってしまう。テレビドラマにする方が向いているだろう。
子役たちの演技は、別に特別真に迫っていたわけではなかった。会話もぎこちないし、感情表現も大袈裟だ。脚本は、彼らの間に、時に張り詰めた対立の場面を作り出そうとしているけれど、いまいちうまくいっていないし、簡単にことが丸く収まってしまう。
怖いピエロのペニーワイズに関しては、、ビル・スケアガードが、気味の悪い演技を披露しているけれど、1990年代に、ティム・カリーが演じてみせた時ほどの怖さはない。カリーは、不気味な声と、表情で、観客を震え上がらせていたものだ。けど、今回の道化は、化粧や、視覚的側面から怖さを演出していて、そこまでの怖い効果をあげていない。
映画を見たあとに、いつも通りぐっすり眠ることが出来てしまった。
ザ・フィルムパイ マシュー・トューメイ レビューより
一般観客の口コミはどう?
- ホラー映画ということになると、近年もっと、激烈で妄想的な映画というのはあったけれど、「イット」にも、飛び上がるほど怖いシーンや、気持ち悪くて気持ちいいシーンもある、そしてユーモラスなテイストも忘れられてはいなかった。10代の子供たちの友情というテーマにフォーカスしている。そして子役たちは、みんな素晴らしい演技をしていて、ヒーローにはなれないような、はみだしっ子たちが勇気を持ったヒーローになる様子をよく演じている。
- お化けの道化「ペニーワイズ」は、今まで映像化された中で、一番グロくて、怖く仕上がっている。ティーンエイジャー達が、彼らの内側に潜む恐怖心を体現したような恐ろしい存在に立ち向かう物語なのだが、ピエロが怖いことで、とても面白くなっている。
- すごい良かった!好きな人と一緒にデートで見たい映画!
- けっこうホラー映画にありがちな演出なんだけど、役者は良かった。
- スティーブン・キングの原作小説を大好きな自分なんだけど、映画は原作に忠実だった。とても良かった。
- すごい!衝撃的だった!子役たちの演技は素晴らしいし、ピエロ役も、本当に背筋が凍るような演技で、思わず、ドキドキして拳を握りしめてしまいそうになる。登場人物たちの感じている恐怖を、観客も味わうことができるよ。
- ユーモアと恐怖がいい感じで絡み合っている。「イット」は何回見てもよい映画だと思う!好き!
- すごくいい映画。気持ち悪くて怖い場面もあるけと、「壮絶に怖い」ってほどは怖くなかった。けれど、この映画は何よりも。主人公たちの友情の物語だし、自分自身の内側の恐怖に立ち向かうっていうことについての映画だと思う。
- そんなに怖くなくて、どっちかというコメディっぽく感じた!
- 映像は、本当に驚異的に美しい。画面構成や、照明どれをとってもいい。子役の演技も素晴らしい。けれどピエロの話をすると、デザインはすごく良いのだけど、全然怖くない。精霊みたいな感じに見える。それから、原作のように、ピエロに人格が与えられているわけではない。ただ、気持ち悪くて不気味な存在だ。そして原作では、ピエロの「ペニーワイズ」はもっとずる賢くて、人を操るようなところがあるのだけれど、この映画では、ただ突然現れてびっくりさせるとか、そういうショック的怖さにとどまっている。この映画を観ても、じぶんは全然怖さを感じなかった。びっくりもしなかった。それから、クライマックスも、そんなに盛り上がらいし、そこまでおすすめしない。
- この映画は楽しめた。原作の小説も読んだことなかったんだけど。キングの原作のファンの中には、がっかりした人もいるのは知っている。けれど、面白かったし、すごく良いエンタメ作品に仕上がっていた。
「ITイット”それ”が見えたら、終わり」まとめ
かなり全体的な評価は高くて、見た人の8割以上が面白かったと意見しています。
見にいく価値はありそうです!
ものすごく怖いというほどではなさそうなので、根っからのホラー映画好きや、もっと身の毛がよだつくらいの怖さを味わいたい!というひとには物足りないかもしれません。
とはいえ、R15指定になっているくらいですので、かなりグロい描写や、怖いシーン、下品な言葉遣い、などもあるようです。小さな子供を連れて行くのはむりと思います。(というか、R15指定なんで、15歳以上は入場できないw)
スティーブン・キングが書く物語の一番いいところは、「スタンドばいみー」もそうですが、それが友情物語になっていたり、人生についての深い考察も含んでいたりするところですね。ただ怖いだけではない!
自分の中の恐怖、そして町の集合意識的な、暗黒の恐怖に、仲間と共に立ち向かう子供たちの物語、素敵です。