2007年にアカデミー賞を受賞!R15指定のマフィアVS警察官もの。
流石のマーティン・スコセッシ監督作!!
とにかく映像がスタイリッシュで格好いいし、ディカプリオもいい演技を見せている。
HULUで見ていた。
いつもなら、途中で用事のあるとき映画を止めてしまうのだが、この映画は見始めると止められない!!
・・・てなわけで、トイレに行って、スマホをOFFにしてから見るのがおススメ・・・。
ディパーテッドの登場人物
- ビリー(レオナルドディカプリオ)
犯罪ごろつき一家に生まれて、学校でも暴力騒ぎなどを起していたが、回心。警察官を目指す。
警察官になれたものの、とつぜん、マフィアへの潜入捜査を命じられてしまう。真面目で純粋なところもある青年。
- コリン(マット・デイモン)
頭のきれる新入りエリート刑事・・・に一見見えるが、実はマフィアのボスであるコステロから派遣された、スパイだった。
しかしスパイを続けるうちに、マフィアと手を切って、安泰な警察の身分をだんだん保持したくなってくる。
- コステロ(ジャック・ニコルソン)
おなじみ、顔が怖い('◇')ゞ二コルソン。
狡猾な暗黒組織のボス。
- クイーナン警部(マーティン・シーン)
初老の警部。ビリーのボス。
語り口は穏やかだが、裏もある・・・。
- ディグナム巡査部長(マーク・ウォルバーグ)
下品な下ネタを連発しまくり、人を罵倒しまくる変な巡査部長。
柄が悪くて目付きもわるい。
- マドリン(ヴェラ・ファーミガ)
精神分析医で、犯罪者や警察などのケアにも携わっている。
たまたま、ビリーを診察することになったが、コリンと恋仲になってしまう。
さらにビリーとも恋仲に??
ディパーテッドのあらすじ
貧困層で、犯罪予備軍として育ってしまったビリー。しかし父親だけは航空の荷物係とお堅い仕事をする真面目な男だった。
ビリーは不良だったが、回心し警察官を目指すことに。
警察学校を卒業し、無事に警察になれたものの、はじめての任務はマフィア潜入だった・・・。
その経歴と生育環境から、マフィアに馴染んでいきやすいと判断されたのだった。
潜入のためには、一度、暴力事件を起こして刑務所にぶちこまれ、服役するところから始めるしかなかった。
牢獄で過ごしたのちに、現地マフィアのコステロ一家へと近づくビリー。
一方、コステロから警察への潜入スパイとして送られたコリンは、ビリーと運命を行違うように、エリート警察官として、高待遇の生活を送っていた。
マンションも高層階で広い、一等地に住める。
コステロ一家の新入りとなったビリー。
麻薬取引がある場所などを事前に警察に知らせる任務をしていた。
しかし、いつか、コステロは、自分の一味に、警察のスパイが隠れていることに感づいて、誰だか探し始める。
そして、警察組織でも、誰かがスパイとして警察に潜り込んでいることに気付く。
当のスパイであるコリンが、マフィアのスパイが誰だかを探す仕事に任命された。
ディパーテッドの感想(ネタバレ少し含みます)
冷や汗かいて追い詰められるディカプリオがなんともいい!
ディカプリオはともかく、いつでも限界状態に置かれるビリーを演じている。
自分がワルであることを示すために、酒場ではすぐにぶち切れて喧嘩ふっかけ、相手をぶちのめさないといけないし・・(ビリーの素でもあるのか??)
コステロとマフィアの一味はとにかくアブナイ奴ら。
よく両手を血だらけにして帰ってきたり、すぐに人に向って発砲する。
その彼らが、誰が自分たちの中に潜入しているスパイ(ネズミ)だか突き止めようとしだすと、さらに緊迫感が・・・。
なんとかごまかすビリーだが、それも限界で
「もうこんな仕事はできない!!」と警部にブチ切れる。
ともかくこの映画では、ディカプリオは、いつも命の危険にさらされていて、いつも冷や汗をかいているイメージがある。眠れないとも訴えている。
その余裕のない状態の人間をディカプリオは迫真の演技でみせている。
もともとディカプリオ自身、けっこう線が細いし童顔なので、ますますそのフラジャイルさ、傷つきやすさが目立ってくるので、見ているとキュンとしてしまう諸兄、諸姉もいるのでは・・・w
スパイ(ネズミ)同士が一人の女性を介して関わりあうのもイイ!
