久しぶりにリピートしたくなる映画を見ましたっ!見たあとの高揚感は凄まじく、三日後の今日まで引きずっています。流血やグロいシーンも沢山、お下劣も多いのでニガテな人はいるかもしれませんが、全体として素晴らしいエンタメ・・・いやエンタメだけでは終わらない、色々感じさせる映画になってました!
R15指定にも関わらず、口コミで評判になってかなりヒットしているようです。嬉しい。
アドレナリンを出してくれる映画というと、カーチェイスとか銃撃戦とか、スーパーヒーローものが多いけれど、個人的にはこういう、無駄に熱き男たちの血みどろの戦い、の方がカタルシスを覚える。
アドレナリンというよりは、エンドルフィンとかそういった類の脳内麻薬が分泌されそうな映画でした。
そしてヤクザ映画が苦手な人でも、見て面白い見事なストーリー展開になっていたところも素晴らしい。
女性にとってはイケメン天国でもありました。
基本情報の後に感想を書きます!
※画像は予告より抜粋
「狐狼の血」予告編とあらすじ(途中までネタバレあり)
日岡秀一(松坂桃李)は、広島県の架空の町、呉原市の警察署に派遣されてきた新人刑事。広島大学を出た秀才である。
その日岡がいきなりコンビを組まされたのが、型破りな暴力団係の刑事、大上章吾である。大上は、ハチャメチャである。取調室に来た女性と一発やるかと思えば、ヤクザを拷問して口を割らせるわ、捜査のために放火するわ・・・。
しかも日岡は着任して早々に、いきなり大上に、捜査の囮に使われ、とばっちりでヤクザに暴行されるはめに陥る・・。
時は折しも、市内の二つの暴力団、尾谷組と加古村組が、全面戦争に入る危機を迎える時であった。
発端は、加古村組系列のサラ金業者の社員が姿を消したことから始まる。組長が服役中で不在の尾谷組は、広島中心部のヤクザ、五十子会の後ろ盾を持った加古村組に押され気味である。
加古村組は、尾谷組のテリトリーである、クラブ梨子にも出入りするなど挑発的行為を取る。しかもクラブのママに対して、尾谷組員の恋人の目の前で、セクハラ発言をしまくり。怒って短刀を持って追いかけてきた組員を、ピストルで返りうちしてしまう。
若い者をころされては黙っていられないと、尾谷組は全面戦争の構えを見せる。
それを止めに入る大上は、尾谷組と加古村組の双方になんとか話を付けようとする。
尾谷組の若頭、一ノ瀬守孝(江口洋介)は、大上に、三日間だけ時間をやる、という。
三日の間に、加古村組を壊滅させるような証拠がつかめられれば、襲撃をやめるという。
大上は、全面抗争になるのを止めるべく、なんとか証拠をつかもうとする。それは、例の金融会社社員の行方不明事件だった。彼をころしたのが加古村組だと分かれば、殺人容疑で逮捕することができるのだ。
しかし実は、大上自身にも、疑惑がかけられていたのだった。それは、14年前に起きた抗争事件を終わらせるきっかけとなった殺人事件。ころされたのはヤクザだったが、実は犯人は、大上だったのではないか・・・??という噂が立っている。
そして実は、主人公の日岡刑事も、大上の素行や過去を探るために、広島県警本部が送ってきた刺客だったのだった・・・。
だがスパイしに来た日岡刑事は次第に大上に親しみを持ち始める・・・。
捜索の結果、金融会社社員の遺体が見つかり、加古村組を逮捕することができるようになった。しかし、すでに三日目の日付はギリギリ過ぎてしまっていて、尾谷組は討ち入りを開始する。。。
そんなある日、突然大上刑事が姿を消してしまった。
「孤狼の血」登場人物
大上章吾(役所広司)
若い時から野性的な色気のある役者さん。演技がうまい!
