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ペンタゴンペーパーズ最高機密文書の感想・評判。スピルバーグ監督が新聞業界を描く!面白い?つまらない?ネタバレ少な目

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 スティーブン・スピルバーグの最新作っ!!

 ベトナム戦争時のアメリカ政府最高機密文書がリークされた。ライバルであったニューヨークタイムズとワシントンポスト紙は、社運とアメリカの自由を賭けて、協力しあい、人々にそれを知らせようとする・・・。

 しかしアメリカ政府は、もしワシントンポストが機密文書を発表すれば、会社を潰すと圧力をかけてくる・・・。

 うーん、なんだか、どこかで聞いた話だ・・・(-"-;A ...アセアセ

 報道機関への圧力は、アメリカでも日本でもあるんですなあ・・・。

 ただ、そういう権力介入へマスコミがどう反応するかは全然違うかもしれない。

 森友文書の改竄が騒がれる昨今、この映画は色々と参考になるかも・・・

さて、面白いのかつまらないのか、評判をチェックしてみた。

 

 

ペンタゴンペーパーズ最高機密文書の予告編とあらすじ

 


『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』予告編

   1970年代初頭、ニューヨークタイムス紙は、政府の機密文書の存在を突き止めた。その文書の中では、アメリカ政府はベトナム戦争が、勝つことのできない戦争であることを知っていたことが記録されていた。

 だが、裁判所の命令によって、タイムス紙の記事は差し止め判決を受ける。そしてワシントン・ポスト紙も、その文書のコピーを手元に持ったまま、それを公にするかどうか、判断を迫られるのだった。

 この時、ワシントンポストの社主の位置にいたのは、キャサリン・グラハム。夫が自殺した後に、その地位を引き継いだのだった。

 ワシントンポストはまだこの時はニューヨークタイムス紙などメジャーな新聞社とはくらべものにならないローカル紙とみなされていた。(タイムス紙はポスト紙の記者を次々に引き抜いていて、ポスト紙の重鎮ブラッドリーはこのことに立腹してもいた)

 ポスト紙にとってはスクープを掲載するのはチャンスだし、政府が大統領何代にも渡って隠してきた不都合な事実を国民の目に明らかにすることには大きな意義がある。

 しかし、それはリスクをともなう選択だ。

 もし記事を掲載していたら、ポスト紙は政府に訴えられ、グラハムも記者達も逮捕されて牢屋に入れられてしまうかもしれない。

 

 

ペンタゴンペーパーズ最高機密文書の監督やキャスト

  • 監督

スティーブン・スピルバーグ

Steven Spielberg

押しもおされぬ巨匠スピルバーグ。「ET」「ジュラシックパーク」などのSFエンタメから「シンドラーのリスト」「プライベートライアン」などの深刻な戦争映画まで、みごとな手腕を発揮している監督。

 1946年生まれなので、もう72歳。

 イーストウッドにしろ、日本でも大林宣彦にしろ、高齢になってもクオリティ高い映画を撮り続ける監督はわりといますな・・。

 

  • 出演

キャサリン(ケイ)・グラハム役・・・メリル・ストリープ

Meryl

「マディソン郡の橋」「プラダを着た悪魔」などでおなじみ。アカデミー賞女優。

今回はワシントンポストの社長役だ。

 

ベン・ブラッドリー役・・・トム・ハンクス

Tom Hanks - A life in pictures

 こちらも、言わずと知れた大物です。「プライベートライアン」でアカデミー賞ノミネート、最近では「ダ・ヴィンチコード」にも出演してましたね。

 

トニー・ブラッドリー役・・・サラ・ポールソン

ベン・バグディキアン役・・・ボブ・オデンカーク

フリッツ・ビーブ役・・・トレイシー・レッツ

 

ペンタゴンペーパーズ最高機密文書の上映時間や日本公開日

  • 上映時間・・・116分
  • 日本公開日・・・2018年3月30日
  • 配給会社・・・東宝東和
  • ジャンル・・・ヒューマンドラマ、歴史、社会派

 

ペンタゴンペーパーズ最高機密文書の感想やレビューをチェック!

