911直後、アフガニスタンに派遣された米軍特殊部隊グリーンベレー。その数はたった12人だった。そして現地の反タリバン勢力の将軍と協力して、騎馬で砂漠と岩の地帯を抜けていくことになるっ。
しかし気になるのは、結局化学兵器がみつからなかったりして批判されたアメリカの911後のイラク侵攻だ。
ポリティカルな面では、この騎馬隊がどういう位置づけで描かれているのかも気になってしまうところだ。しかも監督は報道写真家だという。
実際に映画を観た人の感想はどうだろうか。
面白い?つまらない?チェックしてみた。
ホース・ソルジャーの予告編とあらすじ
2001年の冬、911後にアフガニスタンに派遣された12人の男達がいた。米軍特殊部隊、グリーンベレーである。
原作はダグ・スタントンのベストセラー「ホースソルジャーズ」。
ヘムズワース演じるネルソンは、まだ戦場は未経験だが高度な訓練を受けたキャプテンである。その能力を見出されて今回の「ダガー」というコードネームのタスクフォースを率いることになった。
彼らはアフガニスタン北部同盟の一部としてタリバンと戦っているドストム将軍の元におくられる。そして、任務は、敵の多い容易ならぬエリアを切り抜けながらタリバンへの空爆を導くことである。
ネルソンは、この任務を3週間以内にたった12人でやり遂げると約束する。将軍はこの言葉を寛大に信用した。ネルソンと将軍は次第に、離れがたい相棒となっていく。将軍は16歳の時にロシア人と戦い始め、いまは老いたライオンであるが、まだ新米のネルソンに「お前は人を殺したことのない目をしている」という。
男達はただシンプルに指名を遂行し、多く自分たちの状況を問うことはしない。そして自分たち一人ひとり沈黙のうちに、戦う理由と、そして家に帰るべき理由を見つけ出そうとする。
ホースソルジャーの監督やキャスト
- 監督
ニコライ・フルシー
- 出演
ミッチ・ネルソン大尉・・・クリス・ヘムズワース
アベンジャーズ・シリーズでもお馴染み、肉体美美しき、クリス・ヘムズワースが主演。奥さん役を私生活での本当の奥さんが今回は演じています。
ハル・スペンサー准尉・・・マイケル・シャノン
「シェイプ・オブ・ウォーター」ではアブノーマルで残虐な悪役を演じていた俳優さん、彼がマイケル・シャノン。本作では英雄のひとりを演じます。変態な匂いは流石に本作では出していなそうですね(笑)
サム・ディラー・・・マイケル・ペーニャ
ドスタム将軍・・・ナビド・ネガーバン
もともとはイラン出身、ドイツで訓練を積んだ俳優さん。
ドラマの24やアメリカン・スナイパーなど、かなり色々な映像作品に出演しています。
ベン・マイロ・・・トレバンテ・ローズ
ホースソルジャーの上映時間や日本公開日
- 上映時間・・・130分
- 日本公開日・・・2018年5月4日
- 映倫区分・・・PG12
- ジャンル・・・戦争映画、歴史
- 配給会社・・・ギャガ
ホースソルジャーの感想・レビューをチェック!
