DCコミックから、またもや、お馬鹿ギャグ路線のスーパーヒーローものが飛び出した!
このジャンルは、「デッドプール」とか、最近コメディ路線も打ち出してきてますなあ。
主人公を演じる役者さんのザカリー自身も、筋金入りのオタクらしい・・・。
オタク会社まで作ってしまうほどとか。
スーパーヒーロー・オタクの少年が、もし変身の能力を手に入れてしまったら??
という設定は、マーベル映画好きの観客には、かなり感情移入できそう。
なんで「しゃざむ!」と「!」マークがついているかというと、
「シャザム!」と叫ぶと変身できるからみたい。
さて面白い?つまらない?
批評家から一般観客まで、皆の評価をまとめてみたよ!
「シャザム!」の予告編とあらすじ
主人公のビリーは養子に出されている少年。聡明で大人には従わない男の子。
警察官や児童保護施設のスタッフを出し抜いて、脱走する。
ビリーは本当のお母さんを探しに出かけたのだった。
でも、つかまって児童養護施設に保護されてしまう。
そこで出来た仲間は、フレディ・フリーマン。フレディは賢くて、早口で喋る奴。
ビリーはひょんなことから、とあるテストに合格してスーパーヒーロー「シャザム」へと変身する能力を与えられてしまった。
「シャザム」は、もちろん大人のボディを持っていて、筋肉モリモリのマッチョマン。
そして、空を飛んだり、電気を操ったりできるし、銃弾をも跳ね返すことができる。
まずビリーがすることといったら、コンビニに入って煙草を喫うわ、酒は飲むは、ストリップ劇場に侵入するわ・・・。
iPhoneだって、指先から電気を流せばチャージできちゃう。
「シャザム」に変身すると、稲妻も発射できるし、走っていってしまったバスをつかまえたり、泥棒の盗みを阻止することもできるのだった。
スーパーパワーに夢中になる悪童二人。
しかし悪役のドクター・シヴァナに狙われることに・・・。
シヴァナは「七つの大罪」というパワーを内に育てていて、それを使って宇宙を支配しようともくろんでいるのだった・・・。
「シャザム!」の監督とキャスト
- 監督
デビッド・F・サンドバーグ
- 出演
シャザム役・・・ザカリー・リーバイ
マイティ・ソーバトルロイヤルなど、マーベル映画にも出演れきあり。
今回はそのオタクぶりが評価されて(!??)
主人公に大抜擢!
ビリー・バットソン役・・・アッシャー・エンジェル
2002年生まれ。まだ二十歳にもなっていない十代のフレッシュな俳優さん。
スーパーヒーローに変身してしまうことになる、普通の男の子を演じます。
ドクター・サディアス・シヴァナ役・・・マーク・ストロング
ごついハゲ・・じゃなくスキンヘッド系俳優さん。
コリン・ファレルの「キングスマン」シリーズにも出演していました。
フレディ・フリーマン役・・・ジャック・ディラン・グレイザー
主人公ビリーの友達で悪ガキなフレディ。
ロサンゼルスで生まれ育ち幼少期から俳優業をしているジャックです。
「シャザム!」に対する批評家の評価は?
ビラン(悪役)すら、お間抜けでチャーミング!という評価
この映画の狙いはかなりの部分で成功している。
「シャザム!」は「デッドプール」みたいにシニカルで不敬な感じではなく、もっと可愛らしい感じで不敬である。
この映画の中では、惑星が破壊されることを恐れるよりも、「お尻にパンツが食い込んだスーツケース」(何のことだかは秘密・・)が恐れられるのであった・・・。
悪役(ビラン)である、ドクター・シヴァナも憎めないキャラに描かれている。
子供時代のエピソ―トが映し出され、そこでシヴァナは、もじもじしたシャイな子供で、兄や父親から容赦なく、からかわれている。
そして、シャザム・グッズを手に入れるチャンスを逃してしまうのだ。
その代わりに、ドクターは、「七つの大罪」と同盟を組み、自分の中の憤懣を育てて悪の道へと染まった。
そして、ビリーのような、どこの馬の骨とも知れないガキンチョが、今回自分が欲しかったシャザムのパワーを手に入れていることに、めちゃくちゃ嫉妬しているのだ。
「シャザム!」の監督は、ホラー映画で有名だけど、そういう映画よりは、だいぶシナリオを軽快なものにしている。
CGIを使って色んな場面で遊んでいるし、奇妙なキャラクター達にみずから夢中にもなっているようにみえる。
トロント・スター紙 ピーター・ハウエル評価より
決闘シーンが長過ぎという評価
DCコミックが原作の映画によくあることだけど、シャザムとドクターの対決シーンはちょいと長すぎる。20分くらい削れたのではないか。
そしてビデオゲームから出てきたようなコンピュータグラフィックスのモンスターがうようよ登場する。でもドクターは、キャラクターとしてうまく造形されていることもあって、こういう映画の中でも、もっとも手強く、強い悪役の一人になっている。
デトロイト・ニュース紙 アダム・グラハム評価より
失われた母を探す冒険も見応えあるという評価
この映画はサハラ砂漠でエヴィアンのペットボトルに出会ったように、新鮮でみずみずしい。
スーパーヒーロー映画が、とても重々しくてシリアスになり過ぎているこの時代に。
