「新宿スワン2」を新宿TOHOシネマで観てきました!
いや〜、久々に日本映画見たけど、なかなかどうしてクオリティ高いぞ!と思った。系統でいえば、ヤクザ映画だとか、チャンバラ映画の系譜に入るかもしれない。
俗っぽくって、金と美女と、喧嘩と暴力と血と、何よりも格好いい男女にまみれた映画である。
チンピラファッションも、なかなかコーディネートが決まっていて、仁義なき(?)世界に生きる者たちをクールに引き立たせている。
では感想を口コミします。
「新宿スワンⅡ」のあらすじ
新宿をシマとする、キャバ嬢スカウトグループのバースト。スカウトマンの数は合併により増えたものの、スカウトする女の子が増えたわけでもなく、今では女の子を巡って揉め事が頻繁に勃発するようになってしまった。
社長の山城は解決策として、横浜への進出をはかることにする。
だが横浜はすでに、ウィザードという強力なスカウト集団の根城となっていたのだった。そこに入り込む隙間はないと反対する幹部達だが、山城は断固として決定し、横浜に因縁を持つ関を送り込む。そして主人公、龍彦も一緒に送り込む。
ためらっていた龍彦だが、前作で行方をくらました洋介が今は横浜にいるという噂を聞かされて、参加を決意した。
横浜に繰り出したバーストは、さっそく根城を荒らされたと怒るウィザード達と派手な乱闘騒ぎを引き起こす。
さらに、ウィザードの社長は、関と昔は一緒につるんでいた滝であった。二人の過去の秘密が次第に暴かれる中、龍彦はクスリの売人でありながら、みずからクスリ漬けになってしまっている洋介を見つけ出す。滝はもうそろそろ、クスリの取引は終わりにしようと決めていて、用済みになった洋介は始末されてしまうのではないかと、洋介の恋人であり滝の女であるアリサは心配していて、龍彦に、最後の取引の際に洋介を連れて逃げてほしいと頼むのだが…。
「新宿スワン2」の監督やキャスト
監督 園子温
出演 白鳥龍彦•••綾野剛
滝マサキ•••浅野忠信
真虎•••伊勢谷友介
関玄介•••深水元基
葉山豊•••金子ノブアキ
洋介•••久保田悠来
小沢マユミ•••広瀬アリス
アリサ•••高橋メアリージュン
涼子•••山田優
住友宏樹•••椎名桔平
園子温監督の映画は、なんかアングラな匂いをたたえつつ、俗っぽさとスタイリッシュさ満開でなかなか癖になる。超男臭い感じ。
それから、見てください、この怒濤のイケメン俳優陣!このイケメン達が基本スーツびっしり着て、熱い戦い(アクションシーンは大きな目玉)を繰り広げるのだから、女子はもちろん、男子もたまらなく魅惑されることと思います。
「新宿スワン2」の上映時間や公開日
上映時間 133分
配給会社 ソニーピクチャーズエンタテインメント
公開日 2017/1/21
ジャンル 任侠もの、アクション、風俗
「新宿スワン2」を見た感想!
カッコいい役者陣に心の鼻血が止まらない。
ともかくも、兎に角も、出てくる男がイケメンばかり!(ってさっきからこればっかりだが汗)
主人公役の綾野剛はイケメンというよりは親しみやすいあんちゃんって感じだけど。
それから、ギャング風の奇抜なスーツファッションが、これまたかっこいい。スタイリストなかなかやるな!