マル暴の刑事。映画のタイトル通り、「一匹狼🐺」である。煙草に火を付けるジッポも、オオカミの絵が彫られたものを持っている。
昔のヤクザ対策の刑事はどっちがヤクザなのか分からないような感じだったというが、大上の場合もそれを極めている。
拷問するわ、ヤクザから手数料を貰うわ、しかも尾谷組とは家族のような付き合いがあるようだし、捜査のためならボヤ騒ぎも起こすわ、かなり破天荒な存在。
しかし実は優しいというか、人間的情も持っている一筋縄ではいかない人物。
日岡秀一(松坂桃李)
画像は予告編より抜粋。
呉原署に派遣されてきた新米刑事。広島大卒業した秀才で、まっすぐで真面目。
空手の使い手でもあるのだが、自分から手は出さない。
大上のハチャメチャな仕事ぶりに呆れ返るが、次第に惹かれていく。
だが実は中央から、大上を監視するよう派遣されてきた事情があり、定期的に中央に大上の所業を報告している。
高木里佳子(真木よう子
クラブ梨子のママ。
尾谷組の若い衆の一人とできている。昔の旦那も尾谷組員だったが、加古村側にころされているという過去がある。
クラブは二つのヤクザの抗争の場所となり、翻弄されるが、大上と協力して尾谷組をサポートする。
一ノ瀬守孝(江口洋介)
画像は予告編より抜粋。
本作では渋くてダークな別の魅力を発揮。
尾谷組の男前若頭。
日本刀がお好き・・・。
「孤狼の血」を見た感想、見どころ。結構エグい!
暴力度高し、ややグロシーンも。エロスは少なめ
「地上波じゃ放送できない」「テレビでは見せられないもの見せちゃる」という宣伝文句の本作。
暴力、バイオレンスはどの程度なん?と気になる人も多いのでは。
映倫区分でもR15指定になってますからね。中学二年生までは見れません・・・。
んで、暴力は・・・確かに、けっこうあるっちゃあるが、ひどいホラー映画とかに比べれば、それほどグロくはないです。
人の指を切り落とすシーンや、殴り合いのシーン、刃物、ピストル、日本刀(!)などでの血みどろシーンがあります。割とグロめな死体も出てきます。
なので、すっごい怖がりだったら見ない方がいいかも。でも、としまえんのお化け屋敷並みのグロさではあるので(多分・・・)そこまで気分わるくなるほどではないです。
かえって、血しぶきに変なカタルシスを覚えます。役所も松坂も江口洋介も・・・、漏れなく血まみれになりますので、見どころですね。
水ならぬ、血ィもしたたるいい男、って感じです。
(これは人にもよるかな~。私は幽霊ものはニガテなんですが暴力ものには比較的耐性ある方だと思いますので・・・)
猟奇性というのは、近代日本のお家芸かもしれませんね~。
そしてエロスシーンですが、それほど過激なものはありませんでした。半裸の女性は出てきますが、物語の進行上出てくるだけなので、それ自体を目的にしているわけではありません。それから真木ようこも、脱いだりはしませんので男性ファンの方、そういう期待はしないようにしましょう・・・('ω')
個人的には、暴力映画は硬派であって欲しいので、まあそんなに多くなくて良かったかな。
お下劣ネタはありますが・・・(^^;
松坂桃李の演技が良かった
ほとんど役所広司目当てで、この映画を見に行った私で、松坂桃李君を見るのは初めてでしたが、かなり良かったです。
モデル出身の男前です。しかしモデル出身でも福山雅治がわりと女性的ですが、松坂君は、けっこう男っぽい顔立ちなので優男って感じでもありませんでした。
新米刑事が似合っていた。
そして、秀才っぽく最初のうちは大上の行動にあきれはて「そんなことしてはだめですよ!」を連発しているまっすぐな青年だったのが、途中、ある出来事をきっかけに変化します。
そして、日岡自身も、ある意味、暴力の世界に身を投じることになります・・・。そういう変化とか、あと知り合った女の子の部屋に誘われてビール飲む時の純真そうな様子とかも、なかなか良かったです。
「娼年」は見てませんが、体当たり演技を見せられる、熱い心を感じさせました。
これから楽しみな役者さんだな~と思えた次第。
役所広司はもちろん、江口洋介のかっこよさは特筆すべきレベル!
