「ほんまもんのSF」「10年経っても見れる映画だし、残すべき映画」「たぶん、今年一番の映画」と、押井守監督が絶賛し、樋口真嗣、前田真宏も
「最後のどんでん返しにやられた」「感情的にぐっとくる」
「ここから新たな地平が広がる」
「記憶に関して深いことが表現されている」
などと、ともかく口を揃えて誉めまくっているのが、このSF・・・。
「この映画が作れることも凄いし、観客がそれを許容するのも凄い」とか・・・。
確かに音楽はエモーショナルだし、透明感に満ちた映像は美しいし、期待度高いです。
音響編集賞でアカデミー賞を獲得、
その他、作品・監督・脚色・美術賞など、計8部門にノミネートしたという。。面白そう!
「ラ・ラ・ランド」のかげに隠れて目だってなかったけど、実はすごい傑作なんじゃ・・・。
さて、実際に観た人の感想や口コミをチェックしてみました。
「メッセージ」のあらすじ(多少ネタバレ有)
ある日地球のあちこちに、宇宙から来た謎の飛行物体が到着した。そのうちの一つは、アメリカ、モンタナ州の荒野に浮かんでいる。
世界的な言語学者のルイーズは、アメリカ軍に暗号解読能力を買われて、宇宙人のメッセージを解いてほしいと依頼される。
ウィーバー将軍は、ルイーズに、彼らの言語を学んで、どうして彼らが地球にやってきたのかを聞いて欲しいと頼むのだった。
最愛の娘を亡くし、喪失感の中にいたルイーズは、その仕事を引き受ける。
ルイーズは、その道のりでの仲間を紹介される。遺伝子学者のイアンである。
二人を乗せたヘリコプターが荒野の上をさまよっていると、エイリアンの宇宙船が突然、霧の中から出現する。巨大なつるつるした黒い岩のような物体だ。卵を逆さに立てたみたいな形をしている。
兵士や技術者も伴って、ルイーズとイアンは、その宇宙船の底に開いた、四角い開口部から中にはいる。上昇しながら入るのだが、いったん中に入ると、重力が変化し、垂直だったはずのものが、90度傾いて廊下のようになる。
廊下の突き当たりで、彼らは二人のエイリアンに出会う。巨大な、イカのような形をした生物で、透明な膜でできたバリアの反対側に浮いている。七つ、左右対称の触覚を持っている。ルイーズとイアンは、彼らを「アボット」と「コステロ」と名づけた。
言葉でコミュニケーションをとることは成功しなかったが、書き言葉で意思疎通をはかることには、もっと可能性があった。異星人は、ヒトデみたいな形をした腕を使って、ガス上のインクを噴射し、それで輪の形を描く。その中には、始まりも終わりもない文章が詰め込まれていたのだ。
ルイーズとイアンは、地球外生物の言葉を解読しようとするのだが、この時、ウィーバー将軍や、CIAのエージェントに監視されながらの作業になる。エイリアンの意図がなんだか分からないので、将軍たちは、人間についての情報を必要以上に彼らに教えないよう神経をとがらせている。
さらに、地政学的なことも考慮しなければならない。他にも宇宙船は11個、地球の上に浮かんでいる。それぞれ、上海、シベリア、スーダン、シエラレオネなど・・・。もし中国やロシアがエイリアンと最初にコンタクトをとって、彼らから伝授された兵器化何かをアメリカ合衆国に対して使ったら??もし、どこかの国がエイリアンに向かって攻撃したら、エイリアンは地球全体を壊滅しにかかってくるのでは??
この謎の宇宙船の出現で、都市では略奪が起こるなど、すでに国は混乱していた。
人類の運命はどうなってしまうのか・・。エイリアンは何を伝えに地球に来たのか??
「メッセージ」の監督やキャスト
監督・・・ドゥニ・ビルヌーヴ
出演・・・ルイーズ・バンクス役=エイミー・アダムス
イアン・ドネリー役=ジェレミー・レナー
ウェバー大佐役=フォレスト・ウィテカー
ハルバーン捜査官=マイケル・スタールバーグ
マークス大尉=マーク・オブライエン
シャン将軍=ツィ・マー
「メッセージ」の上映時間や日本公開日
- 上映時間・・・116分
- 日本公開日・・・2017年5月19日
- 配給会社・・・ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
- ジャンル・・・SF・ヒューマンドラマ
「メッセージ」の感想や評判をチェック!
