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【復習】スターウォーズ エピソード3シスの復讐の感想・見所。シリーズ最高傑作。ギリシャ悲劇のような重厚さ。

Star wars

 スターウォーズの第二部そして、ジョージ・ルーカスが構想した6部作の完結編。個人的には、本作が圧倒的に面白かった!悪に染まっていくアナキンを描くダークな側面、一騎打ちの数々、派手な惑星描写・・はとにかく血湧き肉躍る感じだし、人々の暗黒面や権力欲、そして恋愛などを描写するストーリーは、ある意味ではギリシャ悲劇のような深いカタルシスをくれるところまで、到達できているのではないかと思う。

 

スターウォーズ エピソード3シスの復讐のあらすじ

 前作から約三年後、以前として銀河共和国はまだかろうじて存在していた。共和国の最高議長パルパティーン(実は暗黒卿シス)が、反対勢力にとらえられてしまった。オビワンとアナキンは、彼を救出するため派遣される。立ちはだかるデューク伯爵とアナキンは決闘。めきめき力を伸ばしているアナキンは、デューク伯爵をねじ伏せる。

 とどめを差すのをためらうデュークに、パルパティーンは、やれ!生かしておくには彼は危険すぎる!!!とせかし、アナキンはとどめをさしてしまう。

 家に帰還すると、恋人のアミダラ姫は妊娠している。しかしアナキンは、アミダラ姫が出産で亡くなってしまうような悪夢にうなされる。

 そんな中、デューク卿を陰で操っていたパルパティーン=シスは、アナキンを次の手下として目を付ける。そして、ダークサイドに来れば、死からすら、人々を守れるのだと誘惑する。アミダラを失いたくないアナキンは、この誘いに強く誘惑されてしまう。

 しかしまだ良心とも葛藤しているアナキンは、パルパティーンが暗黒サイドにあることを他のジェダイ達に報告。ジェダイ一団はパルパティーン逮捕にいく。最高議長を囲むジェダイ達。議長もおもむろにライトセーバーを抜いて切りかかる。そして何人かのジェダイ達をあっという間に切り伏せてしまう。しかしジェダイの中でもメイスだけは、議長を追い詰め、とどめを差そうとする。だが議長にそそのかされたアナキンは逆にメイスを倒してしまった。そしてダース・ベイダーという暗黒名を与えられ、議長の支配下に堕ちてしまうのだった・・・。

 

スターウォーズ3シスの復讐の監督やキャスト

監督・・・ジョージ・ルーカス

出演・・・オビワン・ケノービ=ユアン・マクレガー

     パドメ・アミダラ姫=ナタリー・ポートマン

     アナキン・スカイウォーカー=ヘイデン・クリステンセン

     パルパティーン最高議長=イアン・マクダーミド

     デューク伯爵=クリストファー・リー

     メイス・ウィンドゥ=サミュエル・L・ジャクソン

 ジェダイ騎士で、今回はパルパティーンを追い詰めるという格好いい役回りであるメイスは、サミュエルLジャクソンが演じている。彼はルーカス監督に直接アピールして、ノーギャラでもいいからスターウォーズに出演させてほしい!と頼み込んだらしい。黒人としては唯一の主要ジェダイ騎士となっている。

 

スターウォーズ3シスの復讐の上映時間や日本公開日

  • 上映時間・・・140分
  • 日本公開日・・・2005年7月9日
  • 配給会社・・・20世紀フォックス
  • ジャンル・・・冒険活劇・SF

スターウォーズ3シスの復讐の感想と見所

 エピソード3は、これで終結だけあって、物凄い盛り上がり方を見せていた。何もかもが派手に惜しみなく演出されていて、エンターテイメントに満ち満ちている。

 そして、アメリカではスターウォーズシリーズで初めてPG13指定を受けたという。(12歳以下は、親が厳密に監督したもとで見ることができるという指定)この事実が現す通り、ダークで残酷な場面、ややグロイ場面も散りばめられている。猟奇的なものや怪奇が好きな人間にも楽しめるだろうと思う。

暗黒面に堕ちたアナキンのダークサイドに萌える

 私も含め、日本人はこうした悪党ものやらダークな雰囲気ってかなり好きなんじゃないかと思う。日本のアニメなんて、みんな暗いしw

 アナキンは、葛藤しつつも次第に次第に暗黒に染まっていく。彼は生い立ちからしてとても影があり、同情せざるを得ない。知恵や才覚がありながら奴隷として育ったため、ひねくれた側面があった。そして母親を「後から助けにくる!」といいつつ、結果的に置いてくることになってしまっため、いつも母の記憶に悩まされている。そして、母は前作で盗賊によって残虐に息絶えることになってしまった。人を暗黒面に落とすには十分である。何とかダークなものを押しとどめようとするものの、アミダラ姫を守りたい一心で、死をも克服するパワーを教えてやるという、シスの誘いに魅かれてしまう。