役所広司はほんと、ぶれないカリスマ性で、流石の存在感だったわけですが、今回江口洋介をはじめてカッコいいと思いました。昔はロン毛の爽やかイメージだったんですが、一重を活かした目付きの鋭い、渋いヤクザ者が似合ってましたね。
クライマックスで日本刀を振り回すわけですが、このシーンもダークで良かったです。
常に冷静沈着なんだけど、どこか狂気や熱を秘めている、抑制された感じがなんともかっこよすぎた。本能抑制感、最高。この抑制感を、スーツという服はまた引き立てる💛個人的には一番胸キュンでした。
真木よう子さんは、ちょっと痩せすぎてないかなあ?と思ってしまいました。任侠な女だったら、もうちょい体力ありそうな方が様になっていたような気がする・・・。細くて華奢すぎて、ちょっと頼りなさそうに見えてしまいました。
薬局の女の子、阿部純子さんも、フレッシュな可愛い魅力に満ちてました。意外と昔から映画などで活躍されていたようです。
ヤクザ映画にしては、話の筋が分かりやすいのも良い。
東映のかつての人気シリーズ「仁義なき戦い」とか数本だけ見たことあるのですが、どうも、問題点としては話の筋が掴みにくいのがあるかなあと思いました。
ヤクザの対立だから、登場人物が何十人も出てきて、誰かだれやら、よく分からなくなるし、ナレーションもすぐ過ぎちゃうしで、いまいち誰と誰が争ってるのか、わかりにくかったりする。
その点、この「孤狼の血」は、原作がヤクザものと警察小説を合体させたものということもあってか、監督の手腕なのか、登場人物がそこそこ多いわりに、ストーリーが分かりやすくて付いていきやすくて良かったです。
そして、「大上は本当に14年前に殺人をしたのか?」とかそういう謎要素もあるので、飽きずに見ていられます。だれるシーンが全然なかったです。ずっと集中して見ていられました。
正義とは何か?一筋縄ではいかない・・・
大上も、とまどう日岡に向って「正義とはなんじゃあ?」と問いかけるが、物語が進につれ、次第に誰が正義なのかよく分からなくなってくる。
県警の上層部も、実はヤクザと結び付いていて、自分達の過去の素行を暴かれたくないために、大上を厄介払いしたがっていたことが明らかになってくる。
完璧にシロな人間がいないのである。
しかし個人的には、大上が、ヤクザ同士の抗争をなんとか止めようとする理由が今一つよく分からなかった・・・。
職業的なもの?それとも、ある組が勝つと、大規模になってしまい、その街を牛耳ってしまう。ヤクザ組織をあまり大規模にすると、取り締まりがしにくくなるので、幾つかの組が牽制しあっている状況の方が警察に都合はいいのか?
とか考えてはみたが。
ヤクザ同士が争ってて一般人が巻き込まれなきゃ、放っておけばいいような気もしたりした。
人間には戦闘本能があるのだろうか・・・
このヤクザ屋さんたち、なんだかどうしても、好き好んで血みどろの戦いをしているように見えて仕方なかった。もっと平和的に解決する方法があるだろうに、とりあえず
「タマとれ」なんだかんだ、ピストルやら刃物やら振り回して、戦闘行為に及んでしまう。好きでやってるようにしか見えない。
そういう人たちなんだ・・・といえばそれまでだが、ボクサーがボクシングするように、ヤクザ屋さんは討ち入りするんだろうか。職業として・・・。
しかし絶対に、動物としての野性的戦闘本能や、自己滅消欲望というのが、こういうとこによく現れているように思った。
そして勿論、この暴力スペクタクルを見て、血沸き肉踊らせる私たち観客の中にも当然、この野性の血というのは存在しているわけなのだろう。これが、数多くの国が戦争という愚行に走る理由でもあるんだろうな、と思ってしまった。
スポーツや架空でカタルシスを得ているのが一番平和だ。
そしてこの野性の本能というのは、ビジネスだの学問だのでも色々と昇華できるから、そっちのが生産的であるなあ。
ヤクザがどうしても日本社会の縮図に見えてしまう件
ヤクザ映画(正確には、今回は警察映画でもあるのだが)見ると、どうしても日本社会の縮図よのう~という気になってしまう。
日本は上下のヒエラルキーが厳しいので有名だが、極道なんてもろに、親分のいうことを子分は絶対に聞かないといけない世界。封建的である。
親玉の罪を子分がかぶって出世する・・・。
・・?ん、どこかで見た風景だなあ・・。(国会?)
日本人は素人役者でも、任侠ものをやらせると様になるとかいうけど、それは、日本人の体質そのものが、ヤクザの組員だからなんじゃないか、結局。
会社のために滅私奉公するのだってそう。
そして情と対面、面子を重視する。
日本は恥の文化ともよくいわれる。なので面子をつぶされたと思うと、妙に不合理な行動をしてしまう。命よりも対面が大切。
血の気が多くて、いったんスイッチが入ると、理性が吹っ飛んで、自己滅却に走ってしまう。(なので、超理性的に計算された作戦で包囲してくる諸外国には対抗できない。感情ではなく理性で動かないと、なかなか勝負には勝てませんよなあ)
戦争の時はある意味、天皇が親分のどでかい暴力団に、日本全体がなっていたという説明ってけっこう当てはまるのではないだろうか・・・。
今だって、暴走族や暴力団って、日の丸とか好きそうだし(笑)
すると、大上はある意味、戦争する部族同士の争いをとめようとする調停者の役割。
調停者は、みずからも暴力に身を染めることになる。そうでないと戦闘部族の論理では信用してもらえないから。
そうか、大上がやりたかったのは、そういうことだったのかもしれない。
調停すること。
警察にもヤクザにも染まり切らず、綱渡りしつつ。
そういう人って、日本に欠けているのかもしれない。
それから、広島にヤクザが増えた理由というのには、原爆が落とされた後の復興工事で、大量の気の荒い人足が流れ込んで来ていて、各地の土建屋がヤクザ化したからとか。
呉だって、軍艦が作られていた土地柄であるし、どうも戦争と結び付いて広島に暴力団が多かったというのも、興味深いところがある。
そして、こういう血みどろ劇画でスッとする人間が多いっていうのは、それだけ普段抑圧されて生きているってことなのか?日本や韓国は・・・。
予告編では警察組織VSヤクザということになっているけど、蓋を開けてみると全員ある意味存在がヤクザだった気がする・・・。
「孤狼の血」他の観客の意見。「つまらない」の理由は?
