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クソ野郎と美しき世界を見たが、アチャー(ノ∀`)という感想しかないぞ!【ネタバレ有】元SMAPや太田光ら参加で期待の映画だったが…。

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 元スマップの稲垣吾郎、香取慎吾、草彅剛の三人が、トンでもぶっ飛びな映画に出ている!しかも監督は鬼才ぞろい!面白そう・・と思って見に行ったんですが・・正直、うう、「自分はなんで、この映画を見に来たのだろうか。。。」とまで思ってしまいました・・・。

 いや~、久々に、ここまでつまらない映画を観ましたね~~。

 なぜ。どうして。

 

 監督は、ぶっ飛びアングラ映画の一人者、園子温、それに爆笑問題の太田光や、

岸田戯曲賞を受賞したという山内ケンジらです。

 才能がある人達だと思うわけですが、どうにもこうにも・・・。

もっとどうにか出来なかったのだろうか・・と、思うしかない出来具合でした汗

スマップだし、この人々だし、もうちょっとアグレッシブに面白いことやってもよかったのでは??と思っちゃいました。

 

 プロデューサーは広告業界の人たちなんですねえ。

 

 

クソ野郎と美しき世界のあらすじ

第一話目「ピアニストを撃つな!」

監督・・・園子温

出演・・・稲垣吾郎、浅野忠信、満島真之介、馬場ふみか

 

 場面は、稲垣吾郎演じる「ゴロウ」が優雅にピアノを弾く場面から始まる。

ベートーベンの月光からとった曲だっただろうか。月光がドラマチックに盛り上がる楽章だった。

 ゴロウのせいで、「フジコ」という女の子が、ヤクザな男たちに追いかけられているという。

 ピアニストのゴロウは、偶然道端で出会った「フジコ」に一目惚れ。

でもこの「フジコ」は、はっきりいって、ぶっ飛んだ妙な女。

 ビキニと短パンみたいな、蛍光水色の上下に、胸の谷間も露出しまくり。そして、ゴロウが、動物ふれあいパークでモルモットを撫でていると、言い寄ってきた。

 そしてゴロウに打ち上げ花火を一本渡す。私が欲しくなったら、これを打ち上げてね💛と。

 あぜんとするゴロウ。

 しかし、そのすぐ後に、フジコに一目惚れしたチンピラなのかギャングなのか、よくわからない「狂犬マッドドッグ」こと大門(浅野忠信)が、フジコを自分のものにする。

 だがしかし、不思議と下卑ていてケバかったあのフジコが忘れられないゴロウは、ついに貰った花火を打ち上げてしまう。

 すると本当にフジコは大門のところを抜け出して、ゴロウの元へと脱走するのだった。。!かくして、大門の舎弟たちに追いかけられることになる・・・。

 しかし、大門は犬の千倍も鋭い嗅覚を持っているから、居場所を突き止められるのも時間の問題である・・・。

 そしてゴロウの部屋に駆け込んできたフジコの次には、大門達も乗り込んで来て、ゴロウ大ピンチ!!どうなる!?

 

第二話目「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」

監督・・・山内ケンジ

出演・・・香取慎吾、中島セナ

 

 香取慎吾演じるカトリシンゴ。彼は、絵描きなのだが、時々ストリートで落書きしたくて仕方ない衝動にかられてしまう。そして公共の道路や壁にスプレーで落書きしては、お巡りさんに説教されるのだった・・・。

 そんな時に偶然出会った不思議な少女。

 彼女は、実は「歌を喰う」という能力を持っていた。

 そのへんのライブハウスでも、尾崎き◎◎ひこなどの大物歌手からも、歌を食べてしまう。すると、その歌を食べられた人は、もうその歌を歌えなくなってしまうのだった。

 カトリの歌を食べ過ぎて、お腹を壊した彼女を、カトリシンゴは家に泊めてあげる。そして歌喰いの彼女は、消化できてないから、彼女の排泄物を食べれば、歌は元に戻るというのだったが・・・。

 

第三話目「光へ、航る」

監督・・・太田光

出演・・・草薙剛、尾野真千子

 

 草なぎ剛演じる、ツヨシ・・・。彼は、ヤクザものである。

冒頭シーンから人の寝込みをおそって殴る蹴るのシーンである・・・。

草なぎ君は、意外と目つきが鋭いから、ハマっている・・・怖い・・・。

 

物語はというと、ツヨシとその妻が、自分の息子の右腕を探す話だ。

息子のワタルは、意識不明なのだが、その右腕は、ある少女に移殖されたという。

その右腕を持つ子どもに会いに、旅に出かける二人。

二人は最初、北二向かうが予測とは違って、子どもは沖縄に行くのだった。

南下する二人。

ところが丁度、その少女は誘拐されて行方不明になっていた。

少女の将来の夢は医者になって、たくさんの人を救ってあげること。

ワタルの右腕にもその協力をさせてやりたいと、どこに誘拐されているのかを突き止めようとする二人だった・・・。

 

第四話目「新しい詩(うた)」

監督・・・児玉裕一

出演・・・今まで出てきた人々

 

 このシーンには、あまりストーリーらしいストーリーはなく、三話目までで出てきた人々が大集合して、「グレイテスト・ショーマン」ばりな、きらきらゴージャスなショータイムを繰り広げてくれる。

 香取慎吾も歌って踊る。三話がぜんぶ、ここで繋がる場面でもある。

 

クソ野郎と美しき世界を見た感想

 なんというか、確かに監督は四人いるかもしれないが・・・一体、脚本は誰が書いたんだろうか??

 脚本がひどすぎる・・・・(;^_^A 物語のていをなしていない・・・!!