浅野忠信は紫色のテロテロ光るスーツがこわもての顔にバッチリ似合っていて迫力あります。
過去の回想シーンでは、長髪をなびかせて日本刀を振り回す姿も見せてくれます。下着いっちょで佇む姿もあるし、お色気シーンもあってファンにはたまらんかも。
真虎役の伊勢谷友介はシャープな作りのシンプルできりっとしたルックスがイタリアンマフィアみたいな感じで決まっています。
関役の深水さんは、これまたイケメンって感じとはちょっと違うけど、ヘンテコリンな形にシェイブしたあご髭と、ネックレスや指輪じゃらじゃらのチンピラファッションをアレンジして着こなしている。
住友役の椎名桔平は、年齢を感じさせないつるんとした卵肌。
葉山役の金子ノブアキも、きれいな二重とひげに長髪が、ストライプのスーツにマッチ。不敵な笑いが印象的。
さらにハマネン役の中野裕太も、知的な顔立ちに、変わった模様の入ったロングコートと、カールした長髪がお洒落でいいです。
まあ、こんなふうにファッションと一緒に紹介したくなっちゃうほど、ギャングファッションがお洒落。真似するのは難易度高いと思うけど。。汗
で、これらのクールな奇抜スーツに身を包んだイケメン達が、日本刀やらナイフ、拳銃を時にまじえて、けれんみに溢れた熱い死闘を繰り広げるので、これは見ているとアドレナリン出まくり間違い無しです。
喧嘩シーンの演出がド派手!
ともかく喧嘩シーンには、相当な力を入れているようで、例えていえばスターウォーズシリーズの殺陣とか、時代劇の大立ち回りとか、ああいうふうにバトルシーンが大きなエンタメと興奮の目玉となってます。
四分の一くらいは殴り合い蹴り合いのシーンだったんじゃないかw
戦い方もとにかく派手で、龍彦の必殺技は飛び蹴りだしw(ただ反動で自分も地面にひっくり返ってしまう)。殴り飛ばされてガラスに突っ込んだり、ホストクラブの看板をぶち破ったり、なんとホストクラブの綺羅綺羅看板そのものが、何枚もつらなって倒れかかってきたりも。
キルビルという名前の(思いっきりクエンティン•タランティーノへのオマージュだな)キルビルそのまんまな、金髪に髪を染めた女の子がバットを持って乱入してきたりも。
漫画が原作ということもあってか、龍彦も滝も洋介も、主要登場人物がこぞって血まみれになります。日本映画って暴力多いよなー。
外国映画だと、いちおう物語のため正義のために暴力が登場したりするけど、日本映画って、正面切って娯楽というスタンスで暴力が描かれているのがちょっと特殊かもしれない。
山田優の姐御感がサマになっている
山田優は、着物をきて、新宿の高級クラブ「ムーランルージュ」のママ役を演じてますが、これがめさくさ似合っている。可憐で美人、しかも肝が座って凛とした「極道の妻」みたいな気品と迫力を滲ませていて、相当サマになっていた。
確かに、こういうクドい?ところのある美人はこういう役が似合うわー。
真虎を助けるため、また自分のお店をウィザードの連中にめためたに破壊されてしまったこともあり、スカウトマン会社を背後で取り持つヤクザの幹部に、バースト側に寝返るようにお願いしにいく。「店の修理代として2億円、それからウィザードと手を切ってほしい。そのかわりお望みのものは何でも差し上げます」と。「大きく出たな。。」と組長。「俺は○年間、お前に通いつめた男だぞ、、それが何を意味するか分かってるのか」などなど。
そしてこの直談判に行く前、山田優は神社にお参りに行き「わたししぬわ」と告げる。しぬ覚悟で談判に行くってことだろう。
うーん、なんとも俗っぽくて漫画的な台詞。しかし、決まっている。
裏街道の美学というものは存在するものですな。
豪勢な美女勢揃いのシーンも圧巻
物語は、酒販連合が横浜に開店する大きなお店で働くホステスを集めることを焦点にまわる。
連合の住友は、お店の開店キャンペーンとして、ホステス達のミスコンテストを開催することを決める。さらに、ウィザードとバーストという二つの対立するスカウト会社の競争を煽ることで、より沢山のいい女の子を集めようとゲスな手を打つのだった。
結果としては、100人以上集めたウィザードに大してバーストは60人ほど、、。
だが、お店の内装を破壊されてちょうど営業できなくなっていた山田優演じるママのクラブ「ムーランルージュ」の女の子達が急遽、大挙してとびいり参加できることに。
着物のママを筆頭として、露出度の高いきらびやかなゴージャスドレスを着たホステスさんたちが、波のようにざわざわと廊下いっぱいに広がってやってくるシーンは見応えあります、
みんなピンヒールだし。
しかし本当に喧嘩と女と金という、きわめて俗っぽいテーマですが、まあある意味では人間の真理の一面を突いているのかもしれないね。。
仁義なき世界だけど、男達の仁義が泣かせもする
今回対立しているウィザードとバースト。ウィザード率いる滝(浅野忠信)は、実はバーストの関に救われたことがあったのだった。過去、二人は同じチームにいて他のチームとの抗争時、日本刀を持ち出して切り掛かってきた敵の刀を奪って、その場の興奮状態から、滝は刀で相手を切り伏せてしまっていたのだった。
その時関は「お前の方がリーダーに向いてる」と滝をかばって、自分が刑務所に行ったのだった。「正当防衛だから二年くらいで出れる」といって。
しかし、刑務所を出た関を待っていたのは、滝が差し向けたヤクザだった。そして滝に二千万円を放り投げ、これを餞別として横浜から出て行け、といったのだった。
滝は、権力を手にして関がもう邪魔になってしまっていたのか??