ビリーとコリンは、両方が敵対組織にネズミとして潜入しているので、ある意味、
ネガの裏返した分身という感がある。
ビリーは警察からマフィアへ、
コリンはマフィアから警察へ忍び込んでいる。
この二人の運命の対比も、なんともスリリング。
ビリーが血や暴力の中で這いずっているのに、コリンの方はエリートとして、素晴らしい住居を提供され、しかも可愛くて頭のいい彼女まで作る。
この彼女というのは、実はビリーの精神分析医でもある、美人女医マドリン。
しかもコリンと付き合いつつ、ビリーとも恋愛関係に陥ってしまう。
マドリンは、どうも、ちょっと乱暴で危ない男が好きのようだ・・・。
ダメンズ・ウォーカーじゃね???
そしてビリーは、マドリンの恋人がコリンだということに気付いてしまい、物語の終盤で、コリンが実はマフィアのネズミだということを、マドリンにばらす、決定的証拠を送り付けてしまう。
今や、コリンの立場が危うい・・・・。
ともあれ、一人の女性を介して、知らず知らずのうちに、ビリーとコリンが接点を持っているという設定は、流石うまいなあと思わされた。
画面が透明でスタイリッシュ!
青みがかった透明な光が支配的な映像は、とっても美しい。
北野ブルーというのか。北野武の映画を想起させる。
そして、とっても淡々と人が一人一人撃たれていく様子もとっても似てる。
メインキャラであろうと容赦はなく。
このへん、ヒーローが何があってもしなないというスーパーヒーローものとは違う。
結構感情移入していて見ていたはずの人々が、あっけなく倒れていく。
そこらへんも美学を感じる。
そして、脇役がいがいと、うまく描かれている。
指令していただけの警部も、ある時点で、マフィアに取り囲まれた状況の中で、ビリーの正体がバレるとまずいといって、彼だけ先に逃がして、自分が犠牲になる。
意外と格好いいところがあった。
あと、異様に下卑た口を叩きまくる巡査部長も、最後には一人で個人的に復讐(??)を成し遂げるという活躍をする。
裏切りと、どんでん返しに溢れている
兎に角、裏切りだらけ、スパイだらけ、この世はネズミだらけ・・・アメリカ合衆国はネズミの国・・・・というのも一つのテーマになっているようで
「え、ここが裏切ってたの!??」
みたいに、裏切りとスパイが何重にもなっていてビックリする。
その中で、翻弄される主人公たちの心情にも、なので感情移入できるのだった・・・。
マット・デイモン演じるコリンも、エリート警察の身分を味わううちに、特に恋人との結婚も決まってからは、うすうすマフィアとの縁を断ちたくなってきているのが見てとれる。
その縁さえ立ってしまえば、自分の身は安泰だし、一生いい暮らしができそうなのだから、まあ当然だろう。
しかも、ネズミである自分さえ、コステロから裏切られているのに、ある瞬間に気付いてしまう。
そして最後には、ついにネズミ同士の運命の対決が待っている・・・。
お互いに存在は知っていたコリンとビリーが直接に顔を合わせて対決するシーンだ。
分身のような二人がやっと出会う。
恋敵でもある二人。
そこからは、かなり手に汗握る展開になる。
スタイリッシュに、パキパキシーンが繋がれていき、静かに人々が倒れていく。
「ディパーテッド」というのは「世を去った者」という意味である、ちなみに・・・。
生と死が静謐なうちに繰り広げられているのが、たまらんかった。
流石スコセッシの本領発揮であったことよ。
以上。
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