書評・読書案内
2017年に、ノーベル文学賞を取った日系英国人のカズオ・イシグロ。現在日本語で読める、彼の最新作が「忘れられた巨人」です。 「私を離さないで」など静かで淡々とした作品で有名ですが、近年はSFやファンタジー、推理小説からカフカのように不条理な迷宮小…
ノーベル文学賞を受賞した、日系イギリス人の、カズオ・イシグロさん。 すでに何年も前から、文学好きの間では結構な評判になっていて、私も「日の名残り」と「私を離さないで」は、仲間から回ってきて読みました。 この機会に、他のも読んでみようと思いま…
めでたく、カズオ・イシグロがノーベル文学賞に選ばれました!「私を離さないで」などは映画化もされていて、ご存じの方も多いかもしれません。 イシグロ氏は、日系イギリス人。日本で生まれ、現在はイギリス国籍です。小さい頃からずっと英国で暮らしている…
2017年夏の芥川賞が発表になった。多くの人の予想と異なり?受賞したのは、沼田氏の「影裏」(えいり、と読む。かげうらでなく)。五月に文学界新人賞を獲ってデビューしたばかりなので、トントン拍子である。 はっきしいって、最近の芥川賞はつまらな過ぎて…
今年2017年夏の、直木賞候補作、「あとは野となれ大和撫子」を読んでみましたのでレビューします。 あとは野となれ大和撫子 posted with ヨメレバ 宮内 悠介 KADOKAWA 2017-04-21 Amazon Kindle …最近、芥川賞があまりにつまらんので(;^_^A、 どっちかという…
村上春樹の、書下ろしならぬ、語りおろしインタビュー発売! 「騎士団長殺し」のこと、それに女性の視点から、フェミニズムっぽいことについても春樹に突っ込みが入るということで、興味が出て読んでみたのだった。 何しろ、春樹といえば女性のムネの描写が…
又吉直樹の話題作「劇場」を読んだのでレビュー。個人的には、やはりあまり面白く感じられなかった("^ω^)・・・やっぱもう、純文学は死んでるな、文芸誌なくなるのも時間の問題・・・と思ったのだった。エンタメ系のはまだ読んで面白いのが多いけど・・…
700番 第一巻 posted with ヨメレバ ASKA 扶桑社 2017-03-19 Kindle 楽天ブックス ちょっとミーハーだが、お茶事件や逮捕事件など様々な点で話題になっていた、チャゲアンドアスカの、ASKAの手記が発売されたので読んでみた。 まず理由としては、あんなに人…
さて騎士団長殺しも第二部の丁度半分くらいまで読みました。驚愕の展開にさしかかってきた~!とりあえず気付いたことを。これまでの作品と共通するのは数々の女性が登場すること。特にぶっきらぼうな喋り方の少女、 主人公を捨てたようにみえて実はまだ主人…
小説を読むのなんて、もう二年ぶりくらいかも知れない。村上春樹の「騎士団長殺し」早速に購入して読んでいる。とりあえずの舞台設定や感触を速報でお届け! 第二部以降の謎解き考察については、こちらの記事で書いています↓ tyoiniji.hateblo.jp ネタバレは…
今年2016年4月1日に、辺野古での抗議活動中、米軍に拘束された目取間俊さん。ずっと基地問題などの取り組んでこられた方のようだ。 サングラスがトレードマーク(??) 気になって、目取間氏の出発点となった「水滴」を読んでみた。 戦争体験や社会問題への…
「春爛漫の間取り図小説」と解く。その心は…。 第151回芥川賞受賞作。柴崎友香「春の庭」(2014年下半期) 物凄く淡々としているけど、なぜか飽きずに読ませてしまう。 そう、なんというかぼーっと日向ぼっこしているような、 日曜日にお気に入りの部屋に引…
自分のためにも日本文学の歴史をまとめるシリーズを書くことにしました。 何を隠そう、わたしも文学少女でしたが、どっちかという外国文学にかぶれてて、なんとなく地味な印象のある日本文学にはイマイチ興味を示せてなかったんですが、 しかし!日本文学に…
この秋にいよいよ公開になるハリポタ・シリーズ最新作、ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」だけど、今度は、面白い魔法動物があれこれ登場する映画みたいだ。 そこで、ネタ本「幻の動物とその生息地」に登場する幻獣を集めてみた。 妖怪とか幻獣と…
人文・知識の分野は、平積みになったタイトルだけ見ていても、世相を映し出していて面白いものです!今月はどんな新刊が出ているのかな。 気になる書籍をチョイスしました。 学べるマンガ100冊 学べるマンガ100冊 posted with ヨメレバ 佐渡島 庸平,里中 満…
20代はまだ、体力も気力もあるし、新しいことを吸収しようとする好奇心もいっぱいの年代だ。この時読んだ本は、確実に心の培養土になってくれる。一生、心の一部になってくれるのではないだろうか。 そんな支えになってくれる本のおススメをピックアップ!軟…
ワーキングプア小説なんだが、悲愴感はあまりなく、カラッとして自分を笑ってるようなとこもあるのは江戸っ子気質ゆえんだろうか? 日雇い労働の若者という底辺労働者を書いてるのに、妙に明るいのはなんでだろう。 西村賢太「苦役列車」。2010年下半期芥川…
2015年上半期芥川賞。九州のど田舎の離島とカナダの旅の記憶が交錯して、ここではないどこかの光が立ち上がる、マジカルな小説。 星は、二つにしてますが、細かくいえば、1.7くらいかなあ。 小野さんは、立教大学の先生なんですね。東京大学に入り、その…
パキパキと簡潔な文体で孫と祖父それぞれの、しぶとさが闘わされます。 2015年上半期に第153回芥川賞を授賞した、羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」を読みました。
アメーバのように付きまとってくる旦那が怖いホラーチックなファンタジー。 2015年下半期芥川賞受賞作。 本谷有紀子。美人と評判だが、確かに可憐なルックスだ。(あ、写真の烏と一緒のお姉さんは関係ないモデルさんです念のため) だが、このお方のプロフィ…
「眠たい系葬式小説」だと解く。その心は…。 2015年下半期に、本谷有希子と同時受賞。 滝口氏は受賞して「ますます不安が大きくなった」とか。 何故!?? 昨年会社を辞めたらしく、専業作家としての道を歩み始めた矢先だというから、幸先のいいスタートなの…
お笑いとは、美しい世界を壊すこと、など独自のお笑い哲学が爆発していて読ませます。 愛書芸人の又吉が受賞で話題になった芥川賞。 ★二つ付けましたが、実は1.5くらいです…。又吉の人生が滲み出すような、妙にいじらしい感じがあって、0.5点上げてます。 ピ…
2011年下半期芥川賞受賞作。田中慎弥と同時受賞。 記者会見では田中氏の強烈キャラクターのかげに隠れて、目立たなかったですね。普通の爽やかでおとなしそうな、お兄さんという印象でした。 「道化師の蝶」読んでみましたら、よくこれが芥川賞獲れたなあ・…