第一話は、まあ、園監督のだから、設定がぶっ飛んでいるのはいいとてしても、それぞれが、CMとかに出てきそうな、中身のない変キャラ以上のものは持っていないし・・・。

第二話目も、歌を食べる妖怪のような存在というのも、発想がありふれているし、その設定を活かせていない。

第三話目は、時事問題をぶっこんでくるところとか、太田光の痕跡は感じられたが・・・。

第四話目も、あまりにもあまりにも・・・中身がない!!

 てわけで・・・うーん、なんていうか、これを映画館で見る必然性はあるのか??と疑ってしまう感じ。

 テレビサイズでいいし、むしろテレビ番組の合間にあるCMのちょっとしたエピソードでいんじゃね??と思ってしまった。

 

 だから、映画的面白さとか深さとかは、間違っても期待しちゃいけない映画だと思う・・・。徹底的に表層的・・・。

 物語らしき物語もなくて、ただただ映像と色彩がぐちゃぐちゃらーと流れていく感じ。

 じゃあ、見るべきものはまったくないのか??というと、ないわけではない。

 

クソ野郎と美しき世界の見どころ

 役者を見るしかないッス。

あとカラフルな傾奇者っぽい衣装も面白かったかな。

役者の魅力と、衣装や小物センスだけで、見るべきものに仕上がっていたのではないかと思う。

 

浅野忠信が、ド派手でエキセントリックなチンピラを演じているのは、いささか見飽きてきた気もするけれど・・・。

 忠信の演じる「マッドドッグ」こと「大門」は、いつも猛犬が付ける口輪みたいなマスクをしている。犬の千倍も嗅覚がいいからだとかいう噂。そして動くたびに、体がシャリシャリと変な金属音を立てる。衣装は、長くてきらきらして中華風で、ちょっとキョンシーみたいな感じ。

 

あと満島真之介も、ギャング映画にはよく出てくるなあ。彼は、人の痛みを感じ過ぎて、ボクサーになれなかった元ボクサー。おとぼけ味をうまく出している。

 

そしてもちろん元スマップの三人。

やはり、大スターだけあって存在感はなかなか凄い。

彼らが出てるってだけで、見ていられるので、それぞれオーラは持っているのだな。

 

まず稲垣吾郎。

稲垣吾郎は、ほぼ、SMAP時のアイドルイメージ通り。

優雅にピアノを弾く青年。風呂上りにそのまま、ゴブラン織りみたいな豪奢なバスローブを羽織り、矢庭にピアノを弾き始める。

まんまである。というか、ちょっと優雅な部分を誇張した感じだろうか。

 そういう意味では、それほど意外性のある部分は出ていなかった。

 

そして香取慎吾。

香取慎吾も、そこまで大きくSMAP時のイメージをはみ出してはいない。

どことなくエキセントリックな雰囲気のある香取だから、画家をやっているのもすんなりくる。

 不思議な少女に添い寝して子守歌を歌ってあげたりする、ちょっと気のいいお兄さん的な側面も出ていて、そのあたたかみはちょっと良かったかな。

 あったかい大きな動物みたいな感じで。

 

そして草彅剛!

草彅剛が一番、アイドルのイメージから逸脱していた!!

草彅剛は、思い切りチンピラ役。のっけから、頬に血しぶきが飛んでいる姿を見せてくれる・・・。

三白眼だし、ヤクザ稼業だったという過去を背負っているという設定が板についている。まあ、体は細いけど・・でもけっこう、暴力的なふるまいがサマになっているのであった。そういう意味では草彅君が一番、新しい境地を切り開いているのではないだろうか。

優しそうな姿に慣れているファンにはショックかもしれないが(??)

 

そして、好演してたのはツヨシの妻役の、尾野真千子さん。

きりッとした美女なのだが、これが、ヤクザのツヨシに巻けない勢いで、怖い・・・。

乱暴な言葉でツヨシに色々言い返すのだが、ドスがきいている。

ここらへんはなんとなく、太田光監督の妻の強さを思い出させる感じがあった・・・。

 

・・・こんなところですだ。

第四話目は、大団円という感じですべてが丸くおさまって解決する。

しかし、無理やりにハッピーエンド感やら「新しい出発感」を出しているのに、しらけてしまった。ついていけない・・・。

 映像的には、日本版グレイテストショーマンっていう感じで悪くはないんだけど・・・。渡辺直美みたいなダンサーがわさわさ踊ってたりボディビルダーが並んでたり・・・。

 空騒ぎって感じで、本当に中身がすっからかんである。

 

で、唯一感動したのは、エンディングソング。

小西康陽の地球が明日で終わる日・・・みたいなタイトルの歌。

これは、稲垣吾郎が歌う曲。

その歌詞が良かった・・・いや、とても他愛ないものだったのだけど、

 

明日もし地球に惑星が衝突して、地球が滅びるとしたら、皆が大切な人に電話をかけてしまう。本当に大切に思っている人に・・・。

という歌詞。

 私だったら、誰に電話をするだろうか・・・・。電話じゃなくてテキストメッセージになりそうだけど・・・。恋人もいないし・・・うーん、友達にするかなあ、と「たいせつなひと」に思いを巡らせて、勝手に涙ぐんでしまったのだった。

 だから、ハッキリ言って映画自体とは全然関係ないところで感動した。

 

SMAPのファン以外は、見に行く価値はあまりないと思われる。

とにもかくにも、キッチュで支離滅裂な映画だった。まあ、駄作といっていいであろう。。。。

そして、不必要な絶叫や鬱屈した感情の解放としてのシャウトや、男と女のジェンダーの区別など、どうにもこうにも、日本のアチャーなところが我楽多のように詰め込まれてしまっているように感じざるを得なかったのであった・・・。

まあ、私は辛口なことが多いので一応個人的評価ですがね。

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