こういうリラックスした映画を観れるのは解放感がある。
「シャザム!」の若々しいエネルギーは、本当に若い役者さんのおかげも大きい。
16歳のアッシャー・エンジェルが主人公を演じている。
「七つの大罪」グループは「ゴーストバスターズ」に出てきたガーゴイルみたいなモンスターだ。
ビリーとフレディが、シャザム!の能力をあれこれ試行錯誤して試す場面は面白い。
コンクリートのブロックをいとも簡単に砕いたり、携帯電話を指から出る電気でチャージしたり・・・。
二人は興奮して、この実験をユーチューブにアップロードしてしまう。そしてこの動画はあっという間に拡散され、シャザムは有名人になるのだった。
この映画は憂鬱で重苦しい雰囲気はないけれども、すべてがハッピーに太陽が照っているというわけでもない。
悪役のドクターは複雑な過去を持っているし、気持ち悪くてセクシーな台詞を吐く。
「シャザム!」の一番いいポイントは、登場人物達の間の関係性が良く描かれていることだ。スーパーヒーローものって、よく人物造形よりも、スーパーパワーのほうが強調されて、つまらなくなる時がある。
ビリーの手にしたスーパーパワーもそうだけど、彼が自分を幼い頃に捨てた母を探す旅にも、僕らは夢中になれる。
ニューヨーク・ポスト紙 ジョニー・オレシンスキ評価より
続編が楽しみ、という評価
登場人物たちの、悲劇的な人生の物語が語られる場面も多くて、それはキャラクターたちが行動する動機を分からせてくれるのだけど、シナリオがぎこちなくて、散漫になっているところがあった。
こういうバックストーリーの部分は、一番面白い要素から気をそらしてしまう。
「シャザム!」で一番面白いのは、シャザム(ビリー)と、養護施設で一緒に過ごす仲間のフレディのやりとりだ。
リーバイが画面に登場すると、映画はやっと面白くなってくる。
お間抜けで、純粋で、ほとんど制御できないスーパーパワーに自分も驚いている。
大きい体を持った子供という存在感には、見ている方も染められてしまう。
これと対照的に、変身前の子供であるビリーのシーンはシリアスで、親の愛情から見捨てられ、でも家族を探しに行って、しかし見つからない。
「シャザム!」の物語は、時折もたつくけれども、リーバイとエンジェルという、大人と子供の二人がダブルで主役を務めるという状況は、とても新鮮で魅力的だった。
続編が見たくて仕方ない。
トリビュート・ニュースサービス ケイト・ウォルシュ評価より
「シャザム!」に対する一般観客の評価はどう?
- 12歳にとっては、怖すぎた・・。
- 最初の方は、なかなか物語が始まらない感じがあるけれど、いったんシャザムの電撃的アクションとお笑い要素が入って来ると、とっても楽しい。
- 素晴らしかった!DCコミックもマーベルコミックも両方好きだな。
- 期待よりもよかった。ヒーロー映画というよりは、コメディだった。どっちにしろ凄い面白い。
- 楽しくて、軽くて、シンプルな映画。
- とても面白可笑しくて、特に一番最後にサプライズがあった。
- 変身前のビリーと変身後のシャザムは、性格まで変わっちゃうのが気にはなった。
- 昔ながらのスーパーマンの要素も取り入れつつ、現代的なキャラクターやストーリーになっている。たまに暗いテーマも顔を出すけど気にならなかった。満足いくスーパーヒーロー映画になっている。でも悪役はちょっと物足りない。
- この映画を観終わった後に思ったのは、この映画を忘れることができるという特殊能力を自分が持ってればなということだけ。シャザムは戦闘シーンで走り回ることしかしていない。スーパーヒーロー映画といえば、アクションや戦闘を思い浮かべると思うけれど、この映画はそういうのとは違っていた。それにシャザムは面白いけど、変身前のビリーは普通でつまらない。
- スパイダーマン2みたいな感触があった。滑稽で面白くて、キャストはいいし、悪役もいい。そしてホラー映画の要素、紋切り型な要素もありつつ、アクションシーンもあった。よく出来ている映画。
- 傑作。見る価値は絶対ある。でも、小さな子供を一緒に連れていくのはどうかと思う。時々、すごく暴力的になるし・・。CGIはそこまで良く出来ていないけど、比較的低予算で、よくここまで作ったと思う。「ジャスティス・リーグ」よりも好きだった。
- 「シャザム」は全編通して道化役だったので、もう少しシリアスになってくれるところがあっても良かった。
「シャザム!」への評価まとめ
観客からも評論家からも、受けはよくて、8~9割くらいが「面白い!」という感想でした。
アベンジャーズみたいに、悲壮感とか壮大さとか、シリアスな重々しさはなくて、あくまでミーハーなカジュアル感が魅力的なようです。
大人と子供がダブルで主役を演じるのも、新鮮。
けれど、この二人、変身前と変身後では、まったくの別人というほどに性格が変わってしまうそうな・・・。そこは、台詞回しの問題なんでしょうね。
ビリーが母を探すところとか、ドクターの過去とか、ところどころにエモーショナルでダークな要素も出て来るようですが、全体的にコメディタッチを期待できそうです。