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【海外反応】シンゴジラに対する外国人の評価ってどうよ?まとめてみた!

Godzilla Vs. Harper

シン・ゴジラについてはこのブログでも長々とつい書いてしまったのだが、さて夏に日本で封切られた後、最近になって次々と海外でも公開が始まっている。

 正直、私見では(ファンの方すんません・・)「日本人のための映画」っていう感じで外国の人達には理解が難しいだろうし、つまらないんじゃないか??とか思っていたのだが、実際のところ、彼らはシン・ゴジラをどう見ているんだろう。

 批評家の意見をピックアップし、観客の素直な感想も色々まとめてみた。自分なりに要約してあるので、正確なところを知りたい方はリンク先記事を読んでみてね。

 

 

批評家の意見。

欠点もあるけど面白いよ、というレビュー

・シン・ゴジラ、これは勿論、レーザー光線を発射する怪獣の映画だ。けど、これは現在の日本の政治文化に対する、対外強硬主義者的で独善的な批判を繰り広げている。すんごい、すんごい、すんごい、お間抜けな風刺が展開されてるのだ。

・最初の30分間は、ゴジラは東京に向かっている間、官僚が集まってお互いに何度も事態の説明やら指示やらを何回も繰り返す。どの質問も、二人とか三人の伝言ゲームみたいにして伝えられる。あらゆる部屋に、ダーク・スーツを着た男性が詰め込まれている。ときおり姿を見せる女性も、こうした男性優位の家父長制を乗り切るために、地味な服装をしている。

・この映画は、過去71年間に渡る日米関係にもう飽き飽きしている様子をみせる。第二次世界大戦後、日本は非軍事化され、もう独自の軍隊を持たない。かわりに、1954年から、自衛隊を保有している。すべての国外からの脅威については、アメリカ合衆国との間に結ばれた条約に依存しているのだ。

 この状況は日本の大衆に圧倒的に支持されてきた・・・つい最近までは。北朝鮮がますます脅威とされ、それに2011年の大震災が急速に、一般大衆の、軍備に対して抵抗する意見を変えてしまった。それがシンゴジラにも反映されていて、この映画の中では、自衛隊の潜在的軍事力へ特別なプライドが示されている。並外れてタカ派的でー、1945年以来タブーとされていたことだ。

・2011年の大震災や、原発事故への風刺もされているが、あまりうまくいっていないし、ごたついている。けれど、巨大怪獣が暴れまわるというエンタメの側面においては、いい場面が沢山あるので、タカ派的な態度や、震災や原発事故へのアレゴリー(寓話)がうまくいってないのも、大目に見ることができる。

 

以下の記事を参照したよ;

io9.gizmodo.com

 

アクションシーンはいいけど、イマイチ欠点が多いよなあ。。。という感想

この映画は、アニメみたいに、キャラクターの役職や名前を字幕で見せるというアプローチをとっている。これは、単にキャラクター登場の唐突さをなくす手法というだけでなくて、映画のトーン全体を決めている。

 つまり、何かが起こるプロセス自体に焦点を当てているのだ。登場人物は、たんに彼らの役職のために存在している。

 この手法は、映画に活気をもたらしもするのだが、かといって映画全体を持たせることはできない。

・映画「シン・ゴジラ」は、ゴジラ第一形態と同じように、ぎこちないものになっている。最初にゴジラが現れたとき、それは、育ち過ぎたオタマジャクシみたいな姿をしていて、しかも、またたき一つしない目玉は大きすぎて、怖い怪獣というよりは、アニメ映画の可愛いキャラクターみたいに見えてしまうのだ。

・怪獣に、限界を与えるというナイスな試みもされている。体温を冷却するために、海に戻らなくてはいけないという設定だ。これは、ヒーロー達にゴジラ退治の戦略を考えさせる時間を与えるのだけれど、ゴジラそのものを、まるで時々動かなくなってしまうねじまきおもちゃみたいに感じさせてしまうものでもある。

・シン・ゴジラは、怪獣が暴れまわるアクションシーンもちゃんと含んでいる。ゴジラはちょっと、ぷくぷく太りすぎてる感もあるが、戦車やヘリコプターによる攻撃は、説得力がある。都市の破壊をなるべく避けるために、人間たちは攻撃の程度をだんだんあげていく戦略をとる。最初はマシンガンからはじまり、ミサイル、大砲、そして最後には連携する米軍B-2による爆撃である。これはついにゴジラの皮膚を貫通し、ゴジラによる壮大な反撃をまねくのだ。

・シン・ゴジラは、ナショナリスティック(国家主義的)なトーンからも、混乱を招いている。もしこの映画の言っていることを信じるとするならば日本は防衛のために外国の勢力に頼ることには飽き飽きしていて、自分たちの軍隊の力を建設し直し、さらに重要なことには、それを使う時の規制をゆるめたいらしい。何よりも、日本はアメリカから指示されるのを欲しない。うむ、ダンディでいいんじゃない・・・。

 けど、それは、この映画の文脈・・・巨大怪獣が人口密集した都市部を襲うという状況では、有効かもしれないけれど、実際の世界では、暴力や戦争は減少傾向にあるわけだから、あまり適当な宣言とは思えないわけだ。映画の製作者はそのことに気づいてるのかな。