ツイッターなどで他の人の感想もチェックしていると、95%くらいは、ぶっちぎりで絶賛しているわけなのですが、たまに面白くなかったという意見もあります。
その理由はだいたい二つに分かれていました。
一つ目は、グロ過ぎ!ってことです。
流血シーンをニガテとする人にとっては、過剰なバイオレンスだったみたいで、許容量を超えてしまって、見ていられなかったという人も、稀にいました。
二つ目は、「仁義なき戦い」などヤクザ映画を愛してやまず、こだわりのある人々。
この人たちは、見る前にある種の形で期待をしてしまっていて、思い浮かべていたのとちょっと違ったので、肩透かしがあったみたいですね。
ただ、暴力映画好きの人々でも、絶賛している人の方が多かったです。
人それぞれなので、あまり楽しめなかった人もたまにいたようですね。
けれど、絶賛が大半なので、評判はとても良いといえるでしょう。
原作小説も絶賛されています。映画との違いはこちらの記事に書きました。ただ、これはネタバレしまくっているので、映画観ていない人は、読まないでくださいね・・。
「孤狼の血」のメッセージは?
ともあれ、この映画は本当に面白かった!!ヤクザ映画はつまらない、って思っている人にもおすすめ。展開がスリリングでずっと目が離せない。
役者陣はかっこいいし、ただのエンタメでなくて、何か色々と見終わったあとに考えさせられてしまった。
ギリシャ悲劇みたいな超ド級のカタルシスが味わえるのはもちろんのこと。
大上みたいな、奥深い、混沌とした、しかし最終的には人間を助けようとする方向に行く人物というのも、なかなか見ない。
ともあれ、本当に見終わったあとも、しばらく脳内麻薬が放出され続けて、昂揚した気分が続いた。傑作なので、見て損はないと思う。
※ 鑑賞後三日が過ぎている今日でもいまだに高揚感が抜けません・・。これは、何か麻薬的なものが一服盛られていたとしか考えられぬ・・・(笑)
今から、DVD購入決定してしまったし。中毒性が凄い。
それから、意外にも最後、泣けるシーンがあった。
この映画のメッセージについて白石監督も色々話していたけれど、個人的には「瞬間瞬間に命を懸けて生きろ」というようなメッセージを受け取った気がします・・・。
バタイユ的な消尽の思想ですね。至高性は瞬間に宿るのである・・・。
だから見終わった後に元気が出るのかな。
・・・この先は、孤狼の血を二回目に観た時の発見やら感想になりますが、
ネタバレしまくるため、まだ未見の人はご注意くださいませ!
「孤狼の血」二回目を見た感想
まず、二回目だからストーリー展開も分かっているはずなのに、面白さや興奮の度合いは全然一回目と変わらなかったのが凄い・・・。
ようは、この映画はストーリーで売ってるわけじゃないのが分かります。
ま、ストーリーも十分面白いんですけど、やはり場面一つ一つの力が強いんでしょう。
音楽と色彩、舞台セットも味わい深い!