男達が戦う理由を映し出す、興奮させる映画、というレビュー
もしあなたが米軍特殊部隊に所属していたとしたら、そのことは周りの誰にも秘密になるだろう。タフで、選ばれしものだけが付くことのできる特別な部隊だ。
そこでは信じれないような勇敢な行為も人々に派手に称賛されたりはしない。この兵士達は、こっそりと任務につき、そしてまた誰にも知られないうちに帰還する。
この「ホースソルジャー」もそういう任務の一つを描いた映画だ。
脚本家の一人は「羊たちの沈黙」を書いた人だ。
北部同盟の将軍と主人公ネルソンの大きな違いといえば、ネルソンは自分たちがすでに地上で手にしているものを失わないために戦い、死を恐れるのだが、ドストム将軍率いるアフガニスタンの人々は天国で報われるために戦っていて、死を喜んで迎えようとすることだ。なぜかというと彼らにとって地上の現実は地獄のように悲惨なものだからだ。
この作品はともかく銃弾が飛び交うシーンが派手だ。砲火の勢いはどんどん荒くれていき、最後には頭が痺れてきそうになる。「ホースソルジャー」は、時に、何かのために戦うとは一体なんなのかと問う、哲学的で深遠なものになり、またこれはアクションが盛りだくさんの獰猛な戦争映画ともなっている。
戦争に行く、個人的な理由についてはフォーカスされるものの、もっと大きなレベルで戦う意味について問うことはしていなかった。観客は凡庸なシナリオ技巧によってタリバンを憎む理由を与えられる。女性への暴力を描写する、おざなりに撮られたシーンがある。これが、アメリカ軍による繰り返し執拗に行われる空爆を正当化するのであるが。
この映画は、アメリカ軍がアフガニスタンでしたことや、その影響をちゃんと精査するものではない。けれど「ホースソルジャー」はどのように、どうして男達が戦うのかという点を探求し、アドレナリンを放出させ、興奮させるような戦争映画には仕上がっている。
ケイト・ウォルシュ評価より
Review: Adrenaline-fueled '12 Strong' explores how and why men fight | TribLIVE
現代の騎馬兵はシュールだけどリアル!という評価
この実話に基づいた映画はリアリティを感じさせられるよう、よく作りこまれている。現代の米兵たちが、埃の舞う砂漠を馬に乗って縦断するというシーンでさえもリアル。そしてちょっとシュールレアリスティックな味わいも感じさせる。まるで、昔のカウボーイとインディアンの映画みたいだ。
この映画では、彼らの戦いがアフガニスタンを解放するうえで何故大切なものなのかを説明しないし、兵士たちの性格も類型的なものを出ていない。
けれどヘムズワースとシャノンは、ストレートな男性的カリスマ性を発揮していて、戦闘シーンはドキドキ興奮させるものになっている。
だがこの映画は戦争映画の決定版というほどではない。アフガニスタンでの戦争が、戦争を決定的に終わらせはしなかったように。
スティーブン・ウィッティ評価より
'12 Strong' review: Chris Hemsworth fights the Taliban | NJ.com
ホースソルジャー、一般観客の感想をまとめた
- 主役たちもよかったけど何よりドストム将軍を演じるナビドが僕には、一番場面をさらってるように魅惑的に感じられた。不満はといえば、物語の展開するペースが冴えなかったのと、脚本に深みがなかったとこかな。そして演出や場面の運び方もちょっと退屈だったし、クライマックスも決定打に欠けていた。もうちょっと面白く撮れたと思うんだけど・・・。
- とてもいい映画。もうちょっとディテールに富んでたらもっと良かった。
- ヘムズワースは雷神ソーの役柄から抜け出れていない感じがした。映画は印象的だし、見る価値はあるけど、リピーターにまではならない。
- 戦争映画好きだったらいいと思うけど「プライベートライアン」とか、そういう種類の戦争を描いた映画が持っていた深みとか、テーマの追求はなかった。
ホースソルジャーの見どころまとめ
だいたい、評価は半々くらいに分かれていました。
評判が良かった点は、ヘムズワースやマイケル・シャノン、それにアフガニスタン人の将軍を演じるナビドなど役者陣がとても輝いていたという点があります。
それと、砲火がさく裂するシーンがど派手で、アクションシーンはとにかく、アドレナリン放出を刺激されそうな、スリリングな興奮が待ち受けているというのが見どころでしょう。
一方、戦う理由を見出していく男達の内面は描かれるものの、もっと大きなレベルでの戦争の理由とか、テーマ的な深みというものはなくて、そこが物足りなかったという意見もありました。