・石原さとみの演技に関しては、英語の会話がぎこちないので、とてもアメリカ育ちの人間には思えない。しかも、他の日本人の登場人物は、ゴジラとの戦いの中で、もっとうまく英語を話しているからなおさらだ。日本人の観客は、あんまり気にしないだろうけど、アメリカの観客にはやっぱり気になる。

 以上、下の記事を要約。

new.hollywoodgothique.com

 

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 海外現地観客の素直な意見いろいろ。

英語圏の観客の感想を色々拾ってみたよ。

 

・重要な説明をするときに、いちいち登場人物の顔がクローズアップされるのは鬱陶しかった。特に、全然演技ができない俳優の時は、観客はクソみたいな窮屈な独白の画面に閉じ込められるみたいな感じがする。とはいえ、一部は例外として、演技はだいたい堅実だった。音楽もかなり良い。

 よかれあしかれ、東宝のゴジラシリーズのリバイバルとしては面白かったし、歓迎すべき一本だったかな。10点中6点てとこか。

 

・この映画は、エヴァンゲリオンと歴代のゴジラシリーズのテイストをミックスし、おまけにHPラヴクラフトの風味も投げ込まれた感じ。ブラヴおー!

・面白かった!たぶん明日ももう一回観に行くよ!

 

・石原さとみの演技が、他の俳優から抜きん出て良かったと思う。続編を期待。

 

・怪獣映画としては、政治的言及が多すぎたけど、とてもリアルといえばリアル。凄いゴジラ映画。

 

・政治的な風刺をともなうヒューマンドラマもうまくできていたけど、日本人以外の観客にはあまり意味ないように感じた。とはいえとても力強い映画。

 

・今までのどのゴジラ映画でも見れなかったような真にスペクタクルな破壊シーンが見られる。それは、2014年の何百万ドルもの予算がつぎ込まれたゴジラでも見れなかったようなものだ。だけど、CGIが弱い場面もあって、それは第一形態である、地面を這う両生類みたいなゴジラは、しょぼい。あと、光線を吐く場面はだいたい素晴らしくよくできてはいるのだが、その中でも時折ヘボなシーンが見られて、インパクトを落としている。

 石原さとみの英語はヒドイので、父親がアメリカ人であるアメリカ育ちの人物という設定には無理がある。

 ゴジラそのものに関しては、はじめて、本当に気味悪い存在となった。ゴジラは、皮膚の下で発光する核エネルギーを持っている。ゴジラ対デストロイヤーのゴジラみたいにそれから爬虫類っぽいヌルヌルした形態から、恐竜のゾンビのような姿に進化するところは、霧の怪獣、ヘドラも想起させる。

 この伝説的な怪獣の、驚くほど独創的な1バージョンが生み出されていて、光線を吐く新しいやり方は、ショッキングで印象的だ。

 

・90分間にも及ぶ政治についてのシーンは、あつかましくて色っぽい石原さとみの演技のおかげで、耐えられるものになってる。

 

・つまらな過ぎる!数年前のリメイクよりはましだが・・・、クローズアップでなんかについて登場人物がひたすら語り続ける・・・。ゴジラの特殊効果はよかったけど、誰かがユーチューブに破壊シーンをアップするまで待ってろよ!

 

・日本政府や彼らがどう危機へ反応するかを垣間見れるのは面白いよ。

 

・だらだらしたシーンもあったけど、ゴジラは、本来のダークなトーンやシリアスな状況設定を取り戻した。

・単調で退屈だったから、字幕読むのをやめて、自分の好きな映画を頭の中で再生してたよ。

 

 ・今までで最悪のゴジラだと断言する。2時間の映画なのに、3時間くらい(に感じたのか?)は、登場人物たちが、同じことを繰り返し繰り返し話すという場面で構成されている。エンディングもひどい。日本の映画製作業界って気の毒だな・・・。

 

・ゴジラが暴れまわる映画だっていう期待をしちゃあいけない。これは、「巨大怪獣が都市部を襲ったときには、どのように対処したらいいのか」を問いかける、災害映画なんだ。もし君が、堅苦しくて四角四面な官僚や、変人の科学者どもや、欲求不満におちいった政府役人に、感情移入できるなら、この映画は観る価値ある。

 

まとめ

 石原さとみの英語は、やっぱりネイティブの人からすると奇妙に聞こえるみたいだね。でも、「セクシーでいい!」とか「目立っていい演技」とかいう意見もチラホラあったのだけど。

 あと、怪獣ゴジラが活躍するシーンじたいが少なくて、やたらと会話シーンが長いことに辟易した人も結構いたみたいです。

 ゴジラについては、莫大な予算をかけたSFX映画を見慣れた観客にとっては、映像効果がしょぼく見えるとこもあったみたいだね。たぶん、いちばん最初のヘビみたいな姿は、パペットぼかったけど、あれはあれで、庵野監督の、手作り感あふれる初期のゴジラ映画へのオマージュだったんじゃないのだろうか。

 あと、わたし的には、偽物っぽい人形臭さが、かえって気持ちわるく見えました・・。

 ラヴクラフトのテイスト入ってるとか、ゾンビっぽいって意見には賛成!アンデッドな気色わるさはあったと思う。

 それから、やっぱり、政治的メッセ―ジが強いとか、えらくタカ派に見えるっていうのは、海外の観客でも感じられるようだ。

 私の感想は以下の記事に詳しく書いております。ファンの人怒らないでねー。

tyoiniji.hateblo.jp

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