煌びやかなファッション業界に蠢く魔物のような、野望、欲望、羨望を描いた、お洒落でスリリングな映画、「ネオン・デーモン」。アルマーニやサンローランなど、名だたるブランドも衣装提供していて話題になっている。
主人公は、駆け出しのモデル。何か光るものがあるとして、有名写真家などに一躍抜擢される彼女の将来は輝かしいものに見えた・・・。だがそこに他のファッションモデルからの嫉妬をぶつけられ、彼女自身も、自分の内側に潜む魔物に気づいていく・・・。
なんかドキドキしそうな映画ですが、果たして評判はどうなんだろう?チェックしてみた。
「ネオン・デーモン」のあらすじ
どこにでもいるような普通の女の子だったジェシーは、モデルを目指してロサンゼルスにやってきた。彼女には、誰でも気付くようなキラリと光る輝きがあり、すぐに有名なファッションデザイナーやフォトグラファーに注目されるようになる、
ジェシーは、メイクアップアーティストのルビーと友達になり、またモーテルを経営する野卑な男(キアヌ・リーブス)の気を引くようになる。しかし、モデル仲間のサラ(美脚の持ち主)や、ギギ(美容整形の中毒者)は新参者のジェシーに出し抜かれたと感じ、彼女を憎むようになった。
一方、ジェシーが住んでいるモーテルの主人は、オオヤマネコを沢山飼っていて、彼らがジェシーの部屋に乱入してくることもあるのだが・・・。
「ネオン・デーモン」の監督やキャスト
監督・・・ニコラス・ウィンディング・レフン
出演・・・ジェシー役=エル・ファニング
ハンク役=キアヌ・リーブス
ディーン役=カール・グルスマン
ロバータ・ホフマン役=クリスティーナ・ヘンドリックス
ルビー役=ジェナ・マローン
キアヌ・リーブスは、「モーテルで働く男」役・・・ということで、なんかチョイ役っぽ感じもするんだけどw どんなふうに絡んでくるのか気になるところだっ。
「ネオン・デーモン」の上映時間や日本公開日
- 上映時間・・・118分
- 日本公開日・・・2017/1/13
- 配給会社・・・ギャガ
- 製作国・・・フランス・アメリカ・デンマーク合作
- ジャンル・・・お洒落サスペンス、ファッション
「ネオン・デーモン」のレビュー・評価をチェック!
何度も見たい!というほどの高評価
茶目っ気たっぷりに馬鹿馬鹿しくって、決まってるシーンが沢山あって、ビジュアルはうっとり催眠術にかけられるみたいで、繰り返しみるのにぴったり。最初に見たときは、この映画は風変わりで、幻覚じみてて、ショッキングなまでに、身の毛がよだつものだった。二回目に見たときは、脚本のめちゃ賢い魅力が分かった。
http://www.arcamax.com/entertainment/entertainmenttoday/ より
俗っぽくて安っぽい・・という批判
この映画にはいいところがない。気取っていて、わがままで独善的で、難解な映画を好むファンに向けてしつらえられた映画・・・だが、急に安っぽいスプラッタームービーに変わる。
「ネオン・デーモン」のシーンの幾つかは即興で作られたものらしい。でも実はほとんどのシーンが即興だったんじゃと思わされてしまう。キャラクターも掘り下げられていないし、会話はぎこちなくって、監督は俳優が何を言って何をするかよりも、彼らがどう見えるかに注意を払っているものだから、演技も硬直したものになっている。
確かに、ファッション業界には、傲慢さやら美に対する倒錯した感覚が存在しているし、批判するのはたやすい。けれど、ネオンデーモンは、ちゃんちゃらおかしい凡俗さでこの批判を展開してしまっている。
ネオンデーモンの最良の部分も平凡で退屈だ。また嫌悪を催させる場面もある。一番ショッキングなのは、ある女性が、口を大きく開けさせられ、ナイフを入れられる場面である。また視覚的なレスビアン・ネクロフィリア的な場面や、目玉を吐き出すシーンなどもある。まったく楽しい時間だぜ!(←反語??)
Neon Demon, The | Reelviews Movie Reviews 要約
レフン監督は、決してスーパーモデルと、恐ろしい怪物という両者をリンクさせた最初の一人ではない。けれど、彼は一番スタイリッシュにその仕事を成し遂げている。公共に有害なことをやらかすゲスト編集者を迎えて作った、ファッション誌ヴォーグを想像してみてほしい、例えるならそんな映画だ。
Reel Brief: Mini reviews of films opening June 24 in Toronto | Toronto Star より
「ネオン・デーモン」に対する一般観客の感想を拾ってみた!
- ネオン・デーモンが、個人的なオールタイム・ベストフィルムになるとは思ってもみなかった。純粋に美術的な観点からだけど、今までみた映画の中で一番好きだった。
- 衝撃的で、催眠にかけられるようで、酔わされる。けど構造が全然しっかりしてなくて、完璧に幻覚みたいな感じになっている。意味なし、だし、どう結末をつけるか分からなかったみたいなエンディングだった。
- とてもいい感じで進んでた。けど、後半では無理やりグロテスクになろうとしている感があって微妙。
まとめ
これは賛否両論がかなり分かれる映画みたいだ。ホラー映画ファンからすると、物足りないようで、一般観客からすると、グロイのかもしれない。
一番いい方法は、やっぱりとにかくファッションや映像のスタイリッシュさを堪能しにいくことだと思う。ファッションブランドともコラボしているし、映像のクールさは、結構皆が誉めていた点だった。
それからデビッド・リンチなどの、奇妙映画を作るカルト的な監督の影響もあるのでは?という意見もあった。(そのレビューではリンチ監督の亜流になってる・・とか言われてたけど)そういう奇妙で不条理な世界に興味がある人にも向いている映画かもしれない。