 そしてジェダイ達からは、マスターになることは保留されて失望しているところを、シスに側近として力になるよう申し出を受けて、信頼してしまう。

 メイスをなきものにしてからは、完全にシスの手下になってしまい、「仰せのままに、マスター」などとひざまずき、「ダース・ベイダー」という名前をシスから授けられる。その後は、ジェダイの宮殿に赴いて、修行中の子どもたちすら殲滅してしまう。

 その後アミダラ姫に会いにいくが「銀河を支配しよう。シスもそのうち倒して、二人で望むままにこの世界をコントロールするんだ!」と言い放ち、それを聞いたアミダラ姫は「あなたは変わってしまったのね」と後ずさり。

 そこへ偶然オヴィワンが到着し、「罠にかけたな!」と守り抜くはずのアミダラ姫の首さえ絞めてしまう始末。本作からアナキンは、ウェーブがかった長髪になっていて、これを振り乱して暴れるのが似つかわしくなっている。

 こういう暗さって、ギリシャ悲劇でよく見るよなあ、と思う。物凄いクラシックな普遍的な悲劇構造になっていると思う。権力欲、愛情、暗い過去、死への恐れなどがセットになっている。

 

ヨーダとパルパティーンの一騎打ちが格好いい!

 初期三部作では、まったく剣闘シーンを見せなかったヨーダ。この三部作でも、もう老人ながら強力な力を保持していて戦闘シーンはとても格好いい。

 緑色のライトセーバーを構え、蝶のような蜂のような身軽さで飛び回る。さらに攻撃の力を受け流し、跳ね返すことも得意のようで、シスが両手の指先から放出する青白い光線も受け止め、しばらく溜めては跳ね返す。

 シスは議会のバルコニーひとつひとつをまるごと引き抜いて円盤のように投げてくるのだが、ヨーダはこれも受け止めて跳ね返すことができる。大活躍である。

 

アナキンとオビワンという師弟の宿命の対決

 監視録画装置で、アナキンが子供たちを殲滅するのを目の当たりにしてしまったオビワンは、いまやアナキンは完全にダークサイドに堕ちてしまったことを知る。オビワンは火山の惑星でアナキンに追いつき、二人は最後の決闘をすることになる。

 この決闘は少年漫画みたいに、えんえんと続く。そして溶鉱炉のようにマグマが滝のように流れ、吹き上がる中でアナキンはさながら修羅のように見える。マグマの上の一本柱という不安定な足元の上での決闘、そしてマグマが流れる川の上にフォースの力で浮かべた小さな足場で滑っていきながら、剣を交える。とても迫力がある。

 

ダース・ベイダーが遂に完成!

 オビワンが先に陸に上がることができ、飛び移ろうとしたアナキンをオビワンの剣が直撃、アナキンはマグマに放り出される。そして焼き崩されていくグロいシーンが続く。オビワンはアナキンを置いて離陸。

 しばらくすると、手下の危険を感知したシスが船でやってきて、瀕死のアナキンの身体をすくいあげて、機械につなぎ、再生させる。

 顔には、おなじみのあのマスクがかぶせられ、シュコーっという息が始まる。観客にとっては、これでアナキンがダース・ベイダーに完全に転じた瞬間を見届けることとなる。復活したダースベイダーは、まずアミダラ姫の無事を問うが、彼女が命を落としたことを知り、絶叫する。こういうとこもギリシャ悲劇っぽい。

 

日本映画の影響も色濃い

ルーカス監督は黒澤明の大ファンで「ジェダイ」の語源は時代劇の「時代」だという。それもあってジェダイの衣装は、もうどう見ても侍なのである。合わせ襟とか、肩幅の広い仕様の着物とか、一枚布で仕上げたローブみたいな着物とか・・・。なので日本人が見ると、そこはちょっと面白いかもしれない。西洋の人が着物のコスプレしてるようにも見えるから。でもサマになっている。それから殺陣は、やはり日本のチャンバラ、それにフェンシングやテニス(!)など、色々ミックスして作り上げているらしい。でも、日本のチャンバラ映画のような構えが一番目につく気がする。

 

まとめ

 本当にシリーズ最大のスペクタクルが用意されていたと思う。エンタメ映画普段はそんなに見ないって人でも、このギリシャ悲劇のような深みがあるド派手なエピソード3はかなり楽しめるのではないか。ローグワンも見に行って、結構面白かったのだが、このエピソード3を見返した後となっては色褪せて見えるのは否めないかもしれない・・・。個人的には、今まででは一番好きなスターウォーズだ。

最新作の評判は下の記事に書きましたよ!

tyoiniji.hateblo.jp

 

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