小説「トワイライト」は面白い?
けっこうミーハーな吸血鬼小説なんですが、筆力がすごくて、グングン読ませます。面白いですよ!
それに、誰にでも読みやすい文体なので、ベストセラーになったのも納得。
面白いポイント
まるで少女漫画!
主人公の女の子が「冴えないドジっ子」。なのに、超美形でミステリアス、強いという王子様みたいな同級生に惚れられ、恋に落ちるという設定。
しかもエドワードは、いつも冷静、クール、ドジなヒロインを見守るようにしている。
これ、少女漫画の王道やん!国際的にみても、乙女の願望って変わらないんだねw
アメリカの女子高生の生活がリアル
アメリカの女子高生は、こんなこと考えて毎日過ごしてるだな~というのが、ひしひし伝わってきます。
友達が好きな男の子と、なるべく近づかないように気を使ったり、陰口叩いてくるいやな子がいたり、男の子に好意を持たれれば、嬉しいこともあるけれど、うざったかったり。
それと、話を聞きだす時に、相手に気のあるふりをしてみせたりとか・・・。なんかこういうのって、日本の女子にも共通してそう。
男性目線の女の子じゃなくて、あくまで等身大で、女子が知ってる女子というか・・・幻想のない、元気で、単なる人間で、調子にのったり、焦ったり、舞い上がったりする女子が書かれているので好感持ちました。
心理描写がまた活き活きしてる。
日本とちがって欧米では「告らない」ようですが、じゃあどうやって親密になっていくのか、その感じもわかるので勉強(?)になります。
恋する二人の間がじれったい
吸血鬼のエドワードと、ヒロインの間はなかなか縮まりません。いま上巻おわったとこだけど、手もつないでないしキスもしていない。
それはエドワードが、思わずヒロインの血を吸いたくなってしまって、そうなったら危険だから必死で抑制してるため。
なので、ヒロインのほうでも遠慮して、手もつなげない。
隣同士の教室で、映像みるときに部屋が暗くなる。ヒロインは、ものすごくエドワードに触りたくなるんだけど、できない。
じれったいな~。
でもこれは恋した人になら覚えのある感覚ですよね。触りたい!さわりたいけど、さわれない。なんかその状態が可愛いというか胸キュンな気がします。
トワイライト上巻のあらすじ(ネタバレ注意)
以下は、ネタバレなので概要知りたくない人はみないでおいてくださいね~。
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ベラは、太陽さんさんのフェニックスから、父親が暮らす、雨と霧のフォークラスに引っ越してくる。父は母と離婚したあと、一人で暮らしていた。
新しい高校で、ベラは美しい五人兄弟と、その一人エドワードに出会う。
完璧な美形でミステリアスなエドワードは、なぜかさえないはずのベラに近づいてくる。
最初はむしろ、露骨に避けられていたが、それはエドワードがベラを嫌いだからではなかったと分かる。
そして、奇妙なことが。
ベラの方にアクシデントで突撃してきた車を難なくもちあげてエドワードはベラを救う。そして、ベラが街で不良に絡まれそうになった時も、どこからともなく出現してベラを助ける。
一方、目の色が日によって違ったり、催眠するような目力を持っていたり、人間ばなれしたところが。
ベラは、なぜか転校してからやたらモテるようになっており、三人の男の子が、くっついてくる日々。友達にも気を使いながら、なんとか友達と彼らをくっつけようとしたり、なんだり。
誘われてグループで小旅行したとき、たまたまそこにいたインディアンの幼馴染から、エドワード一族の話を聞いてしまう。
彼らは吸血鬼だから居留地には入れない、と。単なる迷信だと幼馴染はいってるけど、ベラは、エドワードは吸血鬼なのだと、だんだん確信。
そしてエドワードも、少しずつ秘密を明かすように・・・・。
そしてエドワードは大抵の人の心を読めるけど、ベラの心は読めないという謎も・・。
トワイライト下巻のあらすじ
上巻では、転校先の学校での、友人や男の子との葛藤や駆け引きが書かれていた。あと、エドワードの正体がだんだん吸血鬼だと分かった。
下巻では、エドワードとの仲がさらに深まり(とはいえキスまで)
、悪役の登場で急に、サスペンス映画みたいな趣になる。
悪い吸血鬼にベラが目をつけられて、それに襲われないよう、逃げたり戦ったりするのだ。
その過程で、エドワードの家族の能力、ジャスパーの感情コントロールや、アリスの予知能力とかが役立つ。
母を人質にとられたベラは、心ならずも、自分を守ってくれるアリス達を空港でまいて、悪い吸血鬼ジェームスの方に向かう。
エドワードたちを巻き添えにしたくなかったし お母さんも助けたくての決断だった。
でも予想通り、ジェームスに襲われ、肋骨など骨折、頭から流血している・・・
ところを、エドワードらに救われた。
アリスが予知で場所を察知したと思われる。
そしてこの時、エドワードはベラに輸血した。これをもっと続けてたらベラも吸血鬼になっていたところ。
この後、ベラは、自分も若い時のいま、エドワードに吸血鬼にしてもらって永遠に一緒にいたいと思うようになる・・・。
エピローグは、ダンスパーティに連れてかれたところで終わり。
感想
正直、二人がひかれあっている理由はあまり説得力ない。ベラはエドワードを「超美形」として賞賛するだけだし、エドワードもベラを「君はすごくいい香りがする」といっていて、その他に、なぜひかれあっているか理由がない。
から、なんかそのあたりはミーハーと言うか薄っぺらく感じてしまう。
ただ、二人の間のくっつきそうでくっつかないじれったさとか、甘すぎるセリフの数々に、読み進めてしまう。乙女の願望を体現してるからかな。
あと、お父さんとかお父さんと離婚して若いパートナーと暮らしてるお母さんとか、登場人物がいきいきかかれてる。学校生活での友人との気を使ったりの機微も共感できるようにかかれている。
ストーリーラインもすごく単純で目新しさはないのだけど、いきいきした日常の描写がドライブになってるんだろう。
主人公が、感情豊かで喜怒哀楽はっきりしてて、ぐいぐい進む性格に設定されてるのもポイントか。