 

メリル・ストリープとトム・ハンクスの演技が絶妙!というレビュー

 

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△メリルとトム・ハンクスのやり取りもこの映画の楽しみ。

 

  メリル・ストリープは、突然社長になってしまったグラハムを、ほとんどコミカルに演じている。会議を脱線させたり、ワイングラスをもてあそんでいたり。

 けど、彼女は、愚かというよりは思いやりのある人物として、それに周りを囲む大勢いの男たちに黙らさせられるけれど、屈しはしない人物として描かれている。

 彼女の狭い視野と、アメリカの政治家達への根拠なき信頼が、ペンタゴン・ペーパーの暴露によって崩れ落ちる瞬間を、メリル・ストリープはうまく演じている。

 彼女が文書の公表を決意するシーンは、とりわけその決断がギリギリまで引き伸ばされるだけに喜ばしいものになっている。

  トム・ハンクスはポスト紙のベテラン社員のブラッドリーを演じている。ブラッドリーは自信に満ちていて、こらえ性がないタイプ。彼は、キャサリンよりもタフで、確信を持っていて、けれど、けして辛辣になることはない。

 主張はするが、社長はキャサリンだということをわきまえて発言している。

 トムハンクスは、このキャラクターをソフトに演じることで、観客に感情移入させることに成功していると思う。

Review: The Post makes a pointed statement in the time of Trump - The Globe and Mail

ケイト・テイラー評価より

 

 70年代初頭の、昔懐かしい新聞社が再現されている、というレビュー

 確かにこの映画は、時にメロドラマ的で、センチメンタルで、陳腐な瞬間もある。後ろの方のシーンで、我らがヒーローに喝采する群衆が、天国みたいな日光に包まれているところとか。

 とはいえ、スピルバーグは1970年代の新聞社の雰囲気を事細かなディティールまで綿密に再現している。ニュースルームで喫煙している記者達、タイプライターや、有線電話、紙製コーヒーカップに描かれた縞模様まで・・・。

 こういうこだわりは、スピルバーグの映画の輝かしい点だ。

 

この映画は、勇気あるジャーナリスト達へのラブレターで、1976年の映画「大統領の陰謀」以来の、新聞社に関する映画の中でも最高傑作といえるだろう。そしてトランプが大統領に就任している今、リアリティのある内容になってもいる・・。

 自信に満ちたキャラクターを演じることの多かったメリル・ストリープだが、今回は、黒いスーツに身を包んだ白人の男たちの前で話す(会議)前に、何回も一人で予行演習を行うほどに、自信は持っていないキャラを演じている。

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△確かに男性がみっしりしているーー!

 

 トム・ハンクスも、いつも、いい奴っぽいキャラを演じているが、今回は抜け目ない記者で、自分のキャリアを高めるのが第一で、友達などいらない!という、癖のある人物を演じている。

 脇役では、ベンを演じているボブ・オデンカークが抜きんでて輝いている。

Bob Odenkirk

△ボブ・オデンカークは、味わい深いお顔をしていますなあ・・。

 

 古いタイプの記者・・、靴の踵をすりへらして特ダネを求めている記者、そして何よりも「真実」を突き止めようとする記者を素晴らしく演じている。

Steven Spielberg casts his glow over a brave '70s newsroom in 'The Post' | Chicago Sun-Times

リチャード・ルーパー評価より

 

一般観客の口コミをチェックした!

  • この映画は期待以上だった。ペースもいいし、演技もいいし・・。テーマからすると、つまらない映画になるかと思ったけどいい意味で良そうを裏切られた。ジャーナリズムに対する賛歌でもある。今の時代、私たちが本当に必要としているよね。
  • あまり人々に知られていないバックストーリーについての映画。演技がよい。考えさせられるし、ずっと面白く見てられた。
  • まったく超左翼的な映画だぜ!
  • ジャーナリズムが、政府を監視する第四の機関として尊敬されていた、古き時代について、懐かしく思わせる映画。国を愛することと、ジャーナリズム精神が一つのものとなれることを教えてくれる。

 

ペンタゴンペーパーズ最高機密文書の見所まとめ

 やはり、スティーブン・スピルバーグ監督がみずからメガホンを握っただけあって、なかなか評価は高いです。

 ワシントンポストと、ニューヨークタイムスの、スクープを巡っての鍔迫り合いや、機密文書をめぐる駆け引き、

 それに男社会の中に放り込まれたグラハム婦人の、必死の奮闘・・・。女性ではなくても、イやな上司陣に囲まれてプレゼンさせられるような経験をした男性社員も共感できるところがあるのでは・・・?

 そしてスピルバーグ監督が、70年代の報道業界という舞台をかなり忠実に再現していることも称賛されていました。

 昔の新聞屋の匂いを嗅げるかもしれません・・・。そして、ほとんど政府広報と化している今の日本の報道の自由についても考えさせれてしまいますね・・・。

世界的に見ても、「報道の自由度ランキング」で日本はどんどん下へ落下中です('ω')

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