まず、色彩が何気に綺麗。少し埃っぽいようなセピアがかった画面の色で、昭和の映画みたいな感触をつくりあげてるんあですが、やはりそこは鮮明にうつる現代のカメラを使っていますから、クリアで透明感もある。
そして美術さん、衣装さん、監督もなのか、色彩感覚がいいように思いました。
真木よう子の着ているワンピース、冒頭MEGUMIが着ている紫っぽい服と、かき氷のシロップの味、それに真珠とり場面での、赤いホテルの調度や、やくざの着ている派手シャツとネクタイ・・・・・・そしてもちろん、血の赤。
色彩がまず、非常に活き活きしていて生命力を感じさせました。
それから音楽も良かった。弦楽器を使った渋めの音楽なんだけど、どこかに和太鼓のリズムも感じさせるようなエンドロールとか。これが映画の高級感を高めてますね。
さらに音響も良かった。一昔前は、日本映画の音声ってわるい印象しかなかったけど、シズル感ある細かい音を拾ってていい。
煙草吸う時のジジジ、という音、煙草消す時の、じゅって音、それに拳銃売って、薬莢が落ちるときの金属がぶつかりあう音とか。
あと、薬屋さんの女の子のうちの昭和感も良かった。
あの、プラスチックの、じゃらじゃら鳴る暖簾とか、小道具の模様とか。白い下着もちょっと昭和感ありだなあ。ガラガラって開けるベランダの引き戸とかもねえ。
MEGUMI、竹ノ内豊、中村倫也を、初見では、あまり認識していなかったので、今回気を付けて見てた。MEGUMI、誰だか分からなかったな、、結構いい味出してた。
竹ノ内豊は、極道になり切りすぎてて、全然気づかなかった!!
トレードマークの髭を剃っているからというのもあるけれど、やくざ喋りをmasterしてて、役者さんは凄いなあ。
けど、逆に溶け込みすぎてtえ、竹ノ内色がイマイチ出ていなかったので勿体なかった気もする。そこまで見せ場がある役でもないこともあるけれど。
中村倫也は、ゆるふわイケメン男優ということを全然知らなかったので見過ごしいたが、確かによく見たら端正な顔立ちしているし、朝ドラの爽やかイメージとは真逆の危険・・・でもどこか儚さもたたえる役をしているので、意識したら見応えあった。
リピートしてはじめて気づいたこと
まず、冒頭のMEGUMIと役所の取り調べシーン。
取り調べ室から出てきた大上がズボンのチャックを上げていたので、これは一発やりましたか、と思ったけど、
MEGUMIが、ちょっとはみ出した口紅を拭う、それと大上が「冷やっこくて気持ちえがったわ」とか言ってる・・(二人は、かき氷を食べてた)ということは・・・・。ああ、本番ではなくて、あっちの方でしたかー。
という発見。
あと、いきなり最後に飛ぶと、一之瀬が五十子組長をしとめるのに使っていた得物は日本刀ではなく、長ドスでした。日本刀ほど長くなくて、脇差し的な長さ。
木の鞘に入っていた。まあ、刃の形状としては、日本刀と同じなんだろうけれども?
そして、頸動脈を切られる直前に、組長は、凝りもせずあのしょーもないギャグを言いかけていたのだね。。はじめて気づいた。
「ビックリ、ドッキリ、く・・」ビシャーッ!っていくので、吹き出しそうになってしまった。
そして江口洋介の奥さんが森高千里とも知らなかったので、一回目はなんとも思わなかったけど、知ってしまった後にみると確かに江口洋介が「もりたか」連呼されてるのって、やっぱ罰ゲームというか嫌がらせみたいにみえちゃって、少し笑えてしまった。
それから、これだけはどうしても腑におちない・・という点も出てきてしまった。なんで、日岡は最後に一之瀬を逮捕してしまうんだ・・??
謎過ぎるわ。
だって、日岡が一之瀬に、かわりに大上の仇を取ってもらったようなところなのに??
にも関わらず、逮捕しちゃうって、かなり不条理だわ。これが「やくざをコマとして使う」ということなのか?流石に情がなさすぎだろーーと疑問がいっぱい。原作では一之瀬は逮捕されないし・・・もやもや。
これは何?もしかして警察が犯罪をおかした暴力団員を野放しにして映画が終わるというのじゃマズイと、警察からクレームでもついたのだろうか?それとも遠慮もしたのか?この点だけはかなりの謎だった。
あと、二回目見ると、不満点も出てくるw
江口洋介がめさめさかっこよかったから、まあ結果オーライではあるんだけど、一之瀬の台詞がワンパターン過ぎたように思う。つねに「そんなに待ってられん」という、五十子と加古村へいましも、襲撃をかけたがっている台詞ばかりだったのが惜しかった・・・。
結果的に、主役の大上や日岡みたいには、人物としての奥深さを出せていなかったと思う。江口の存在感があるから、それでも魅せるんだけど、ここら辺はもうちょっと、尾谷組内部での、若衆との繋がりや、親分との繋がり、大上とのやり取りなどで人間性を見せるシーンがあっても良かったかなあ、と思う。
そしたらラストがもっと活きてたなあ。
まあ、そんなわけで少し不満もありつつも、素晴らしい映画に変わりはないと思う。血が滾ります。
見終わった後に、体温が上昇している気がする。DVDも買ってしまいそうだ・・。