無法者の暴虐の限りに悩まされる町が、7人の危険な男達を用心棒として雇った・・!有名な西部劇「荒野の七人」を元にしていて、そしてその「荒野の七人」の元となった黒澤明監督の時代劇「七人の侍」にも再びインスピレーションを受けて作り出される、期待の西部劇だ。
2010年代の今、西部劇はまだ面白いのか?
というわけで、口コミや感想を調べてみた。
マグニフィスント・セブンのあらすじ
悪役は、金鉱採掘業者のボーグ。彼は金銭を神のように崇めていて、自分の事業のために、ローズクリークという町を是が非でも手に入れたがっている。彼は町人達に土地を立ち退くよう迫る。
当然拒否する町人達だが、すると彼は町で腕の立つことで評判だった男たちを葬ってしまい、三週間以内に出ていかなければ町を殲滅すると脅す。
夫を奪われたエマは、サムを用心棒として雇うことを決めた。サムは、ほかに六人、荒くれ者や無法者たちを集めることになる。こうして集まった七人は、賞金稼ぎのサム、酔っ払いのマジシャン、助手、狙撃の名手グッドナイト、メキシコの無法者バスケス、ナイフ投げの名人ビリー、ネイティブアメリカンのレッドハーベスト、荒くれ者のジャックといった、多彩なプロフィールのアウトロー達だった。
マグニフィセント・セブンの監督やキャスト
監督・・・アントワン・フークワ
出演・・・サム役=デンゼル・ワシントン
ジョシュ役=クリス・プラット
グッドナイト役=イーサン・ホーク
ジャック役=ビンセント・ドノフリオ
ビリー役=イ・ビョンホン
バスケス役=マヌエル・ガルシア=ルルフォ
レッドハーベスト役=マーティン・センズメアー
フークワ監督と、主人公のデンゼル・ワシントンは、両者共に黒人ということで、これまでのほぼ白人キャストであることが多かった西部劇とは一味違った作品が期待できそるかもしれない。社会の変化を反映しているといえそうだ。
マグニフィセント・セブンの上映時間や日本公開日
- 上映時間・・・132分
- 日本公開日・・・2017年1月27日
- ジャンル・・・西部劇・冒険活劇・アクション
- 配給会社・・・ソニーピクチャーズエンタテインメント
マグニフィセント・セブンのレビュー・評価をチェック!
芸術的傑作!というわけでないけど娯楽映画として楽しめるという意見
はっきりさせておこう、マグニフィスントセブンは、完全に前作のリメイクっていうわけではない。映画は新しい登場人物達、新しいストーリーラインを採用している。物語の大枠は同じで、悪人が町を強奪しているところに、荒くれ者やごろつきたちが一緒になって町を守り、悪人に逆襲するということだ。
登場人物には、インディアンやメキシカン、黒人、アジア人も登場して、彼らの相乗効果が見ていて楽しい。物語の筋は予測できるものだし(復讐ものの西部劇)、上映時間もちょっと長いけれどキャラクターの魅力がそれを補っている。
もしあなたが、「マグニフィセントセブン」を、芸術的な映画の傑作を期待して見に行くんだったら、がっかりすると思う。でも、笑いや銃弾、派手な戦闘、そして時には泣ける場面、というものを二時間味わいたいんだったら、この映画はいい娯楽になると思う。
BGN Review: The Magnificent Seven - Black Girl Nerds より
いろんな人種が出ているし驚くほど新鮮、というレビュー
ご存じのように、悪党に脅かされた町の人たちは、少ない自分たちの資金をかき集めて、用心棒を雇うことになる。そしてこの映画は現代の社会を反映させようと試みていて、その一つとしては、エマがまず、良い心を持ったガンマンとして目をつけたのが黒人のサムだということだ。
サムの台詞は大体いつも二言三言だが、デンゼル・ワシントンはカリスマ性を持ってサムを演じている。そして三人の、有色人種のアウトローたちが一行に加わることとなる。
まず、メキシコの無法者バスケス(嘆かわしいほどキャラが掘り下げられてなくて薄っぺらいんだが)、韓国のスーパースター、イ・ビョンホン演じるナイフ投げのビリー、そしてネイティブアメリカン(インディアン)の弓の名手、レッドハーベストである。次期大統領のドナルド・トランプからしたら、この映画が流行ってほしくないだろうねえ。
The Magnificent Seven Review: A Fun Western About Trump’s USA — TIFF | IndieWire 要約
いい役者を使っているのに見せ場が少ない・・というレビュー
フクア監督の「マグニフィセント・セブン」のように、魂の抜けた映画にこんなに大勢のカリスマ的俳優が出演しているなんて珍しい。キャストは完璧に集められている。
けれども、この映画のもとになっている1960年の「荒野の七人」、1954年の黒澤明監督の「七人の侍」と比べると、前者ほどの魅惑がないし、後者ほどの深みにも欠ける。
物語の深みでなく、出演者の演技力が見せる深みが、クライマックスの大々的な銃撃戦に観客が没頭できるようにはしてくれる。けれど、この映画はオリジナルの「荒野の七人」「七人の侍」といった映画的金字塔には、遥かに及ばない。
この映画の最良プレイヤーといえば、悪役バルトロミュー役のピーター・サースガードである。この悪役は、真に邪悪なキャラクターとして作り込まれている。端をくるりとつまみ上げたような悪役っぽい口髭まで生やしている。映画冒頭では、彼はローズ・クリークの人々を脅かし、彼らの教会を燃やして灰燼に戻し、地獄から乗り出てきた悪魔のような感じで立ち去っていく。実際、このバルトミューをもっと映画の中心にフォーカスする場面が多かったら良かったのにと思う。サースガードは本当に悪党が何たるものかをよく理解している。
それから正義サイドということでは、賞金稼ぎのサムである。彼は正義の男で、全身黒い色の服をまとい、黒い馬に乗って登場する。彼は寡黙なタイプで、このキャラクター設定は、デンゼル・ワシントンに、彼の天性のカリスマ性やリーダーシップ能力をを見せる機会をあまり与えない。他六人の仲間とのやりとりの中には魅せる場面もあるけれど、サムは、才能ある役者が演じるには、ちょっと退屈過ぎるキャラである。
The Magnificent Seven Movie Review (2016) | Roger Ebert 要約
まとめ
そこそこ評判は良いのですが、「七人の侍」や「荒野の七人」のような、映画として深みがある傑作と比べると、物足りないという評価が多いようです。あくまでもエンタテインメントとして娯楽を期待して見に行くのが「マグニフィセントセブン」の楽しみ方かもしれないです。
それから、ともかく撃たれてバタバタとあっけなく人が倒れていくという、西部劇の醍醐味(?)的なものを味わいたい人には、かなり満足できる、という感想も多かったです。