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ガールオンザトレインの口コミ・感想。アンニュイなアメリカ郊外で起こる、アル中ミステリー。

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 世界的ベストセラーとなった小説を原作にして、アンニュイでミステリアスな雰囲気の中展開される、霧の中をさまようようなムードの映画。

 「プラダを着た悪魔」でブレイクした女優、ブラントがアル中の女性を演じます。アメリカ郊外の、ちょっとダークで鬱蒼とした環境もポイントかと。

 さて、観た人からの評判はどうなのか、面白いのか退屈なのか、どんな映画なのか、調べてみました。

ガール・オン・ザ・トレインのあらすじ

  レイチェルは、夫のトムと別れて暮らしていた。トムが別の女性と一緒になってしまったからだ。レイチェルはアル中気味である。毎日ウォッカを引っ掛け、ニューヨークシティまで電車に乗っては帰ってくる。ある日、ミーガンという女性の暮らしを電車からみかけ、それから理想的に見える彼女の生活に取りつかれたようになる。

 ある夜、レイチェルは酔って電車から転げ落ち、意識を失う。起きた時、レイチェルは血だらけになっていたのだった。何が起こったのかまったく分からない。そしてミーガンは姿を消している。

 

ガール・オン・ザ・トレインの監督やキャスト

監督・・・テイト・テイラー

出演・・・レイチェル役=エミリー・ブラント

        アナ役=レベッカ・ファガーソン

      メーガン役=ヘイリー・ベネット

        トム役=ジャスティン・セロー

原作・・・ポーラ・ホーキンズ

 

 主演のエミリー・ブラントは、「プラダを着た悪魔」でブレイクした女優さん。お父さんは弁護士、お母さんは教師、自身もイギリスのトップ校出身の、知的な人です。

ガール・オン・ザ・トレインの上映時間や日本公開日

  • 上映時間・・・105分
  • 日本公開日・・・2016年11月18日
  • 配給会社・・・東宝東和

ガール・オン・ザ・トレインの評判・レビューをチェック!

プロットが掴みどころなくて困るという感想

  主人公レイチェルは、電車を降りて、いつも見かけるあの理想の家へ向かう…そして何が起こったのか?これが、この映画のドラマの中心部分であり、物語の焦点があたる軸となるべきである。

 けれどテイラー監督は、エピソードをしっかりした仕方で表現しない。それは凄く霧がかかったような曖昧な仕方で提示されていて、興味をそそるよりは、かえって混乱を招いてしまう。 これは取っ散らかった映画で、編集や場面の組み立て方もずさんである。それから、映画の後半になって、調子が落ちる。

 私たちは、しまいには、何が起こっているのか、取っ散らかった断片を結び付けようと努力する羽目になる。監督は、登場人物の一人ひとりを掘り下げるよりは、色んな方向にエピソードをばら撒いてしまうのである。

 ガール・オン・ザ・トレインは、真のスリラー映画の、言ってみれば蝋人形バージョンのように話が進むのである。

 原作本では、物語は三人の女性それぞれの一人称によって語られる。けれども、これを映画でやろうと思えば、観客は、彼女たちのことをよく知る必要がある。けれど監督は、観客に登場人物のことを把握させようとするかわりに、物語の込み入った紆余曲折を強調してしまう。そこで、彼女たちは、登場人物として真に息が吹き込まれることがない。

 主人公レイチェルは不安定で、危険な状態にある。彼女はすぐにでも誰かに助けてもらう必要がある。レイチェルを演じるブラントは、感傷的な向こう見ずさを役にあたえていて、大胆で情熱的な演技を見せてくれる。けれど、映画の物語はといえば、彼女をあっちこっちと落ち着かなく行ったり来たりさせ、プロットも、つかみどころがない。

ウィル・レイチ氏(ザ・ニューリパブリック紙)

 

心理的掘り下げはそんなにないが、そこそこ面白いという意見

ガールオンザトレインの強みの一つは、よく考えられた物語のひとひねりによって、登場人物が、どこへ向かっているのか、うまく隠せている点だ。

 そんなわけで、真実が明かされる時、私たちは、今まで観てきたものを、頭の中で書き換えなければいけない。

 優れた演技や、高水準の監督手法や、雰囲気のある、北欧に影響を受けた映画撮影術のおかげで、満足感のある映画に仕上がっている。

 ポーラ・ホーキンズのベストセラー小説に基づいて、この映画の物語は、アル中の主人公レイチェルを中心にして展開する。アメリカ東海岸の、樹々が茂る郊外で、彼女はミステリーに巻き込まれる。レイチェルは、夫トムに家から追い出された。トムが、レイチェルのアルコール中毒に耐えられなかったためだ。

 生計を扶養手当に頼りつつ、レイチェルは毎日、前の家を通り過ぎる電車に何回も乗って、以前の生活を頭の中で生き直す。夫トムの隣人が行方不明になったとき、レイチェルは、自分が、捜索に役立つ情報を持っていると考える。けれど、アルコールによる意識不明状態は、彼女は自分が見たと思っているものが本当だったのか確信が持てないということだ。

 主人公レイチェルを演じるブラントは、徹底的にアル中を演じきっていて、酔っぱらった状態を見事に演じている。泥酔状態は、演じることが難しいといわれている。これは、彼女の演技力の証拠である。精神的・物理的な極限状態を演じることを求められている状況で、ブラントの演技がパロディのようなものに陥ってしまうことは一度もない。

 もちろん、かのヒッチコック監督は、こうした種類のサスペンスの巨匠であり、記憶をなくすことについての映画も撮影している。彼のとったような古典的傑作と、現代のサスペンス映画の違いは、登場人物の掘り下げ方だ。ガール・オン・ザ・トレインでは、登場人物達の心理が深く掘り下げられることはない。

 彼らの行動の動機はけして説明されないし、この映画の楽しさは、次に何が起こるのかを解こうとする楽しさから来る。つまり、物語の筋がすべてである。

 この映画は、深みのあるように見せかけた、B級映画であろう。とはいえ、そういったものとして観客を楽しませる力も秘めている。

 リチャード・ジェームス・ハビス氏(サウスチャイナ・モーニングポスト紙)より

まとめ

 雰囲気のある、どんよりしたアメリカの郊外が舞台、女性が主人公と、どこかスタイリッシュな趣もあるこの映画ですが、物語の筋はやや分かりにくいものになっていそうです。もしかしたら、原作を読んで予習した方が分かりいいかも??

 ブラントのアルコール中毒の演技は、なかなか迫力がありそうですね。

 最後に謎が解決してスッキリする、分かりやすいミステリーを求めていくと期待外れかも。ミステリアスな雰囲気を楽しみに行くのが良いかもしれません。

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