深みがあって美しい、という意見
この映画は、万人向けの映画じゃないだろう。アクションシーンが詰め込まれているわけではないし、眩暈がするような派手なビジュアルで溢れているわけでもない。
画面に表れるのは、どれも繊細で微妙につくられている。素晴らしいサントラ含めて。
やり過ぎ感はどこにもなくて、でも隅から隅まで、ディティールが完璧にコントロールされてる。
これだけ深みのあるSFは近年稀だ。けれどヴィルヌーブ監督は、本当に美しく、興味深い問いに満ちたものを作り出している。「メッセージ」は、深い、痛切な感情をたたえた映画だ。この映画は、ラストシーンでもっとも美しく、同時に観客の心を痛切に打ってくる。
ゲイリー・マクコナッチ デイリー・レコード誌 より
瞑想的・知的にスリリングな映画、という評価
「メッセージ」が素晴らしいのは、いわゆる「エイリアン地球侵略」ものの映画から、普通期待できるような事柄は全然出てこない点にある。この映画は、瞑想的なトーンで進む。そして、「言葉」「コミュニケーション」「時間」「喪失と悲しみ」といったことをめぐって、絶妙なペースで進んでいく映画だ。
もし、君が、ウィル・スミスが、エイリアンの顔にパンチを入れるようなシーンを見たくて映画館に行ったなら、全然違ったものを見せられることになる。
とてもスリリングなんだけど、物理的にというか、知的に刺激されるスリリングさだ。普通のエイリアン映画よりも、何か崇高だし、深い。
アダム・グラハム オリジナルスコア誌 より
解決方法にリアリティがない!という批判
「メッセージ」は、人々が互いに理解しようと奮闘する、バラバラに分断された世界を描いている。パニックによって、人々は違う集団との間に壁を作り、自分たちだけのメディアを見て、自分たちだけの穴倉にますますもぐりこんでいく。
もちろん、最後には、われらが主人公は、こうしたバリアを乗り越える方法を見つけるのだが・・・それは、地球外生命体から受け取った「機械仕掛けの神」だったのだから・・・。トランプ大統領選挙で世間が湧くここんところの出来事の中にいると、これは、ちょっとまったくの幻想だよ、と思ってしまった。
フォレスト・ウィックマン スレート誌 より
一般観客の口コミもチェック!
- この映画マジで好き!これは全てのSF映画の中でも金字塔だと思う。・・・でも、もしエンディングだけ取り上げると、ここまで高評価だったかは、ちょっと謎だな。
- この映画のすべてが好きだった。魅惑的な、本格SFで、ばかばかしいアクションシーンとかないし、繊細で、創意工夫に満ちた情景描写。そして、すごく実験的。
- 今まで見た中で一番つまらん映画!
- 意味プー、訳が分からなかったよ。ラストシーンで何が起こったのかも、まったく分からん。でもいいや。映画が終わったことじたいがホッとしたから。
- とってもサスペンスに満ちていて、いいペースで進む映画だった。エイミー・アダムスは、すばらしい演技をみせてくれる。ちょっと物語の筋で気に入らないところもあったけれど、とはいえ、この映画は楽しめるものに仕上がっている。
- 面白かった。でもちょっと展開が遅い。
- 言葉にならないほど感動した。
- この映画は、深く考えさせてくれるものがある。
- 人の知性を、特殊効果や爆発、銃撃戦などに浪費しないSF映画を観るのは久しぶりのことで、凄い良かった。
「メッセージ」まとめ
評価は相当高くて、90パーセントくらいの高評価でした。
ただ、やっぱり、いわゆるSFアクションムービーにありがちな、超能力合戦やドンパチ、銃撃戦!とか、そういう体育会系(??)なお愉しみシーンは、ないようですね。
あくまでも静かに、美しく、でも宇宙人との会話の謎解きがスリリングに、ミステリアスに・・・こんな感じで進む映画のようです。
映画音楽も、非常にエモーショナルな感じです。どうやら、娘を喪失したという記憶も、物語には深く関わってきているようです。
アート系のマイナー映画とかが好きな人にも十分楽しめる作品に仕上がっていそうです。
それにしても、ヒロインのエイミー・アダムス、綺麗ですねー。