だが実は、これは滝がヤクザに言われてしたことだったことが判明。
そして滝は、関にふたたび築いた会社をゆずるために、命がけの行動を取る。自分を弟のように可愛がってくれていたヤクザの親玉を拳銃で撃ってしまうのである。そして、このヤクザの手下に今度は復讐されることになる。
しかも、関に向けた手紙まで残していた。このシーンは、アクションシーンの多いこの映画の中で、いがいにも、じんとくるシーンとなっている。
ある意味では、日本社会の悲しい面もよく表しているのかもしれない。。。
この映画はファッショナブルなギャング映画として高く評価できると思う。
だがやっぱり、はしばしに見える日本社会特有の現象というのも気になるところだった。
まず、強いヒエラルキー、階層秩序の存在。日本企業は先輩後輩関係が厳しい封建的な気風で世界に知られているけれど、ヤクザな社会はその最たるものだ。
「親分がいうんだから間違いない」とか「何も考えるな、ただ従えばいいんだ」といった台詞も実際に登場する。個人よりも組織原理が優先されるのである。
おかしいな、と思ったとしても先輩やらへの義理、ある意味親子関係みたいな絆に盲目的に従うのがよしとされてしまっている。
それから、ヤクザなど裏社会と経済界やら政治やらの癒着である。横浜を管轄している刑事はギャングと癒着していて、賄賂をもらってるし、個人的な情も持って接触している。喧嘩シーンでも、一方だけ逮捕して、片方には被害届を出させるなど、明らかに不公平な対応を取っている。
これは日本でも残念ながら見られる事態である。
それから酒造連合の会長は、ごねるヤクザに向かって、「私は君の組織の上のそのまた上の組織とつながりを持っているんだよ、そんな私を敵にまわしていいのかね」と一蹴する。裏社会と政財界がつながっている、日本の一端を垣間見せる。
そしてキャバ嬢というか接待役としての女性。ミスコンシーンでも「(胸など)盛ってますか」というオッサン審査員にホステスが「盛ってませんよ〜〜。きょうは体の線をばっちり出してきました♪」とか、「彼氏はいますか?」「この前別れちゃったばかりです」「ほほう、それはいい」などと、オッサン何様だよ的な発言が沢山飛び交う。
こういうとこも、外国じゃああり得ん。もっとウィットの効いた発言のひとつやふたつ。。。をするかわりに、下卑た発言で盛り上がるという、ざんねんな感じ。
まあ、この映画の中で見る分には、この俗っぽさが売りだから、いいんだけど。
でもなんかオッサンが支配するぐだぐだな日本という一面を見ちゃった気もしたw
それから、合理的だったり筋が通っていることよりも義理人情で動くしょうもなさとかもね。
まとめ
ともかく、最初から最後まで全然飽きずに楽しめる凄く面白い映画だった!出口調査では90点と答えたけど95点くらいっていっても良かったくらい。
この美男美女らの純粋で不合理なエネルギーの放出と、スタイリッシュさにすっかりクラクラしてしまった。あと流石に新宿だけあって「ママからもう一枚チケット貰おう」とか、そういう業界関係者っぽい人も見に来ているようだった。