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フィリップ・K ・ディック「ユービック」のあらすじや感想

ubik


ユービックのあらすじ(ネタバレ注意)

超能力者がいる世界。

企業に潜入してテレパシーで盗聴して企業秘密を盗んだりする世界。

 

ジョーたちは、超能力者を不活性化させる能力者の一行で、とある企業に潜入してると思われる能力者たちを不活性化するために派遣される。

ジョーたちを雇っている企業の主はランシター。

 

この案件の直前に、ジョーたちの一行に新入りの女の子が入っていた。

この子パットは、過去に遡って、過去を改変してしまうことができる能力の持ち主だが、なんだかやさぐれたところがある。

 

さて、一同が月にある依頼者のオフィスで、不活性活動を始めようとして、能力場を測定するけれど、反応はない。

 

すると、依頼者の会社のスタッフであるミックが、宙に浮きあがって爆発した。彼は、ヒューマノイド型爆弾だったのだ。

 

この爆発に巻き込まれてランシターは死亡。死体の冷凍保存所に運ばれる。

 

この世界では死者を、半生状態で生かしておくことが可能。たまに覚醒させて助言をもらったりすることができる。

 

物語の冒頭で、ランシター自身も、こういう保存所に安置してある妻を訪れるシーンがあった。

しかし、他の半生状態の人間とも意識がつながっているらしく少年の意識が混線してきたりするのだった。

 

ランシターは損傷が激しかったので、会話できるほどの半生にはならなかった。

 

さて、生き残ったはずの一行を変な現象が襲うようになる。

まずウェンディがいなくなったかと思うと、後になって、からからに干からびて縮んだ状態で発見される。

さらに、人間だけじゃなく、世界にある様々なものが退行を始める。

新聞は数十年前の日付のものに、車も飛行機もどんどん古い型になるし。

店で売ってる缶詰はとっくに賞味期限切れで劣化している。

 

一体何が起こってるのか?

 

もう一つの異変は、死んだランシター氏が世界のあちこちに出現する。

例えばコインや紙幣に横顔が刻まれたり、

広告の欄外にその名前が載っていたりする。

そして偶然ジョーたちが手に取った品物に、ランシター氏からのメッセージが入っていたりする。「君らは死んでる、私は生きとる」とか。

仲間はどんどん、急激に老いたりして死んでいく。

 

ジョーと仲間のアルは、何が起こってるのか推測。

もしかしたら。死んだのはランシターではなく。爆弾で殺されたのは自分たちではないのか。と。

そして半生状態にあるけどアクセスできない。

ランシターは、自分たちになんとか気付かせようと、この意識世界に紛れ込む形でちょっかいを出してきてるのではないかと。

 

そのうち、テレビコマーシャルにランシターが出現。

ジョーに「ユービック」を手に入れろと画面の中からいう。

ユービックというのはスプレーで、それが退行を予防することができるという。

 

広告に名のあった薬局に行き、それかを買おうとするがお金も古くなってるしクレジットカードも使えずに買えない。

 

それから、時間をさかのぼる能力を持つパットが犯人だったのではという考えが浮かぶ。能力者たちを抱えるエージェント、ホリスの手先だったのではと。

ジョーがパットを問い詰めようとした瞬間。ものすごい疲労感が彼を襲う。

階段をのぼるのさえすごい苦労して。自分の部屋まで行こうとする。

パットはそんな彼を気遣おうとしているのか。単に苦しんでいるのを見て楽しみたいのか。一緒に来る。

 

部屋にたどりつくと、中にはランシターがいて、ジョーにユービックをスプレーしてくれる。とたんに気分がよくなるジョー。

しかしランシターも誰が犯人なのかまでは知らなかった。

 

その後、お医者さんに診てもらおうとするジョーだが、その相手が変化して知らない少年になる。

この少年が犯人だったのだ。

犯人は、ランシターの妻の意識にも干渉してきた少年で、

一緒に半生状態でおかれている人間たちの意識を食べてしまっている。

これまで。ランシターの妻エラもこの少年に対抗してきた。

 

半生状態でおかれているジョーたちの意識に侵蝕し食べようとしているのだった。

 

ジョーがタクシーに乗り道端の女性に声をかける。

この人がエラで、みんなを少年から守る役目をジョーに引き継ぎたいと言う。

自分はまもなく本当に死んでしまうからと。

そしてジョーにユービックを渡す。

ここでおわり。

 

かと思いきや一応もう少し仕掛けがあり、最後の最後で

ランシターが、ジョーの顔の印刷されたコインを見つけて妙に思っているシーンが入る。

どっちが現実なのかわからなくして結末。

 

感想

わりと精神世界の中なので、なんでもありな感じ。

インセプションとかああいう、どっちが現実でどっちが架空か分からないストーリーの源流みたいな感じなのだろうか。

登場人物のきてる服装とかカラフルで、全体的にサイケデリックな空気感があるように思った。

 

 


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